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自民党「労基署の一律指導見直し提言」が人手不足対策・成長戦略として的外れである理由

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岸田文雄元首相が本部長を務める自民党の日本成長戦略本部は、労働基準監督署の「時間外労働を月45時間以内に削減することを求める一律の指導を見直す」という内容を含む提言を高市首相に手渡しました。月45時間というのは、第2時安倍内閣時代の2019年に施行した「働き方改革関連法」で定められた時間外労働時間の上限です。労働基準監督署にとって、労働法制を守るよう企業を指導することは重要な役割であるはずですが、それを見直すという提言がなされたのはなぜか? その狙いと妥当性について考えてみます。日本成長戦略本部は高市政権が掲げる「強い経済」実現に向け昨年11月に発足した機関で、重点施策のひとつに労働市場改革を掲げています。その大きな理由は人手不足で、解消策として働く人数を増やすか、時間を増やすかが考えられます。しかし、人口減少が著しいなか人数を増やすのは難しい。そこで、一人が働く時間を増やそう、労働時間の規制を緩めよう、という発想になったと考えられます。自民党は、規制緩和はもっと働きたい人のためでもあるとし、「働き方改革関連法施行後5年の総点検」という調査で、「もっと働きたい」と希望する層が約1割存在したことを根拠に挙げます。しかし、たった1割を重く見て、「このままで良い」約59.5%、「減らしたい」約30%の声に耳を傾けないのは不自然です。また、「もっと働きたい」と回答した理由は「たくさん稼ぎたいから」が約41.6%で最多です。さらに「もっと働きたい」人の過半数は週労働時間が35時間以下です。この結果を見れば、なんらかの理由で短時間しか働けない人が働きやすくなるような施策や、同じ労働時間でも収入を上げていくための生産性向上が課題になるはずで、労基署の指導を見直すというのは的外れでしょう。

(2026.4.16 エキスパートトピ)

オフィスタ
作成: 2026/04/16 (木) 12:37:57
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