「(流石に錚々たる顔ぶれだな…)」
「(ロックスーツを着ていなければ正気でいられる自信が無いや…」
「(顔見知りが多いけど…大丈夫かな…?」
ロックスーツを起動中の剣、劾、玲はそれぞれ考えを巡らせている。
7月31日、我瑠磨ビルにてロックマン3人とシェリー、そして汰威超組と翔含む赤灯会の主だった面々が一堂に会していた。
こうなるに至った経緯は志熊の提案で自身の組と赤灯会がロックマン達と情報を共有、ないし彼等の支援を申し出て、
劾達とシェリーが話し合った結果、シェリーが快諾した…という事である。
志熊がこの提案をするに至ったのはロックマン達に受けた恩義を返したい、と
彼等の事を知っておきたいという目的があり
シェリーが快諾したのは以前剣達から自身の問題を1人で抱え込まないように言われた事と
汰威超組が玲の信頼している組織であり「今の」赤灯会は汰威超組が信頼している組織であった事による。
「私はシェリー・ブロッサム。今から100年以上先の未来から来ました」
「…!!!!」
この言葉を聞き、この場の一同の多くはざわつくが各組の組長及び幹部は冷静な態度を崩さない。
「親父、驚かないんですかい?何というか突拍子もなさ過ぎて…」
狼狽える構成員に志熊は応える。
「先のロックマン達とロボット共の戦いを振り返って見よ。
あれだけの事が出来る技術などどこの国にもこの時代には存在せん。
即ちかのロボット共とロックマンは現実の常識など遥かに飛び越えた存在である事は容易に想像できよう」
「猪狩から『レプリロイド』とやらの事は聞いているからな。
それに目を見る限りこのご婦人が嘘を付いているとは思えねぇ」
赤井もそれに続く。
そしてシェリーは話し始める。
自身の生い立ちを。デルタが事件を起こすようになった経緯を。
「ウ…ウ…ウウウ…」
両組織の面々は当初食い入るように説明を聞いていたが、徐々に呻きだし、震え始めた。
「(拙いな…!)」
「(博士を守らないと…!)」
「(この人たちは飽くまでヤクザ…ごめんなさい、博士…!)」
剣たちは身構える。
こうなるのはある意味当然と言えば当然な結果である。
何故なら事件を起こした元凶のデルタを、シェリーは造ったのだから。
しかし…
「ヴア゛ア゛ア゛アアアアアアアアアーッ!!!!!!!!」
翔が突如大声で泣き始めた。
見ると他の各組織の構成員も目に涙を浮かべており、すすり泣く者もいれば翔に続き大号泣をする者も現れ始める。
「まさか泣くなんて…」
予想外の事態に思わず一言漏らすシェリー。すると…
「「「泣いてねぇ!!泣いてねぇ!!!!」」」
両組織の面々はどう見ても泣いているのに懸命にそれを否定する。
彼等が泣き止み最初に口を開いたのは赤井だった。
「だってよぉ…旦那さんと生き別れて…その上『息子』に裏切られるなんてよ…
あんまりじゃねぇかよおおお!!!!!」
翔がそれに続く。
「それによぉ…その『デルタ』ってのも自分を心配してくれる『母ちゃん』がいるってぇのに…
何でソデボブビビビブゴドボスブンダヨボボボボ!!!!」
「『デルタ』は外道に堕ちそうなのだろう!?ならば貴女の為にも…デルタ自身の為にも道を正してやろうではないか!!」
志熊も力強く言い放つ。
「(裏の世界の住人というだけあってこれまでの人生に色々あったんだろうな…)」
剣は内心呟く。
「(何か想像していた人達とは違うな…)」
ただ唖然とする劾。
「(貴征おじさん…みんな…)」
玲は各組織の構成員達を一時でも疑った自身を恥じた。
そしてロックスーツの事やこれまでの事件の顛末について話し合った後、赤井が切り出す。
「ロックマンは人間…か。アンタ等には世話になっている以上正体を明かしたくねぇなら詮索はしねぇ。
デルタ達と戦う時に闇ルートでしか手に入らない情報や手段が必要な時は遠慮なく頼ってくれ。
それとよ…ヤクザ者の我々が言うのも変な話だが人間はデルタが思うほど愚かな存在ではないって教えてやらんとな」
志熊も続いて言う。
「我々も協力は惜しまん。何かあった時は喜んで手を貸そう」
こうして汰威超・赤灯両組織と共闘を誓ったロックマン陣営。
その際シェリーはある事を思案していた。
「(『志熊』…もしかしたらあの人がマコトの…)」
そんな彼等を他所に8月に入ると新たな異変が勃発し始める。
8月5日、目黒区にて…
ガシャン!ガシャン!ガン!ガン!
どこからか現れた幅広の青い顔から銀色の長い脚が2本生えたメカニロイド(?)
が頭(胴体)を激しく横に振りながら歩き、自身の周囲にある物を頭(胴体)をぶつけることで破壊していく。
そのメカニロイド(?)の前に「赤いロックマン」がナイフを構えて現れる。
「出たわね悪のロボット!!このロックマンがお相手するわ!!」
「赤いロックマン」は人間離れした動きでメカニロイド(?)に応戦し、
ナイフで裂傷を走らせていく。
しばらくするとメカニロイド(?)はその動きを止める。
「ホーッホッホッホッホッホ!!!皆の衆…感謝なさい、崇めなさい、称えなさい!!!」
高らかに笑う「赤いロックマン」。
8月6日、同区の別の場所にて…
「わい等がこの店をロボット共から守ってやるから守り代払うんや!!」
「そ、そう言われましても…」
「青いロックマン」が飲食店の店主を恫喝している。
同日、同区のさらに別の場所では…
「このロックマングッズを家族や友人知人に売りつけるのね!
