エンタメ小説研究交流会

作中世界を食から描く参考文献『食卓の世界史』のご紹介

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『食卓の世界史』

『食卓の世界史』遠藤 雅司(音食紀行)|筑摩書房
筑摩書房『食卓の世界史』の書誌情報
Chikumashobo

遠藤雅司(音食紀行)著
ちくまプリマ―新書

レビュー

 内容の詳細は、上記リンク先の「目次」をご参照のこと。

 古代から現代まで、一通り主要な文化圏の食卓を取り上げられている。楊貴妃、ハールーン・アッ=ラシード(『千一夜物語』『ドラえもん のび太のドラビアンナイト』に登場する王)、チンギス・ハン、マルコ・ポーロ、スレイマン一世(オスマン帝国皇帝)と、シルクロードや大航海時代関係の比率が高い。

 なので、中華ファンタジー、アラビアンファンタジー、中央アジアファンタジーはもちろん、西洋ファンタジーでも「異国」の料理を出すなら役立つ。

 なお、ヨーロッパについても、 カトリーヌ・ド・メディシス、 ルイ一四世、フリードリヒ二世、コナン・ドイルが取り上げられている。

 ただ、カバーに「興味深いエピソードと当時のレシピで案内する」と書いてあるわりには、大まかな作り方のみで、細かい「レシピ」は書いていない。しかも、著者は「料理を再現」したっぽい口ぶりだった。もし再現したのであれば、カラー写真で載せておいてほしかった。著者再現の料理写真はもちろん、参考文献からの写真や図版の転載もなく、料理の視覚的イメージわかない。これが残念。

ドラコン
作成: 2025/04/16 (水) 13:47:22
最終更新: 2025/04/21 (月) 15:10:31
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