『世界の郷土料理事典 全世界各国・300地域 料理の作り方を通して知る歴史、文化、宗教の食規定』
青木ゆり子著
誠文堂新光社
レビュー
「副題通り、全世界300もの地域が取り上げられていて、舞台を問わずに使える一冊」
本書をひと言で評すると、こうなる。「世界」と冠する本でも、欧米の一部の国にとどまっていることがある。しかし、本書は「本当に」全世界を取り上げている。アフリカは特にそうだが、国名を聞いても分からないような国の料理までしっかり載っているのが本当にすごい。詳細は、リンク先をご確認いただきたい。目次など、内容の一部が公開されている。
しかも、レシピ集なので材料のイメージがしやすく、オールカラーで料理の写真が載っているので視覚的なイメージもしやすい。レシピは載っていても、料理の写真がない、あっても白黒写真でよく分からない本もある。
また、簡単ではあるが国際的な会食の儀礼、宗教の食規定も書かれている。それも世界三大宗教のキリスト教、イスラム教、仏教のみならず、ユダヤ教、ヒンドゥー教といったまだ名前ぐらいは聞いたことのある宗教から、ジャイナ教、シーク教、ブードゥー教などのよりマイナーな宗教まで記述されている。
ただ、「広く浅く」の本ではある。取り上げた範囲が広いため、各料理は半ページか、1ページしか割り当てられておらず、作り方も簡単にし書かれていない。特定の国の料理が目的なら、国を特定したレシピ本のほうが向いている。