するとあら不思議!紹介料でお金ガッポガッポよ!!」
ビルの一室で「白いロックマン」が聴衆をマルチ商法に誘う。
当然彼等は劾達ではない。
それぞれの身長こそ同程度だが共通点はそれだけであり
顔や体型は皆本物とは異なる他手足と背中には余剰なパーツが付いており手足を動かす際「キュイーン」という駆動音が鳴る。
時は7月30日の夜に遡る。
目黒区内のとあるビルのキッズルームのような一室にて…
「おーよちよち、いい子でちゅね~」
「バブバブ~♡」
見目麗しい女性がおしゃぶりを咥え首にはスタイ、腰にはおむつを着用し甘えてくる相手をあやしている。
但しその相手は赤ん坊などではない。
頭頂部が左右に分かれた金髪で顔は強面、体は筋肉質で毛むくじゃらな成人済みの大男である。
この男こそ劾の偽者の正体であり、工業系半グレ「巣蹴縷沌」のナンバー3、髑髏島弔二(どくろじまちょうじ)である。
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そう、これは所謂「赤ちゃんプレイ」というものなのだ。
ピロン!
髑髏島が「プレイ」に興じている最中に彼から若干離れた位置にあるスマホが鳴った。
「チッ、何やねん…」
髑髏島がスマホの画面を見て顔をしかめる。
「あかんがな…」
同日、同区の別の場所…
「ムムム…偽者とは卑怯なのね…」
長い銀髪を後ろで束ね、赤く丸いサングラスをかけた細身と出っ歯が特徴的な男がアニメ「メタルプリンス」の鑑賞にふけっていた。
アニメでは悪役が主人公達に変身して悪事を行い主人公達の評判を下げている。
彼は剣の偽者の正体で巣蹴縷沌のナンバー2の骨家葬一(ほねいえそういち)。
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そんな時だった。
ピロン!
「何なのね!?」
髑髏島の時と同様、骨家のスマホが鳴る。
「これは…マズいのね…」
スマホの画面を見た骨家はやはり顔をしかめる。
同日、同区のさらに別の場所。
街路樹の根元にオールバックで肩までの長さの茶髪で化粧の濃い女性が何らかの液体を撒いている。
彼女は玲の偽者の正体であり、巣蹴縷沌のボス、津田骸子(つだがいこ)である。
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「アンタなんか!さっさと!枯れておしまい!!『マイスイートダーリン』が!見えないじゃないの!!」
津田が撒いているのは除草剤だった。
というのも津田は最近越してきた外国人の美青年に一方的に恋をして、ストーカー行為まで始めているのだが、
彼の部屋の窓を覗くのにこの街路樹の枝が邪魔なのである。
その時。
ピロン!
「何よ!!」
津田のスマホが鳴り、彼女は同様に画面を確認する。
「潮時かしら…」
津田は顔をしかめ呟く。
翌日の7月31日、同区にある中古車販売会社「モーター・ザ・ジャイアント」にて「社長」、「副社長」、「常務」が会議を開く。
「知っての通り、我が社の車の欠陥の事がユーザーにバレ初めているわ」
「社長」こと津田が切り出す。
モーター・ザ・ジャイアントとは巣蹴縷沌の中古車販売会社としての表向きの名前であり
社長は津田、副社長は骨家、専務は髑髏島なのである。
そしてこの会社は修理依頼のあった車をわざと更に損傷させてその修理費をぼったくっていたのである。
「新たなシノギを見つける時ですのね」
「次は何をやりまひょか?」
骨家、髑髏島は津田と共に新たな商売について議論する。
その時だった。
「思いついたのね!!」
突如骨家が大声を出すと同時に席から立ち上がる。
「何(よ)(やねん)!!??」
津田と髑髏島はそれに驚いた後、問う。
「昨日のアニメで思いついたのね…我々が巷で有名なロックマンになりすまして
自分達で造ったロボットを倒したりして活躍し、その力と名声でお金を取る…
これで行くのね!!」
「ナイスアイディアじゃない!採用!!即採用よぉ!!」
「ぼったるで…ぼったるでぇ~!!」
骨家の案を聞いて津田と髑髏島は歓喜する。
巣蹴縷沌は技術力だけは大したものであり、3Dプリンターや自社の売り物の自動車等を使い短期間でロックスーツに似せたパワードスーツ並びに自分達が倒す為のロボットを造り上げた。
8月3日、偽ロックスーツを身に纏った3人はとある喫茶店の前で前述のロボットと同型のロボットを撃破した直後その店の店主に迫る。
「店主さん、ロックマンて知ってる?」
店主はかなり高齢でプルプルと震えている。
「あぁ~ハイハイ、知ってますよ」
店主は答える。
「私達がそのロックマンよ!!早速だけど…これからもここをロボット達から守る為に
守り代を払って貰うわよ」
津田が店主に守り代を要求するが…
「あぁ~そりゃもう喜んで払いますよ…この店を…人類を…守ってくだされ…」
目が悪くボケ始めている店主はあっさり津田達を信じてしまった。
これを見た津田達は互いに顔を近づけにやけながら小声で話す。
「完璧よ完璧!これからはコレで行きましょ!」
「我が社の技術力とボクちゃん達の演技力のお陰なのね!」
「ロックマン様様やねん!」
こうして津田、骨家、髑髏島の3人はロックマンを騙(かた)り自作自演で自社の造ったロボットを倒しては詐欺を働き一般人から金銭を巻き上げていく。
その結果一部ではロックマンの悪評が流れ剣のアカウントに抗議の声が届く事も。
