けものフレンズBBS NEO

数年前に投稿したけもフレ1(た○き)→けもフレ2小説をこちらに投下します / 61

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無才(むさい) 2025/07/16 (水) 13:28:57

みえけんそうごうはくぶつかん たきざわおにいさん
「ニホンイノシシは、ンま基本的には雑食で、雪が苦手なンすよ。雪の降ってない地域とかは特に、意外に身近なところに住んでいて、主に夜間活動する動物なンで、ンま滅多に出会うことはないンすけど、結構いっぱいいるンすよね。」
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 そして暫く経った後、ラッキービーストはゆっくりとバスを停止した。
「ココガ「タキ」ダヨ。モトハカンコウメイショトシテモ、ニンキダッタエリアノヒトツダネ。」
 ラッキービーストは観光ガイドさながら滝についての解説をすると、フレンズたちのいる方へと体を向けて言った。
「ドウヤラ、ココニセルリアンタチノキョテンガアルヨウダネ。」
 かばんはラッキービーストの言葉を聞くと、ゆっくりと窓の外を見渡した。
 見渡せば荘厳な絶景……然しその横では、一つ目のセルリアン達がキョロキョロと辺りを見回す様子が伺える。
「思った通り、近くにセルリアンたちの拠点があったのです。」
「我々の言った通りなのです」
 アフリカオオコノハズク・ワシミミズクが口を揃えて状況を見ると、周りにいたフレンズたちもそれぞれ声を上げた。
「なんだか、何かを狙っているみたいに見えるのだ」
 アライグマが少し身を乗り出し、滝の近くをうろつくセルリアンたちをじっと見つめながら言った。
「確かに……。あの動き、なんか普通じゃないよねぇ〜」
 フェネックがゆったりとした口調で呟きながら、耳をピクピクと動かして周囲の音を拾う。
 かばんはバスの窓から外を観察し、眉をひそめた。滝の周辺には、岩や木々の間にいくつものセルリアンが点在している。
 だが、ただ徘徊しているだけではなく、何か特定の方向を気にしているように見えた。
「とりあえず、あのセルリアン達を倒さないと、『たき』は通れなさそうだな。」
 タイリクオオカミが言うと、ニホンイノシシは険しい表情でバスを飛び出した。
「ニホンイノシシさん!?」
 かばんの驚いた反応を尻目に、ニホンイノシシは己の武器を構え、セルリアンに向けて言い放つ。
「拙者、勇猛果敢なるモノノフ、ニホンイノシシでござる!いかなる時も後ろを振り返ることなく突き進む!前進あるのみでござるー!」
「待ってください、ニホンイノシシさん!一人で突っ込むなんて無茶ですよー!」
 かばんは叫ぶも、声は滝の轟音にかき消され、ニホンイノシシは己の武器を手にセルリアンの群れへ向かって猛突進を始めた。
 そんな彼女を見るやいなや、アフリカオオコノハズクとワシミミズクは彼女の背を追いかけるように張り切って飛び立った。
「我々も動くのですよ!」
 二人を皮切りに、他のフレンズたち四人もバスを飛び出した。
 そんなフレンズたちの声に気が付いたのか、セルリアンたちは彼女らの方向へ体を向けた。

