『食で読む東方見聞録』
遠藤雅司(音食紀行)著
山川出版社
レビュー
目次を確認しただけで予約注文。期待はしていたが、これほどのものだとは思わなかった。大航海時代や『アラビアンナイト』が好きなら、楽しめる一冊。同著者の『食卓の世界史』よりも面白かった。
『東方見聞録』の行程に沿って、ユーラシア大陸主要文化圏の料理と歴史が解説されている。特筆すべきは、巻頭にカラー写真付きで『東方見聞録』当時の再現レシピが載っていること。
西アジア、中央アジア、中国、モンゴルは当然として、マルコ・ポーロが伝聞で知った日本と、帰路が海路のため東南アジア、インドにも記述されている。
マルコ・ポーロが訪れたときの中国は、モンゴル族の王朝、元代。遊牧民のモンゴル族の料理にも詳しい。西洋ファンタジーであっても、遊牧民や異国の料理を出すなら参考になる一冊。
ただ、マルコ・ポーロが参加した1271年の東方行きを「第二次東方旅行」とし、マルコ・ポーロの父ニコロ・ポーロと、叔父マテロ・ポーロの二人の東方行き(1260年)を「第一次東方旅行」と数えているので、読んでいてやや混乱した。





