『図説 中国後宮大全: 皇帝・后妃・宦官・宮女の世界』
原書房
島崎晋
総評
類書『イラスト図解 中華後宮事典』(柿沼陽平監修、河出書房新社)不満点、「題名のわりに中国史一般の制度・衣食住が多く、後宮の記述が少ない」を解消してくれる本。題名通り「丸ごと一冊、後宮」なぶん、後宮に限定すれば、本書のほうが詳しい。
秦漢~清の後宮の制度、事件を解説。白黒で色のイメージできぬ本が多い中、現存する紫禁城や衣裳などの豊富なカラーの写真・絵画付きで視覚的にイメージしやすい。また、風呂、洗濯、毒味にも言及がある。明清の女官・妃選びにも項を設け、宮殿、妃の位・官品の図解も分かりやすい。「清代後宮の階級・規程一覧」の皇后の定員が「10人」となっている。ただ、皇后の定員が10人もいるわけがないだろうから、お付きの宮女・宦官と思われるが、それが明示されていない。
ただ、取り上げられた事件の多くは、有名なもので他の本やYouTube動画で知っているものも多かった。
補足
『中華ファンタジー創作資料の最初の一冊『イラスト図解 中華後宮事典 中華風ファンタジー創作のための』のご紹介』
『イラスト図解 中華後宮事典』は上記リンク先でご紹介した通りです。「後宮」だけを期待すると「タイトル詐欺」な本ではありますが、中国史一般の制度、衣食住の基本的な知識が得られますので、実質「中華風ファンタジー創作入門事典」です。本文では悪く書きましたが、中華風ファンタジー創作に当たって最初にほしかった一冊です。
『YouTubeの中国史チャンネル『じんべ大帝』のご紹介 後宮モノ中華ファンタジーなら必見の一チャンネル』
中国後宮史解説と言えば、このチャンネルです。ですので、『図説 中国後宮大全』で取り上げられた後宮の事件のうち、隋、唐、明代はここで既に知っていたものが多かったですね。「ラブ史劇(中国時代劇)」にからめて、解説の掛け合いが面白いです。「暗君」とされる皇帝たちも、『じんべ大帝』の解説では、かわいそうだったり、見ていて面白かったりと、単純に「暗君!」と切り捨てることもしにくいことが多かったですね。