勿論剣はそれを否定しアカウントでも偽者の告知を行う。
一方では実際にロックマンを見た一般人によるロックマンの偽者を指摘する声も。
8月7日、シェリーの基地にて…
「皆どこ見てるの…酷いわ…騙りだなんていつかのボウヤがウチにやった事と同じじゃない…」
鉄兄程の背格好で派手な服装の男がネットでのロックマンの悪評を目にしてオネエ言葉で呟く。
彼は汰威超組幹部の一人、才葉美國(さいばよしくに)である。
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戦闘では孔雀の羽根を模した鉄扇を使用する他、ネットに詳しくハッキングに長けており
ITに長けた大阪のインテリヤクザ「三界組」とその傘下の半グレ「武郎怒蛮怒(ブロードバンド)」並びに「堕悪秩符(ダークチップ)」の撃退に大いに貢献している。
そのころ新橋では…
「ックション!!うう、冷房利かせ過ぎたかあ!?」
氷藤がクシャミをしていた。
再び基地内。
「中古自動車販売の次はロックマンの騙りとな…
あのヒヨッコ共が考えそうな事じゃのう…」
髪と眉毛と髭の長い和服の老人が呟く。
彼は砂井撃(すないげき)。赤灯会の若頭である。
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戦闘では杖に仕込まれたロケットランチャーを使用する他、
高齢にも関わらず赤灯会屈指のデジタル派でハッキングの腕は才葉に負けず劣らずである。
「ロックマンの兄貴達の名前を使って悪事を働くなんて許せませんぜ!!」
翔も激昂する。
この日、基地に入る許可を得た汰威超組と赤灯会は各組から数人を派遣していたのだ。
「中古自動車販売…?あのヒヨッコ?何か知っているんですか?」
思わず劾が問う。
砂井は答える。
「ああ、こ奴等は巣蹴縷沌。メカに強い半グレじゃよ。
機械の知識と技術を悪用し、軍需産業、農業、果ては玩具等の界隈で様々な犯罪に手を出しちょる。
詰めの甘さが露呈して事業を失敗し、時にはワシ等のような極道にシメられても懲りず
名前を変えて事業を変え、今は目黒区で中古自動車販売会社『モーター・ザ・ジャイアント』を名乗っちょるようじゃ」
才葉がそれに続く。
「彼等はそのモーター・ザ・ジャイアントで車をわざと傷つける事で修理代を不正に水増ししているみたいだけど、
その問題は今はまだ発覚したばかりで決定的な証拠は表に出ていないのよ。
だけど今回はオイタが過ぎたみたいね…お仕置きの時間よ!
私はモーター・ザ・ジャイアントのサーバーをハッキングして会社の不正を明るみに出すわ!」
「ならワシは目黒区に出現したロックマン達が偽者であるという情報を一気に拡散させるとするかのう」
砂井が言う。
「目黒区のロックマンが偽者と証明する為には俺達本物がその偽者達と現場に居合わせる方がいいんじゃないか?」
剣が提案する。
「巣蹴縷沌がまたロックマンとして出現した時、私達が捕縛するって事?」
玲が問う。
その時。
「目には目を、歯には歯を、茶番には茶番を…」
そう言い始めるシェリーの口調と表情には静かな怒りが感じられる。
「完成したばかりの新ロックスーツ『工作型』を使うわ。
このスーツには外見をスキャンした相手に変身出来る機能があるの。
現時点では変身できるのはこれまで出現したレプリロイド4体のみよ。
そこで誰かが工作型のスーツを起動してそのレプリロイドの誰かに変身して偽ロックマンを圧倒して
それを本物が助け出す…という寸法よ」
「博士、目が怖いですよ…」
劾が思わず言う。
「問題は誰が工作型ロックスーツを起動するか、だけど…
巣蹴縷沌の奴等、私の偽者もいるなんて…」
玲が悩んでいると…
「俺にやらせて下せえ…!」
この場の一同が視線を向けた声の主は翔だった。
「申し遅れやした、俺は鷹山翔。赤灯会の見習いをやっとります」
「(この子がミネを助けてくれた…)」
翔が名乗ると玲は美音の話を思い出す。
「実は俺、演技力には自身あるんでさあ。ま、見た方が早いですぜ」
翔は一呼吸置くと次々と自身が遭遇したレプリロイド達の演技をする。
「ロオオオオオオオックマアアアアアアアアアン!!!!邪魔するなあああああああああ!!!!!!!!」
「おーっほっほっほ、雁字搦めにして差し上げますわ!」
「どっちが強いか、タイマンで決めるッスよ!!」
レディバイド、シルキーガ、ウィーゼランのモノマネをする翔は口調どころか声さえも本物そっくりであった。
尤も、声は若干元の声が残ってはいるが…
「レディバイド!シルキーガ!ウィーゼラン…!」
翔の演技力に驚きシェリーは思わず翔の演じたデルタナンバーズの名を口にする。
「ハハ、名演技じゃないか…少なくとも僕達の偽者なんかよりも全然上手いよ…!」
劾も驚き感心し、称賛する。
「(何だろう、俺はこの子を見るとシェリー博士とは違う何かを感じる…)
…シェリー博士」
暫し思案した後剣がシェリーに声を掛ける。
「俺は以前あの子が人助けをしていた所を見た事がある。
あの子は凶暴な面があるが同時に自分ではなく他人の為に怒れる事の裏返しでもあるんだ。
ここは彼の演技力を見込んで新しいロックスーツの着用を許可して欲しい。
もし彼が偽者相手にやり過ぎる動きを見せれば俺達が全力で止める」
ロックスーツを着用するにはあまりに凶暴過ぎる翔。