 ――刹那、ニホンイノシシが先頭のセルリアンのコアに槍を突き刺し、セルリアンは粉々に砕け散った。
「前進せよ!前進でござるー!」
 ニホンイノシシの攻撃を皮切りに、サーバルたちが横から這い出るセルリアン達を一体ずつ片付けていく。
「うみゃみゃ、なんだかこのセルリアン達、少し強いよ!」
「まるで前の大きいセルリアンの時みたいなのだ?」
 サーバルがセルリアン達を片付ける最中、アライグマとともにそんな言葉をこぼす。
「ラッキーさん、大丈夫なんでしょうか?」
 かばんは思わず、ラッキービーストにそんな問いかけをした。
「チカクニ、ビジャクナサンドスター・ローノソンザイヲカクニン。モシカシタラコノシュウヘンニ、サンドスター・ローモトニナルモノガアルノカモネ」
 淡々と、ラッキービーストが答え、かばんは聞き覚えのある単語に疑問を抱き、問いかける。
「サンドスター・ロー?……それって、前に大きいセルリアンと戦ったときに、かざんから出ていたものですよね?」
 かばんの問いにラッキービーストは自らの耳をピョコピョコと揺らしながら、緑のデバイスを光らせ話し始める。
「ソウダヨ。サンドスター・ローはサンドスターノアシュデ、マダヨクワカッテイナイコトモオオインダ。デモ、イチブノコウカトシテ、セルリアンヲキョウカスルコトガ、コレマデノケンキュウデワカッテイルヨ。」
「そうか……だからあの時の大きいセルリアンも……。」
 ラッキービーストの言葉に、「そうだったのか」とかばんは頷きサーバル達のいる方角へ向き直りながら、続ける。
「今回は大丈夫そうですよね……?」
 前回のこともあり、今回のセルリアン戦に関しても少しだけ不安が残る。
「コンカイハ、ケンシュツサレタサンドスター・ローノノウドガビリョウダカラ、ソンナニモンダイハナイトオモウヨ。」
「よかった……。」
 安堵するかばんを尻目に、ラッキービーストは続けて言う。
「マア、スコシハキヲツケタホウガイイトオモウケドネ。」
 「まぁね……。」とかばんは少し眉をひそめつつ、ラッキービーストに同調する。
 そんな会話が続けられる一方、サーバルたちは滝周辺に広がるセルリアンへの対処に、手を焼いていた。
「こいつら、少しすばしっこくないのです!?」
 拳を振り下ろすも、セルリアンには当たらず。
 アフリカオオコノハズクは今回の小型セルリアンのすばしっこさに、異変を感じていた。
「しかも、やけにいつものセルリアンとは違って硬いのですよ、はかせ。」
 アフリカオオコノハズクと肩を並べ、もう一方のセルリアンを小突きながら、ワシミミズクはアフリカオオコノハズクの言葉に応える。
「もしかしたらセルリアンたちが何か集まっているように見えたのは、原因があるのかもしれないな。」
 タイリクオオカミも同様にセルリアン達の相手をしながら、ふとそんなことを呟く。
「そういうことなら、とりあえずセルリアンたちの相手が終わったら、原因をみんなで探すのだ!」
「よーし、みんなで力を合わせてこのセルリアンたちをやっつけるよー!」
 サーバルが元気いっぱいに叫びながら、鋭い爪を振り上げて目の前のセルリアンを弾き飛ばした。
「うみゃみゃ! やっぱりちょっと硬いけど、こうやってガツンとやれば大丈夫だよ~!」
「サーバル、油断し過ぎは禁物なのですよ。」
 アフリカオオコノハズクが冷静な声で注意しながら、素早い動きで別のセルリアンに飛びかかり、そのコアを正確に叩き潰す。
「もー!分かってるよ!」
 サーバルは思わぬ注意に少し顔をしかめながら答える。
「拙者も負けてはおられぬでござるな!」
 ニホンイノシシは槍を握り直し、突進の勢いを活かして複数のセルリアンを一気に薙ぎ払う。彼女の攻撃は直線的だが、その勢いは周囲のセルリアンを一瞬怯ませるほどだった。  

