ゲーム開発コラムにかんして私から付け足せそうなアレやコレ
日本国内のゲームメディアはジャーナリズム指向ではない
国内ゲームメディア
に関連して、以前旧コンテンツ某ページ向けに調べた(が載せていなかった)話をいくらか引っ張ってきました。
出自として広告媒体系列ばかり生き残っている
ブログの倫理規定はどうあるべき?
2007年9月3日 10時49分
https://japan.cnet.com/panel/20355436/10000093/
私が以前属していた毎日新聞社では、取材先からいっさいの金品(金銭だけでなく、商品も含めて)受け取ってはならないと教育された。そうした姿勢によってフェアネスを確保するというのが、新聞社のスタンスだったわけです。その後に転職した出版社のアスキーでは、編集部のほぼ全員がごく当たり前のようにメーカーからノベルティのみならず、市販されている商品まで平然と受け取っているのにはかなり驚かされました。某カメラメーカーが記者発表会で人気デジカメを出席した記者たちに配ったときには、後からその事実を知った同僚たちがわれ先にとメーカーに電話をかけ、「すみません、出席してないんですがもらえませんか」と問い合わせていたのには、唖然としました。
※アスキー←角川(エンターブレイン/ファミ通その他)系列のメディア
2012年10月25日(木)第2四半期決算説明会
質疑応答
https://www.nintendo.co.jp/ir/events/121025qa/index.html
まず、「Nintendo Direct」を始めた非常に大きなきっかけは、「私たちが何かゲームの情報を発表したとしても、その情報を私たちがネットに上げるよりも早く、何らかの形でゆがんだ形で拡散してしまう」ということが当時非常に大きな問題になっていたことでした。それは、「私たちのメッセージが正しくお客様にお伝えできない」ということであり、「ゲーム内容などのお客様が求めていらっしゃる情報は、お客様に直接お伝えして受け取っていただくほうがよいのではないか」ということをちょうど1年前の決算説明会で申し上げたと記憶しています。
※ゆがんだ形で←通常加工では生じ得ない画質劣化を伴うスクリーンショットが掲載される、メーカーから出たプレスリリースのタイトルや本文を無断加工して掲載する等。ゲーム系メディアには不審な記事が頻出しますが、メディア同士で相互に指摘・非難した例は原則無い。
というかソシャゲ勃興以前の国内ゲームメディアは事実上角川独占状態だったため、「メディア同士」と言えるほどメディアの種類が無かった?
取材対象=スポンサーである限界
紙媒体・電子媒体を問わず、ゲームメディアを支える広告は主としてゲーム関連企業によるもの。
マスメディア一般の弱点(スポンサーに弱腰)を大きく超えてジャーナリズム力が弱い。
ステルスマーケティング違法化以後は[PR]タグ義務化等抑制されているものの、原則として広告出稿元には頭が上がらない。
単なるゲームメディア側の倫理問題ではなく、メーカーに批判的な記事を載せたメディアをすぐ出禁にする広告主側にも根がある。
→ジャーナリズム系の記事は個々の記者(外部ライター含む)の良心にのみ依存。
https://note.com/tekken8810/n/nc9773e38c5ea#37f44938-0a2c-4a8e-8658-0a0a2041f40e
なんでかというと、ジャーナリズム記事ってコストのわりにホントに読まれないんですよね。もし渾身の記事が100万PV取れたとしても、その手間でネコちゃん記事を作った方が絶対儲かってしまう。
→ページ単位でPVが出るデジタルメディアは、お金にならない記事にあまりリソースを避けない。
新興ゲームメディア/ソシャゲ業者サイトも似たようなもん
gamewith←社外取締役に濱村弘一(KADOKAWA系ゲーム誌のボス)
game8←グノシー(キュレーションサービス運営)が保有
AppMedia←主要取引先にCygames
ソシャゲ検索に毎度出てくるゆかいな三馬鹿もだいたいそんな感じ。
ここから完全新規に書いた話
ゲーム会社(というかエンターテイメント系の業種)は、
- 消費者向けに発信するプロモーション
- 同業者向けに発信する情報
をかなりハッキリと区分けする傾向にあります。
(タブロイド系の英語圏メディアはその辺無節操だったりもしますが)
社員数推移や社員募集情報はどちらかといえば舞台裏=同業者向けの情報であるため、もとよりメディアから消費者に向けて積極報道される性質のネタではない…という点は公平性のために触れておこう。
社員数はともかく、個々の募集まで行くと(よほど熱心に追っているファンコミュニティでもない限りは)通常は消費者がアクセスする機会なき情報だと思います。