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政治・経済(旧「参議院選挙」) / 79

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なぐも 2025/10/18 (土) 00:29:29

公明党が連立離脱を決断したのは、ちょっと意外だった。なんだかんだとゴネても国交大臣の職や与党の旨味を捨てられず、自民の支援がなければ小選挙区は戦えないから最後は現実路線に舵を切ると思ってた。

ここにきて維新が株を上げて国民民主の玉木のほうが評価を落としているが、これは資質というより両者の置かれた立場の違いで起きたものだと思う。

維新は、自民や旧民主・現立憲とは異なる「第三極」として存在感を示してきたが、最近では人気を落とし、「第三極」としての存在意義を国民民主に奪われている。大阪では無敵、近畿では強力でも、なんだかんだで大阪の地域政党から全国規模に脱皮できないままに衰退し始めていた。だからここで「座して死を待つよりは」と乾坤一擲の大勝負に出るしか道がないわけだ。たとえ自民と折り合わずに決裂しても自己主張を押し通したことで強い存在感を見せつけたことになる。

逆に国民民主は最近人気上昇中で、衆院選、参院選ともに躍進した。好調なのだからペースを乱したくなくて慎重姿勢に出たのが裏目に出た。

「現状では衰退するから何としても流れを変えたい維新」と、「現状で好調なのだから流れを変えたくない国民民主」の立場の違いが、積極姿勢と消極姿勢に分かれたんだろう。もちろん巷でも言われているように国民民主は連合の意志に逆らえないから自民党との連立に及び腰、かといって野党連立で玉木が総理になっても議員数で圧倒的に立憲が多いし政策理念の異なるまさに「烏合の衆」だからあっという間に四分五裂。そんな話に乗れるわけがない。国民民主は自民とも立憲ともくっつけない事情がある。それがハッキリしない態度につながったことも大きい。

自民と維新の連立がどうなるかは分からないが、成立したら維新は自民に大幅譲歩をさせた実績を誇れるし、決裂しても筋を通して存在感を見せつけたことになり、どちらにしても損はしないだろう。一連のゴタゴタで一番得をしそうなのは維新かな。

自民は最低限、野党連合の芽を摘むことで「高市総理」にめどが立ってきた。維新との連立ができればほとんど確実に総理になれるし、できなくて決選投票になったとしても、維新は野田や玉木の名前を書くことはない。国民民主も野田の名前は書かないだろう。少数与党ながら高市政権は誕生する。ただ連立が成立してもしなくてもその後の運営は苦しい。維新が自民に協力的なら解散はないだろうが、維新が調子に乗ってゴネだすと早期解散の流れになる。

めちゃくちゃバカバカしいケースは、国民民主は立憲の「玉木総理」案に乗らなかったのに、それでも立憲が1回目の投票から玉木の名前を書くことで、決選投票の構図を無理やり「高市vs玉木」にもっていくことだ。こうすれば国民民主は決選投票でも玉木に投票せざるを得ず、維新が無効票を投じたら、ひょっとしたら強制的に玉木総理になる可能性もゼロではないかも?ただそんなことをしてもその政権はあっという間に瓦解するし立憲としても自殺行為。そこまで立憲もバカではないでしょ。

国民民主は連合の縛りやここまでの良い流れを変えたくない消極性から、一気に天国から転落した。ここで維新批判をしたり公明党と組むとかちょっと玉木は血迷ってる。天国から転落したとはいえ地獄に落ちたわけでもないのに、玉木の血迷い方次第では地獄に落ちかねない。今までどおり是々非々の対応をしてりゃいいのに。

公明党は、思い切ったことをして、創価学会はさしあたり喜ぶかもしれないが、今後の選挙は苦しくなる。宗教がらみだけに浮動票は期待できない。自民党は元がデカいからダメージを食ってもまだしもどうにかなるが、公明党に投票するのが学会員だけになると弱小政党化していくぞ。

というわけで、今回のゴタゴタの勝者は維新かな。自民と国民民主はダメージを受け(というか国民民主は玉木次第)、公明党のダメージはかなり致命的。今すぐ弱小化しなくても支持者の高齢化と新規獲得の難しさで中長期的には先細りが運命づけられた形。ちなみに参政党は悩ましいところ。高市が総理だと、「無理して危なっかしい参政党を選ぶよりも高市自民のほうが安心感がある」というわけで埋没するリスクがある。

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