海と花束BBS

せらスレ / 3318

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seller♪☆ 2026/05/13 (水) 21:08:37

「るんるん♪今日は何をしようかしら」
この村の住民であるエマの声が聞こえてくる。
「そろそろお昼だし料理でもしようかしら?自由すぎて何をしようか迷ってしまうわ」
「今日の気分は……そうね、塩は少し控えめにして、お肉の旨味をじっくり味わうことにしましょう♪」
贅沢な悩みだ。
エマ以外の声は聞こえることなく辺りはシーンとしている。
誰もいないわけじゃない。
寧ろ村は誰一人と出掛けてることなく、全員がそこにいるのだ。
ああ、そろそろお昼なのか。そろそろ僕も食べに行こうかな。
僕は布団からゆっくり降りて、テーブルに向かう。そしてテーブルに山積みになっているパンを2、3個取って食べる。
僕の他に既に何人かがパンを食べ始めていた。
誰一人としてパンから目を離さない。
喉に詰まらせそうになりながらグビグビ水で無理やり流し込んでいる。
エマ以外に誰かが起きていたなら返事をしてやればいいのにと思うかもしれないが、それはすることができない。
みんなができないことは当然僕にもすることもできない。
エマの焼く美味しそうな肉の匂いを嗅ぎながら僕たちは無心でパンをがつがつと食べる。
「ねえ、みなさんお肉せっかくですから食べていきません?」
食べたいけれど…僕たちはすぐさま首を振る。
「あら、残念」
おほほっとエマは笑う。
僕たちには時間がなかった。
だが彼女だけは時間がたっぷりとある。
彼女はそれを分かっていてわざと聞いていたのだ。
実に嫌なやつだ。
あっという間に10分が経ち、僕たちは眠くないけれどまたさっきいた布団にささっと戻った。
エマはまだ肉を焼いていた。
じゅ~という音と匂いが肉だけに憎たらしい。
昨日もエマだった。今日もエマだった。明日こそはと誰もが思っているだろう。
エマの楽しげな、僕にとっては耳障りな呟きを聞いていたらいつの間にか寝てしまっていた。

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