そんな彼にスーツの着用を許可するのは勘などという不確定要素などでは心許ない。
故に剣は翔の演技力を買い、尚且つ初めて会った時の翔の性格、行為を
前向きに捉える事でシェリーに翔のロックスーツ着用の許可を促した。
「私からもお願いします!彼は友人の恩人でもあるんです!」
玲も続いて申し出る。
「分かったわ、ツルギ君、レイ」
頷くシェリー。
そしてシェリーは翔の目を見て忠告する。
「いい?ロックスーツはレプリロイドと戦う為の物だから、いくら頭に来たからって人間相手にやり過ぎては駄目よ!?」
「もちろんでさあ、シェリーの姐(あね)さん!!」
「姐さん…」
シェリーが引く中、砂井も翔に圧を掛ける。
「ええか鷹山、相手が堅気でないとは言えやり過ぎるでないぞ…
約束を破った時は…分かっちょるな…!?」
「わ、分かってやす、カシラ…!」
翔は怖気づきながら応じる。
こうしてシェリーは翔にロックスーツの使い方を教え、劾、剣、玲はモニターを注視し
才葉と砂井はハッキングや情報操作に勤しむ。
筋書きはこうである。
偽ロックマンが現れた際に彼等の前にシルキーガに変身した翔が現れて彼等を捕縛。
そこに駆け付けた本物のロックマンが翔を撃破する振りをする。
最後は捕縛された3人を警察に突き出す。
「(俺が…ロックマンに…!)」
翔は歓喜と緊張に震えていた…
そんな一方、デルタのアジトにて…
「困るなあ、ロックマンは『ヒーロー』でいて貰わないと…」
デルタが動いていた。
数時間後、劾達はモニターで目黒区内のとある地点の物陰に止めた車から降りてくる偽ロックマン達と
少し離れた地点の物陰のトラックから降りてくる前述と同型のロボットを視認。
「出動の時ね…」
シェリーが身構える。
その時だった。
ヴヴヴヴヴヴヴ…
突如目黒区内の上空で球状の空気の歪みが発生し、そこから鳥のようなメカニロイドが現れた。
メカニロイドの外観は大きさは大型のバイク程で色は黄土色、
一見鳥型のようだがボディには4本の脚が生えておりさながらグリフォンである。
その脚は前脚は扁平で後脚は円筒形であり前脚の方が後ろ脚より長い。
そして背中には砲門、全ての足の裏、翼、翼の付け根にジェットエンジンを備えている。
その名もオミクロン。
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オミクロンの出現と同時だった。
「うわ、何だコレ!?」
「ロックマン?いやよく見たら違うぞ!?」
目黒区内のみならず都内全域のテレビやパソコン、スマホの画面に偽ロックマン達の映像が映し出される。
この画面は2分割であり偽ロックマン達が映っていない方にはモーター・ザ・ジャイアント本社が映し出されている。
尚、基地内のコンピュータやスマホはこの影響を受けていない。
暫くすると画面から音声が流れ始める。
「突然失礼するよ。ボクはデルタ。東京都内の一連のロボット事件の首謀者さ。
ロックマンなる戦士達がボク達と戦い君達を助けているのは知っているだろう?
そのロックマン達に名声の為か、金銭の為か成り済ます愚か者がいてね…
このような舐めた真似をするとどうなるか、見届けて貰うよ」
それと同時だった。
ガシャン!ガシャン!ガシャン!
突如モーター・ザ・ジャイアントの倉庫内に眠る顔から2本の脚が生えたロボット達が暴れ出し、会社の施設を破壊し始めたのだ。
そして他社の自動車修理工場の前で自社のロボット達と戦う偽ロックマン達の前にはオミクロンが出現した。
「こいつは…デルタの…!」
「間違いないわ、計画は変更よ!ツルギ君とガイ君はモーター・ザ・ジャイアント本社へ、
レイとショウ君は自動車修理工場へ向かって!」
モニターでオミクロンを見た剣はそれがデルタの手先であると確信し、
オミクロンの高速飛行をモニター越しに目の当たりにしたシェリーは上記の指示を出す。
「待ってやした!」
翔は工作型ロックスーツの起動を開始する。
このスーツの起動には新たに追加された左右2列の点をなぞる事が必要である。
翔はこれら15個の点を上段真ん中→中段左から2列目→下段左→上段真ん中→
中段右から2列目→下段右→中段左から2列目→中段真ん中→中段右から2列目の順に指でなぞる。
パラァン!という操作音が鳴ると翔はスマホをロックコマンダーに差し込む。
すると「レディ」という音声がスマホより発せられ次の瞬間3DCGのワイヤーフレームのような光が翔の体を包み
光は強く輝いた後翔の前面から消えていく。
やがて光は収まり工作型ロックスーツを着用した翔が姿を現した。
黒と赤を基調としたどこか禍々しさを感じさせる外観であり背中には翼状のパーツが生えており、
武装は銃剣「ロックバヨネット」である。
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「宜しく頼んます、赤姉貴!」
「宜しくね、鷹山君」
「呼び捨てで構いやせんぜ、俺はこれから姉貴達の舎弟でもありやすから」
「OK、鷹山」
玲と翔は自動車修理工場へ向かう。
「俺達も行くぞ!」
「ああ!」
剣と劾もモーター・ザ・ジャイアント本社へ出撃する。
その頃自動車修理工場では…
「え、何コレ…」
「もしかして…本物が現れちゃったのね…?」
「逆にチャンスや、わい等の力、見せつけたるで!」
偽ロックマン達は当初狼狽えつつもオミクロンと戦う事にした。
「喰らうねん!!!」
ズドッ!!