「みなさん、すごいですね……!」
 かばんはバスの中からサーバル達を遠目で観察しながら、そんな声を上げた。
「キョウシュウエリアノレイノイッケンイコウ、サーバルタチハ『ドウタタカウカ』ヲシンケンニカンガエルヨウニナッタカラネ。カバンヲマモルタメニト、ヒッシニナッテイタヨ。」
「みんな……。」
 かばんは戦うサーバルたちの姿を見つめながら、聞こえないように呟いた。
「モットモ、サーバルタチガジブンジシンモマモレルヨウニナルタメニ、ヒツヨウナコトデハアルンダケドネ。」
 そんな会話が続く最中、サーバルたちとセルリアン達の戦いは、いよいよ大詰めを迎えていた。
「だいぶセルリアンの動きが落ち着いてきたようですね〜。」
 残り少なくなったセルリアンを見て、ツバメはふとそんな言葉を呟く。
「うみゃ、みゃー!こっちは終わったよ!」
 腕を勢いよく振り下ろし、セルリアンのコアを砕いた後、サーバルはアフリカオオコノハズクの方へ振り向いた。
「こっちももう少しなのだ!」
 アライグマが嬉々として答える一方、その背後からは一匹のセルリアンが忍び寄っていた。
「危ないよ〜、アライさーん」
 そんなのんびりとした口調とは裏腹に、フェネックはアライグマの背後に忍び寄るセルリアンのコアを恐ろしく機敏かつ正確に叩き割る。
「うわっ、危なかったのだ! フェネック、ほんとに助かったのだ!」
 アライグマは目を丸くしながら、フェネックにぴょんと飛びついて感謝の意を伝える。
「ふふ、いいってことよ~。アライさんがいつも突っ走るから、こうなるんだよね~」
 フェネックは変わらずのんびりした口調で笑いながら、アライグマの頭を軽くポンポンと叩いた。
「これで最後のようだな。」
 タイリクオオカミは拳を振り下ろした後、右腕でかいた汗を多少拭き取って安堵の声を上げる。
「やっと終わったのだ〜!」
 ホッとした表情を浮かべながら、アライグマは疲れ果てた様子でそんな声を上げた。
「みんなお疲れ様だ。しかし……今回のセルリアン、なんだか様子がおかしく無かったか?」
 タイリクオオカミはポンポンと手をはたくと、顎にそっと拳を当てながら、そんな疑問を唱える。
「確かに、もしかしたらこのあたりに原因があるのかもしれないのです。」
 タイリクオオカミの言葉に、アフリカオオコノハズクはそんな考察を浮かべる。
「そういえば、さっき戦ってた時にへんな石を見つけたのだ。」
 アライグマは言うと、己の懐から一つの「石」を取り出した。
「その石の形、なんだかボスのやつと似てるね〜」
 フェネックはアライグマの取り出した石をみるなり、ラッキービーストの胸にかけられたデバイスの形を重ね合わせて呟いた。
「なんなのか分からないけど、ボスに見てもらおうよ!」
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「片付けといい、今回のセルリアンといい、さすがの私も疲れたよ〜」
 サーバルが気だるげな表情で、バスの座席へと項垂れる。
「ほんとにお疲れ様だよ、サーバルちゃん。それにみんなも。」
 かばんの言葉にフレンズたちは少し口角をあげながら口々に言葉を上げ始める。
「特に何事もなくて良かったよ〜」
 フェネックがいつも通りの様子で。
「かばんさんが無事で一安心なのだ!」
 とアライグマはかばんを見ながら。
「キョウシュウエリアの長として、我々もかなり尽力したのです。」
 とアフリカオオコノハズクは得意げに。
「あっそうだ、ボス!」
 サーバルはそんな言葉でラッキービーストに呼びかけると、己の懐から先ほどの石を取り出し、ラッキービーストに手渡す。
「これ、さっきの戦闘中にアライさんが見つけたんだけど、何かわかる?すっごくボスの胸のやつに似てるよね?」
 疑問を抱くサーバルに、ラッキービーストは声を上げる。
「イシカラ、ビリョウナサンドスター・ローヲケンシュツ。」
「ええ、これが?」
 突然の情報に、かばんは思わず声を上げた。
「ナンデボクトミタメガニテイルノカハワカラナイケド、コレガビリョウナサンドスター・ローノハッセイゲンデアルコトハマチガイナイネ。」
