それを観察した結果を思い考えることにする。
その姿は、炎に燃える一匹の蝶。あるいは蛾に類似していると言うべきだ。いや、言い直そう。炎そのものが、それらを形成しているというが妥当だろう。その周囲には赤熱の炎の群れを伴っている。
幼かった時のことが思い出ださせる。散らばった木の枝を集めて、特段理由もなく火をつけ燃えゆく様を見ていた。その時、ぱちぱちと飛びゆく火種の方が炎のそれよりも目立って観えた。
炭になってゆく木の枝を見て、赤く燃える炎の上に、私はやはり理由もなく手を伸ばして温度を感じようとした。皆は、した事が無いだろうか?
触れずとも、その熱さは肌を爛れさせ骨を焦がすということを知っていたけれども、あえて炎に近づかなければと思ったのだ。
炎の蛾がひらひらと動いた時、私はその様な事を考えたてていたようだ。
報告はイサンより。以上。
それと戦う機会があったので、述懐していこうと思う。
以前の私の行いでもって、その火種は転移すること、特定の状況を通じて拡散するという事実が判明した。偶然に得た情報ではあるが、本来なら慎重な作戦立てを選ぶべきであった。(勝手に振る舞った前例は申し訳がなくないという訳でもない。)
それの羽ばたきに触ると、我々は火種を運び抱え込こむ。それゆえに……炎の蛾が火種をたくさん抱え込むほど、その力はより一層大きくなるであろうように見える。
それならば、おそらくあれの翼を壊しつくせば、火種塗れになる以前のように我々の攻勢が強くなるに違いない。
翼から垂れる火種を、全て抱えるべきだろうか?この火種……熱くはなく、なかなかに暖かいので、むしろ持ってくる事こそ道理ではないかと思えるのだが。それならば、前例の際に友の得た火種はどういった理由で燃え盛り被害を広げてしまったのだろうか。
いまだに知るべき事実が多いのならば、いま少し没頭しよう。
報告はイサンより。以上。
どうやら、それが火種を「点火」させる方法が分かった気がする。
考えば当然の話であった。木の枝に舞い降りた火種を育てて炎を起こす方法は、扇ぐことではなかろうか?
それが翼を後ろまで引き寄せ、一度に煽ぎつける瞬間がある。その瞬間に起こるすさまじい突風は、周囲の火種を大きく膨らませ、我々めがけて炎の塊を撃ちつけられる心地がした。
その炎の塊が我々の体に付着した火種を散らしながら……またそれを大きくして。そうやって火種は、「点火」されると私の両側に立つ友の身体を燃やすと言う原理であると見た。
それが火種を持てば持つほどその強力さが強大になるなら、我々が奪って抱けるならそれなりの効果が期待できるだろうけれど。下手をして突風に巻きこまれれば、大きな損害になって戻って来るに違いない……その様に、整理されると思う。
報告はイサンより。以上にて終わりである。