髑髏島が「バスター」で狙撃する。
彼のバスターは飽くまで偽物なので放たれるのは光弾ではなく鉛玉だが、
カスタマイズされた銃でもあるのでその辺の拳銃よりは威力は上である。
キンキンキン!
しかし当然の如く全くダメージは入らない。
「オー!オー!」
奇声を上げながらオミクロンが3人に突っ込んでくる。
「止まるのね!」
骨家が「ブレード」を構えオミクロンの体当たりを防ごうとするが…
ドガッ!!
「「「ギャーッ!!」」」
全く勝負にならず3人共弾き飛ばされてしまう。
「オー!」
再度3人に突っ込もうとするオミクロン。
「ムキ―ッ!!!!!!」
予備動作に入っている瞬間のオミクロンに津田が飛び掛かり、ヤケクソになって
偽ロックナイフガンで斬り付けまくるも全く効果なし。
そのままオミクロンは体当たりを繰り出し3人共壁に叩きつける。
「「「「ゴぺぺぺ…」」」
そして瞬く間に武装を全て破壊された偽ロックマン達は逃げまどいながらオミクロンに執拗に体当たり攻撃を受け続ける。
その様子が移された画面から再度デルタの声が流れ始める。
「彼等の正体は津田骸子、骨家葬一、髑髏島弔二…
右側の画面に映っているモーター・ザ・ジャイアントの代表者であり
その実巣蹴縷沌という犯罪集団さ。
モーター・ザ・ジャイアントでは車の修理費用を不正に騙し取っていたけど
それが上手くいかなくなってきたからと言って今度はロックマンの成り済まし…
実に愚かで滑稽とは思わないかい。
その結果モーター・ザ・ジャイアント本社は自分達で造ったロボットに壊され
彼等はボクの手先であるこの『オミクロン』によって最期を迎える。
これは軽率にロックマンを名乗った彼等に対する見せしめだよ…」
「ヒィィィィイ~!!!」
「助けるのね~!!」
「もうしまへんからぁ~!」
涙と鼻水だらけになり顔を歪めながら逃げまどう偽ロックマン達。
そんな彼等を砲撃せんとオミクロンが背中の砲門を向けた時だった。
ズドド!
バシュッ!バシュッ!
「オー!?」
横からの被弾で体制を崩したオミクロンは攻撃が来た方向に向き直る。
そこにはロックスーツを起動した玲と翔がいた。
「ここからは私達が相手だよ!」
「こんな偽物じゃなく本物が相手してやらあ!」
武器を構え言い放つ玲と翔。
彼等を目にした偽ロックマン達は…
「本物よ!本物が来てくれたわ!」
「助かったのね!?」
「せやけど黒い方は知らんがな…」
安堵と戸惑いを同時に感じていた。
一方劾と剣は顔から2本の脚が生えたロボットに囲まれていた。
「ある意味因果応報かもしれないけどな、これを放置したら後の捜査の邪魔になるし無駄な被害も出るかもしれない。だから止めるぞ!」
「それにしてもモーター・ザ・ジャイアントもこんな技術があったなんて…
これを良い方に使わないのは勿体ないな…」
2人は半ば呆れながらも迫り来る顔と2本脚のロボット達を迎え撃つ。
ロボット達は何故か出力がアップしていたがこの2人にとっては屁でもない。
故に顔と2本脚のロボット達は次から次へと撃破されスクラップと化していくしかなかった。
これらのロボットと異なりオミクロンは一筋縄でいく相手では無かった。
「オー!オー!」
ロックナイフ・ガンとロックバヨネットによる銃撃はオミクロンに決定的なダメージを与える事は出来ない。
この為翔は引き付けてカウンターを狙う事にした。
オミクロンの体当たりを躱しすれ違いざまに斬りかかろうとする翔だったが…
「オー!」
バシュッ!
突如振り返ったオミクロンの口からプラズマ弾が放たれた。
プラズマ弾は低速だが至近距離にいた翔は被弾してしまう。
「グ…動けな…」
プラスマ弾を喰らった翔は動きを封じられる。
「オー!」
動けない翔に背中の砲門で砲撃しようとするオミクロンだが…
「甘いよ!」
バババババババババババババ!!!!!!