「持ってて大丈夫なんですか!?」
 ラッキービーストの淡々とした説明に、かばんは頓狂な声を上げる。
「モチロン、コノママモッテイルトキケンダカラ、ハカイスルコトヲオススメスルヨ。」
「思うところはありますけど、仕方ないですね……。」
 かばんは言うと、石をサーバルの元へ手渡す。
「よければ、拙者がその石を破壊しとくでござるよ。」
 横からニホンイノシシが飛び出し、サーバルに声掛ける。
「それじゃ、お願い。」
 サーバルがそう言って石をニホンイノシシに託すと、かばんが前に出てツバメとニホンイノシシに向け頭を下げた。
「偶然だけど、ここまで手伝ってくれてありがとう、ツバメさん、ニホンイノシシさん!」
 かばんが頭を下げると、ツバメは優雅に翼を広げて微笑んだ。
「ふふ、旅の縁ですわ。またどこかで風を共に感じましょう。」
「うん! また会おうね~!」
 サーバルが手を振ると、ツバメは軽やかに木々の間へ飛び去った。
「ツバメさん、ほんとキレイだったのだ~!」
 アライグマが言うと、フェネックがのんびり笑う。
「だよね~、なんか見ててホッとするよね。」
 一方、ニホンイノシシは石を手に、胸を張った。
「この石、拙者が下流で粉々に砕いてくるでござる! 心配無用!」
「気をつけてね、ニホンイノシシさん!」
 かばんの言葉に、彼女はもう一方の手で槍を掲げて答えた。
「はは! かばん殿、また会おうでござる!」
 ニホンイノシシは勇ましく滝の下流へ歩き出す。
「うみゃ! ニホンイノシシさん、かっこいいね~!」
 サーバルが興奮すると、タイリクオオカミがクールに笑う。
「ああ、嫌いじゃないね。」
 かばんは二人の背を見送り、呟いた。
「無事に石を壊して、落ち着いてくれるといいな…。」
「アラタメテ、ミンナオツカレサマダヨ。」
 二人のフレンズがバスを去った後、再びラッキービーストがそんな言葉を呟く。
「コレデコノエリアノガイドモ、ヨウヤクマトモニデキソウダネ。……ミンナ、マドノソトヲミテミテ。」
 ラッキービーストに言われ、一行は再び外の景色へと目を向けた。
「わあー!」
 先ほどまでセルリアンたちと対峙していた場所が、彼らがいなくなったことにより、より荘厳に思える光景として目に映る。
「少しだけ、スケッチしてもいいかな。」
 手を挙げ、タイリクオオカミが声を出す。
 フレンズたちがそんなタイリクオオカミの言葉に頷くと、タイリクオオカミは徐ろに原稿用紙を取り出し、その情景を描き写し始めた。
 タイリクオオカミがスケッチを進める間、かばん、サーバルはバスから身を乗り出してつぶやく。
「おっきーねー!」
「今まで見た滝とは大違いだねー!」
 轟々と、辺りに威厳のある滝の音が鳴り響き、その音の心地よさに、かばんは少し眠気を覚える。
 次はどんな場所を旅しようか、そんな思い浮かばせながら、かばん達はまた空を見上げた。

【エンディング】

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   の        の
    の      の
 の の タイリク予告 の の
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   の        の
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 どうも。タイリクオオカミだ。
 投稿遅れてすまない。
 ま、小話に纏めるがな。
 それでは、今日も予習に入るとしよう。
 今回は「どうくつ」を予習する。
 “洞窟”……それは、地面の下ににぽっかりといた穴で、またの名を“洞穴”ともいう。
 ヒトやフレンズが通れるようなものや通れないようなものという条件はあるがな。
 洞窟の中には空気があって、人や動物たちが呼吸したりできる。
 クマなんかは、洞窟の中ですみかを作ったりもしてるな。
 それは次回のお楽しみ。
 次回、「どうくつ」。

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