海と花束BBS

カジオの小説置き場 / 22

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seller♪☆ 2026/05/24 (日) 00:11:09

「あいつ、ちゃんと留守番してるかな」
出張中の新幹線の中、私はスマホの画面でペット監視カメラのアプリを起動した。
愛猫のルナは、真っ白でふわふわの可愛いスコティッシュフォールドだ。
画面が切り替わり、リビングのキャットタワーが映し出される。
そこにいたのは、ルナではなかった。
ステテコとヨレヨレのランニングシャツを着た、見知らぬハゲ頭のおっさんだった。
おっさんはキャットタワーの最上階に器用に座り込み、自分の右手の甲をレロレロと熱心に舐め回している。
「いやああああ!!!」
車内に私の悲鳴が響き渡り、周囲の乗客が一斉にこちらを振り返った。
私は恐怖で震える手で、すぐに警察へ通報した。「事件です!不審者です!家に見知らぬおっさんが侵入して、キャットタワーで手を舐めてます!」
それから30分後。
警察から折り返しの電話がかかってきた。
「ご自宅を捜索しましたが、おっさんはいません。猫ちゃんはソファで静かに寝ていますよ」
カメラをもう一度開くと、おっさんの姿は消え、そこには丸くなって眠る可愛いルナがいた。
私は出張を切り上げ、大急ぎで帰宅した。
ルナはいつも通り可愛く「ミャー」と鳴いた。
何かのバグだったんだ。
私はホッと胸をな下ろした。
数日後。私はスーパーへ買い出しに出かけた。
ふと気になってスマホでカメラの映像をチェックする。画面が映った瞬間、私は足を止めた。 おっさんがいた。
今度はテレビの前で、ルナのお気に入りのおもちゃを必死の形相でペシペシと叩いて遊んでいる。
その時、おっさんがカメラのレンズに気づいた。
じっとこちらを見つめると、ルナそっくりの大きな目でパチッとウインクをした。
間違いない。ルナだ。
あのおっさんは、ルナなのだ。
我が家の可愛い天使は、私がいなくなると、ステテコ姿のおっさんになる。

……よし、見なかったことにしよう。帰宅した私は、そっと監視カメラを取り外した。

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