玲が素早く動き回りながらオミクロンのボディの至る所をナイフ型に変形させたロックナイフ・ガンで斬り付けまくる。
玲の位置は背中の砲門の死角であり、追尾機能のあるプラズマ弾を当てようにも
弾の速度は遅く玲を捕らえられない。
それどころかプラズマ弾が自分に当たってしまうリスクすらある。
この為オミクロンは再度距離を取らざるを得なかった。
「恩に着やす、赤姉貴!」
礼を言う翔はいつの間にか動けるようになっていた。
プラズマの麻痺効果は一時的なもののようである。
「よくもやりやがったな、反撃開始だ!!」
翔はロックバヨネットをオミクロンに構える。
それから暫し玲、翔のオミクロンとの戦いはヒット&アウェイの激しい攻防戦となっていく。
オミクロンは相手が離れている時は背中の砲門からの光弾で攻撃し、
近距離に居る時はプラズマ弾で動きを封じようとする。
対して玲はその高速戦闘で翻弄しつつオミクロンとの距離によってロックナイフ・ガンを銃型にしたりナイフ型にしたりする。
翔は工作型ロックスーツの機能の1つ、ホバリングを使いながら空中を飛び回るオミクロンに応戦する。
このホバリングとは空中に留まり前後左右を移動する能力だが浮いていられる時間には限度がある。
戦いの中でそのタイミングを掴んだ翔はある事に気が付く。
「(奴は方向転換する際足の向きを変えて方向を調整している…
その瞬間は音が鳴り一瞬だけど間が開く…そこを狙うか…)」
翔が考えた通り、オミクロンは方向転換する際「キュイーン」という音を立てながら足を回転させているのだ。
そしてその時はすぐに来た。
キュイーン…
「(今だ!!)」
ガシャッ!
翔は額のゴーグルを下ろし、「透視モード」を発動する。
すると翔の視界にオミクロンの内部機構が映し出され、更には弱点まで表示される。
「喰らえ!!」
バシュッ!
ロックバヨネットから放たれた光弾がオミクロンの足のエンジン部分を射抜く。
「オー!?」
結果オミクロンは喰らった箇所から煙を噴き、方向転換がそれまでより非効率になる。
即ち隙が大きくなるのだ。
そしてそのまま翔はオミクロンの反撃を躱しつつ残る足も射抜きオミクロンの方向転換はより不自由になっていき隙も大きくなっていく。
そうしてオミクロンが自由に身動きが出来なくなり、ボディも損傷だらけになったある時…
突如オミクロンの内部から声がする。
「今回はこの辺にしておくよ」
「喋った!?」
「いや、きっとデルタだよ」
翔は最初声の主をオミクロンと誤認するが、玲が否定する。
デルタは続けて言う。
「その通り、ボクはデルタ、この一連の事件の首謀者さ。
黒いロックマン…君は初めて見る顔だね。また戦う時を楽しみにしているよ…
さてと、こんな輩の為にこのオミクロンを犠牲にする訳にはいかないからこれでお暇するよ…」
ヴヴヴヴヴヴヴ…
デルタが言い終えるとオミクロンは空間の歪みの中に消えていき、この場から姿を消した。
これに伴い都内全域のテレビ、パソコン、スマホの映像が復旧する。
「直った!直ったぞ!」
「本当に目黒区のロックマンは偽者だったのか!!」
「だから言っただろ!」
「ロックマン達、少しでも疑ってごめんなさい」
その結果都内各所に歓喜、あるいは納得、あるいは謝罪の声が木霊する。
シューン…
同時に劾と剣が相手しているロボット達も突如動きを止めた。
「「止まった!?」」
2人がシェリーの通信で決着の報せを聞くのにそう時間は掛からなかった。
その頃自動車修理工場では…
ソー…
偽ロックマン達が逃げようとしていた。
「おっと、トンズラとは虫が良すぎるぜ!」
これを視認した翔はまずは「ステルスモード」を発動。
この機能は一定時間姿を消し、レーダーやセンサーを無効化する機能である。
それを解除した頃、翔はシルキーガに変身していた。
この能力は翔の周囲を旋回する複数の球形の小型メカ「サテライトアイ」によるもので、
これらのメカが翔の周囲の光を屈折させる事で翔の姿を変化させているのである。
変身したレプリロイドの技を使う際、技はそのサテライトアイから放たれるのだ。
「おーっほっほっほ、逃がしませんわ!ストリングバインダー!!」
シュルシュルシュル…
「あ、アンタは、国会議事堂の時の…!!」
「う、動けないのね!!」
「こんな糸、わいの怪力で…ぬぐぐぐ!!千切れへんがな!!!」
瞬時にぐるぐる巻きにされた偽ロックマン達。
玲は眼前のシルキーガの正体が翔と分かった上で敢えて立ち向かう。
「アンタはシルキーガ…この前倒した筈じゃ…!」
「おーっほっほっほ、久し振りですわね、ロックマン。
貴女達に復讐する為に蘇りましたの!!」
翔も何故かノリノリなようである。
「ならもう一度倒してやるだけなんだから、行くよ!」
「来なさい!」
ブンッ!シュッ!シャッ!!
