>> 104
もちろんおっしゃる通りだとは思うんですけどね。
でも、中国の関心が台湾の併合ではなく、台湾の半導体産業の機能停止にあるとしたら?
いま世界的にAIの発展が爆速で進行中ですが、当然ながら民生用途だけではなく、世界の覇権を握る観点からもAIは重要視されてます。
AGIか、あるいはASIにもっとも早くたどり着いた国家が頂点に立てますからね。
ほんで、このAIの開発競争をサポートしてるのがプロセスノード7nm以下の最先端半導体を載せたGPUで、それの生産のほとんどすべてを台湾のTSMC社が担ってるんです。
んで、アメリカの輸出規制によって、それらの最先端半導体は中国へ出荷されてない。
最先端半導体の生産設備の心臓であるEUV露光機も、オランダ製で、こちらも輸出規制の対象になってます。
ということで、今中国国内は最先端のGPUが欠乏状態で、AI開発を思うように進められない状況に置かれている。
だからこそDeepSeekみたいな、最先端ノードを必要としない画期的アルゴリズムが生まれたりするわけですが、それにしたってジリ貧だよね、と。
この状況を中国がひっくり返そうとしたら、何をするか。
台湾に侵攻して、台湾の半導体工場を止めればいい。
これによって最先端半導体の出荷が止まって世界は大混乱に陥るでしょうが、中国は別に構わないわけです。だって元々最先端半導体、輸入できてねえから。
これでやっと中国はアメリカとAI開発競争でイーブンな立場に立てるわけですね。あるいは、立場はひっくり返るかもしれない。7nm超えの準先端プロセスは、中国が強くなってきてるから。
とまあ、「AIの開発競争のためにここまでやるか!?」っていう無理やりシナリオではあるわけですが、台湾侵攻に対する意味付けは一応できてしまうんです。
このシナリオが実現するには、
① AI開発が国力の核心と認識されること
② 引き続き台湾だけで最先端ノードが作られ続けること
③ 中国が最先端ノードの自力開発に失敗すること
④ AIの性能が、引き続きその計算能力に依存すること(最先端のGPUを使わなくても強力な推論能力を得られる、画期的なアルゴリズムが引き続き開発されないこと)
などなど、いろいろ制限が付きます。
特に④あたりの前提がそろそろ崩れるんじゃないかなーとか思ってはいますが、可能性としてあり得る、という程度にお考えいただければ。