実績調査の結果報告です。Berehynia/Xiniについてはサンプル数不足により統計検定を行えず、結論はありません。一方、Hieraconについては2~4名の協力により268回分のデータが集まりました。結論から言うと、Bローテの出具合は公式情報通りでした。一方、Cローテでは殆どの品目については公式情報と一致するものの、一部の品目については不一致であると言える結果に。詳細は以下の折りたたみに。分析に用いたデータ・表などはリンク先に(閲覧のみ可に変更済)。
検定方法・判断基準:
前回の実績調査のと同じ内容なので省略。調査期間は9月21日~30日になります。
Bローテの分析(表1):
まずレリック全体での平均出率から見ると、有効サンプル数266(総試行回数268-欠損2)の範囲では、平均出率は44.74%(=119/266)となりました。一方、公式情報ではBローテの出率平均は42.84%(7.14%x6種類)ですので、レリック全体での出率面から見ると概ね一致していると思われます。
全体的な偏り具合を見ると、表1のようにカイ二乗統計量は8.846になります。一方、自由度13(全品目数-1)かつ有意水準5%の時のカイ二乗分布の値は22.362となり、明らかに統計量の方が分布値よりも小さいため、帰無仮説(実際の出具合と公式情報は一致する)を棄却できません。エクセルのCHISQ.TEST関数によると、このような統計量の値に対応する確率は約78.45%になります。更にZ得点を見ても、±1.96を超えるような品目は見つかりませんでした。このように全体・個々のレベルから見ても、Bローテの出具合は公式情報と一致していると思われます。
Cローテの分析(表2):
有効サンプル数265に基づく限り、レリック全体の出率は73.21%(=194/265)になります。公式情報曰く、Cローテでのレリック全体の出率は77.46%(=12.91%x6種類)ですから、数値的にも概ね一致していると言えるでしょう。
表2の様にCローテのカイ二乗統計量は14.018となります。これに対して、自由度11かつ有意水準5%の時のカイ二乗分布値は19.675ですから、明らかに統計量の方が小さいため、帰無仮説を棄却できません。このような統計量の値に対応した確率は約23.20%です。
ところがZ得点を見ると、Rifle Ammo MutationのZ得点が2.272ととても高いことがわかります。正規分布表によれば、このような得点に対応する確率は約1.16%のため、公式情報が正しければ偶然による偏り具合とは言い難いほどに出過ぎていることが伺えます。
こうした結果を鑑みると、今回の調査においては、Cローテのほとんどの品目は公式情報通りであるものの、Rifle Ammo Mutationの出率だけはより高く設定されていたと思われます。また、もしもこの考えが正しければ、その高い出率を補うために、他の品目の出率の幾つかが公式情報よりも若干低く設定されていたと予想されます。事実、統計的に有意ではないものの、Axi B2やE2の入手個数が少し低いことがわかります。
前回の調査結果との比較:
前回の調査結果と比較すると、内訳の偏りが大きく変化していることがわかります。
具体亭には、前回の調査結果では、BローテでSplit Chamberが出過ぎる、StretchとFlowがレア枠だったのに対し、今回の場合はそれらのModの出具合は公式情報と一致する範囲に落ち着いていました。Cローテでは、前回はレリックを除けば、概ね公式情報通りの出具合だったにも拘わらず、今回の場合ではRifle Ammo Mutationが出過ぎているという状態になりました。
ある都市伝説の検証:
以前コメントで寄せられた仮説を検証したいと思います。簡単に言うと、PrimeAccessの売り上げ目的のために、最新のレリックの出率は低く、前回追加されたものは並み(公式情報通り)、前々回の古いものは高く設定しているという考えです。昔のコメントを見てみると、かなり前から似たような考えがちらほらと見受けられ、それなりに信じられているようです。
実際の出具合と比較してみます。上記の2つの表を見てみると、最新のレリック(Neo H1, S7, S8, Axi N4, N5, V6)の出率は特に絞られている様子はありません。前回追加されたレリック(Axi O1)の出率は並みですが、前々回のもの(Axi E2)は一応、公式情報通り(むしろ若干出にくい位?)という結果でした。
表を見る限り、PrimeAccess売り上げのために出率を操作してはいないように思われます。
問題点・合言葉の効果・余談:
検定方法や結果の解釈の仕方に誤りが有り得るのはいつも通りです。サンプル数については、前回と比べると少なめですが、全ての品目についてnp>5以上の基準を満たせているので、最低限の検定精度はあると思われます。
また、今回用意した合言葉(「PoEはなぜ来ない?」→「MAS」)ですが、自分の場合、他の参加者の方々と一緒になることは全くありませんでした(MASという返事をもらう事はなかった)。他の方々も同じようであったならば、やはり参加者の人数自体が低いためか、同じ分隊になることが滅多にないと言えるでしょう。そうであれば、前回の調査の際も似たような状況だったと予想され、従って前回の調査結果が参加者間での記録重複に起因するものではないという根拠になると思われます。
その他の問題としては、今回の調査でも特定の品目における出率の偏りが見受けられましたが、相変わらず何が理由かは不明な点が残ります。少なくともPrimeAccessの売り上げのために出率を変化させている、ということではなさそうです。
今回の調査結果を読んで、どう判断するかは皆さん次第です。Hieraconの代わりにBerehyniaやXiniに通っても良いでしょうし、思い切ってDEに尋ねてみるのもアリでしょう。データや表自体は上のリンク先に残しておくつもりなので、興味のある方はご利用ください。
今後、多数のリクエストでもない限り、自分が実績調査をするのはこれで最後にしたいと思います。最後に情報提供してくださった参加者の方々に心から感謝を。
毎度長文の板汚しで失礼しました。