玲と翔は暫く戦う振りをするがある時玲が合図する。
「や、やりますわね…覚えてなさい…!」
翔はステルスモードを発動し、そのまま基地へ帰投する。
そして玲は偽ロックマン達に近寄るとこう告げる。
「この糸の弱点は熱…連行された時はそう伝えておいて」
そのまま玲は帰投した。
「そ、そんなぁ~!お願い、助けてぇ~!」
「折角だから糸を切ってくれてもいいのねぇ~!!」
「もう座して逮捕を待つしかないねん…」
絶望した偽ロックマン達の元に暫くするとサイレンの音が近づいてくる。
基地内にて。
玲と翔が帰投した時、劾と剣も帰投していた。
「みんなお疲れ様」
シェリーが4人を出迎える。
「ご苦労じゃったな、鷹山」
「私達も一仕事終えた所よ」
砂井と才葉もそれぞれ一言言う。
才葉の言う通り既にモーター・ザ・ジャイアントの不正は明るみに出て
先程のデルタの映像との相乗効果でネット上に目黒区のロックマンが偽物である事は一気に拡散した。
「しかし戦ってる途中で思ったのですがあのオミクロンというロボット…
偽ロックマンの息の根を止めるのは簡単な筈なのに敢えてそれをしなかったように思えます」
玲が怪訝な顔をしてシェリーに言う。
「ウチ(赤灯会)にも敵を甚振るのが好きな兄貴がおりやすがそれとも違う気がしますぜ。
あともう1つ、奴の戦いはわざと攻撃のチャンスを与えている気がしやした」
翔も続いて怪訝な顔で報告する。
「レディバイドの時と同じだ…」
劾はレディバイド戦を思い出す。
「デルタの考えや狙いは俺達の想像を超えたものなのかもしれないな…」
剣が呟く。
「デルタは何かのきっかけがあっておかしくなったみたいだけど、それが何なのかは教えてくれなかったわ…」
そう呟くシェリーは悲しそうだった。
「それが何だったとしても結局はデルタに聞くしかないでしょう、
博士が笑顔で未来に帰る為にも!!」
劾が力強く言う。
「そうね、落ち込んでばかりいられないわ!」
シェリーは笑顔を取り戻す。
この笑顔が仮初めのものにならぬよう、劾達は固く誓った…
同じ頃、デルタのアジトにて…
「思えばこのロボット達も哀れな存在だね…まぁ、自作自演というとデルタナンバーズ達と大差ないか…」
デルタはモニターに映る顔と2本足のロボットを見て悲し気に言う。
「だけど仕方ないんだ、それが人類の幸せの為だから…!」
デルタもまた、計画の為に己の道を曲げない事を誓うのだった。
その頃偽ロックマン達は…
「ああああ…マイスイートダーリンが…」
「メタルプリンスが…」
「赤ちゃんプレイが…」
「「「ヤな感じぃ~!!!!!!!!」」」
泣きわめきながらパトカーに乗せられ警察署へ直行していった。
一方で目黒区。
津田からストーカーの標的にされていた外国人美青年が自室で雑誌を読んでいた。
「最近妙な視線を感じなくなったな…これで今後の事に集中できるぞ!
楽しみにしていますよ、蝸牛博士…」
青年は雑誌に写る世界的なAI技術者、蝸牛晶の写真を見て笑みを浮かべていた。
彼は劾達と深く関わるのだがそれはまだ遠い未来の話である。
http://zeroi.stars.ne.jp/netb.png
続く
更新が遅れに遅れて遅れまくりました。
遅れた主な原因は挿絵の数というのもあったのですが翔のロックスーツ着用までの流れなど試行錯誤を要するシーンがいくつかあったからです。
結局翔がロックスーツ着用の許可を得る決め手は剣の勘ですがそれだけでは説得力を欠いている為
中の人繫がりという事で翔に演技力があるという設定を加え、その上人助け魂が共鳴したみたいな形になりました。
ロックマン達の正体を明かす流れは今回と言う案もありましたがそれは後の回に見送る事にしました。
汰威超組と赤灯会の面々がシェリー博士の生い立ちを聞いて涙するのは主に「俺はアントン!」の影響ですが
柄が悪いのに涙もろいというのは創作ではよくある話ですね。
工作型ロックスーツですが変身コマンドの決定稿はこうなりました。
http://zeroi.stars.ne.jp/rcs1.png
以下は没案です。
http://zeroi.stars.ne.jp/rcs2.png
http://zeroi.stars.ne.jp/rcs3.png
変身能力は光の屈折で変身時に出している技はサテライトアイから放たれているというのは若干ミステリオを意識しております。
これにより人間の身でありながら自分より小さい姿や形状が人間とかなり異なる姿にも変身できます。
当然透明化も光の屈折によるものですがこれを維持するのはエネルギーがいる為変身より時間が限られています。
額に付いているのはマリノのようなゴーグルで透視、暗視、望遠、顕微といった機能があります。
ロックバヨネットですが剣の部分は取り外しが可能であり、銃身と剣の部分の両方に特殊武器スロットが付いています。
いつになるか分かりませんが工作型ロックスーツとロックバヨネットの詳細を描いた絵も描いてみたいと思います。
偽ロックマンですがモチーフは勿論ボーン一家です。
「元ネタの更なる元ネタ」の要素もありますが津田は男に片思い、骨家はアニメオタク、髑髏島は(プレイ時に)赤ちゃん言葉を使うという点では元ネタに因んでおります。
因みに髑髏島の赤ちゃんプレイはとあるゲームネタでもありますがそれはもう地獄絵図です。
偽ロックスーツはリアルに存在するパワードスーツよりは凄いがロックスーツよりは凄くないといった感じです。
