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(ラスボスが倒れ、取り込まれていたエフティが解放される)
「うぅ…ここは…」
(目を覚ましたエフティからほど近い場所に、エリカが座り込んでいる)
「エリカ…!また、助けてもらっちゃったね。」
「………お前、誰だ?」
「えっ…」
「悪いけど、覚えてねーんだよな、お前のこと。なんならどうやってこいつを倒したのかも覚えてねぇ。」
「ま、なんにせよ別にお前のためじゃねーから、感謝はいらねーよ。」
「…嘘、嘘よね?悪い冗談よしてよ……」
「なんで嘘つかなきゃなんねぇんだよ。初対面のお前に…」
「なぁオイ…なんで泣いてんだよ…どこか痛むのか?ちょっとなら回復魔法使えるぜ?」
「………いいの。もういい。私のこと忘れちゃっても、エリカがエリカのままなら、それでいいの。」
「…」
「あんたバカだしガキだし、いつも突っ走るし、すぐ騙されるし…」
「初対面に言い過ぎだろオイ!」
「…でも、困ってる人がいたら絶対助けるし、不器用だけど優しいし、いつも側にいてくれて、いつも駆けつけてくれた…」
「そんなあんたが…好きだった。」
「…!」
「…いきなりごめんね!初対面の人にこんなこと言われて、気持ち悪いよね!大丈夫、もう行くから!バイバイ!」
「エフティ!」
「!」
(エリカが後ろからエフティの手を掴む)
「ごめん!本当にごめん!俺、お前さえ助かればいいと思ってた!俺がお前を忘れることが、お前にとってどんなに辛いことか考えなかった!それで辛いのは俺だけだって!ごめん!許してくれ!」
「……もう…………ほんと、ほんとにもう!びっくり…させないでよ…!」
(振り返ってエリカを抱きしめる)
「…うん、させない。もうびっくりさせねぇし…一人にもしない。」
(エフティを抱きしめ返す)
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(遠くから二人を見守るシヤ)
「…嘘つきだね。」
「絢。覗き見とは趣味が悪いですね。」
「キミが言うの?…金輪際忘れるとか嘘じゃん。キミがかけたの、ちょっとだけ物忘れするだけの魔法でしょ。」
「…そろそろ覚えなさい、絢?私は 」
バッドエンドは認めない
「 主義なのです。」
すき
ありがちょ