作中の日程が「原作」とズレているのはいくら何でも偽ロックスーツをほんの一瞬で完成させるのは無理があるという事で
原作のシェルコーン回とマンモックス回が開きがあるので
それを踏まえそこまで帳尻を合わせる事に致しました。
才葉ですがモチーフはクジャッカーです。
彼は当初からオネエ言葉にするつもりでした。
意外性を出そうとして彼の口調を江戸弁や広島弁にするのは何か違うと思いましたし。
砂井ですがモチーフはアリクイックです。
軽いネタバレですが翔が最大の追加要素という事もありX7の8ボスがモチーフのキャラは全員登場します。
次回はウオフライモチーフの幹部が出て来ます。
オミクロンですが中間ボスにして今作の追加ボスです。
名前の由来はガンマ、シグマ、イプシロン、オメガ、カイ(X dive)、そしてデルタと同じくギリシャ文字で
現時点ではロックマンシリーズでは同名のキャラは出ておりません。
同時にコロナウイルスオミクロン株にも因んでおり、一応グリフォンがモチーフです。
オミクロン株の中には「ケルベロス」「グリフォン」が同時流行し世間を騒がせた時期がありますが
ケルベロスモチーフのボスは第4作でもういますのでもう片方のグリフォンをモチーフにした次第です。
コロナの本来の意味が日食の太陽の周辺に見えるプラズマですのでオミクロンが吐くプラズマ弾は日食の太陽のような黒色です。
そしてかなり特異な形状をしておりますがこれには意味があります。
津田が恋したイケメン外国人ですが彼のモチーフはロック・ヴォルナットとは異なる主役キャラであり、
外見はロック・ヴォルナットと同じく「美少年というと何か違う」ぐらいの印象です。
彼が津田とくっつくのか、それともモチーフに準拠した別の誰かとくっつくのかはまだ明かせません。
僕はこれより残暑見舞い絵を描きますので次回の更新も遅れると思います。
次回はレオゴルド回です。
執筆お疲れ様です。
シェリーのことや、これまでのいきさつを汰威超組と赤灯会の面々に
受け入れてもらえるばかりか深く共感してくれて、彼らの懐の深さを感じました。
ロックマンのニセモノたちの行為は、あからさまですね。
元ネタを思い出すとともに懐かしさを感じました。
最初は悪事がわりと上手く進んで調子に乗っているのも彼ららしくあります。
「巣蹴縷沌」のナンバー3の赤ちゃんプレイはイメージするとインパクトがありますね。
元ネタのボン・ボーンの中には本物の赤ちゃんが入っているのかが気になるところです。
本物たちも演技をする作戦に出ましたが、
翔の演技力があるという設定と性格と、工作型ロックスーツの変身機能と今回の作戦が
上手くつながりましたね。
今回は早くもデルタ本人が出て、ロックマンの名声を守るためか、
偽ロックマンにも制裁を下してましたね。
オミクロンと撤退していきましたが、今回は本気ではなかったようですね。
あとがきを読んで想像以上に考え込まれて設定されていたのに驚きました。
工作型ロックスーツの変身コマンドの決定稿は、シンプルで書きやすい配置になっててよいですね。
オリキャラの才葉と砂井は、イメージや特徴でモチーフとの共通点があって面白いです。
それでは~。
感想有難うございます!
汰威超組と赤灯会は所謂「綺麗なヤクザ」として描いていますので情に厚く、仁義を重んじています。
偽ロックマンは実は「ルフィ事件」から思いついたネタなのですが実際にその事件よりも前にワンピースでもルフィ達の偽者が出ていましたので
実際の事件のように名前を使っただけという訳ではなくワンピースの作中のように変装して本人を名乗る流れになりました。
巣蹴縷沌の外見や性格には「モチーフのモチーフ」がモロに反映されてますがこれはある意味様式美と言えるでしょう。
髑髏島の赤ちゃんプレイですが文字にするだけでもキツイのですが後書きにもあるようにそういうシーンが映像として出てくるゲームがあります。
「ヤクザ 赤ちゃんプレイ ゲーム」などと検索すれば簡単にヒットしてしまうのですが…調べるのは自己責任でお願いします。
ボン・ボーンの中身については本当に謎ですね。
とある二次創作では生まれた時に全身が不自由でサイボーグ化した…というのがありましたが
キャプテンコマンドーのようにメカの操縦が得意な赤ちゃんが乗っているのかもしれませんね。
翔が演技力があるというのはモチーフのアクセルも作中で迫真の演技をしていましたのである意味モチーフ準拠と言えます。
潜入が得意で演技力もあるというのは工作型ロックスーツにおあつらえ向きと言えますね。
翔は凶暴で暴走し勝ちですがモチーフがアクセルなだけに剣達がブレーキ役を買う事になりました。
ロックマンの名前が汚れるのはデルタの「計画」にとって邪魔になるので本物のロックマンをおびき出す為に大々的に偽ロックマン達に制裁を下しました。
故に偽ロックマンと本物のロックマンが同じ場所に居合わせる状況を作るのが当初の目的という事もあり今回はあっさり撤退しました。
またオミクロンは本領を発揮していませんがそれはこの妙ちきりんな姿に隠されています。
工作型ロックスーツの変身コマンドですが従来の縦3列、横3列に収める没案は無理矢理感が否めなかったので思い切って縦3列、横5列に変更致しました。
才葉と砂井は追加キャラの中でもモチーフの要素が強い方ですね。
アリクイックモチーフのキャラを若者や子供にするのもそれこそ何か違うと思いますし。