『随園食単』
袁枚著
青木正児訳註
レビュー
【総評】
「清代の大富豪・食通が何を食べていたのかがよく分かり、中華ファンタジーでの食生活を描くのに役立つ一冊」
カバーに「食単とは料理メモのこと.三百余種の料理について,材料の吟味・つくり方・味わい方を記し,さらに酒・茶にまで説き及んで余すところがなかった」とあるように、予備知識から、調味料、数々の料理について、箇条書きに近い文体で記されている。解説では「訳注の難しさ」が指摘されているが、本文に限れば、箇条書きに近いので流し読みでも分かるぐらい。難しさは感じない。
また附録として、訳注者による「常用術語略解」という用語集が付いているのもありがたい。
【留意点】
・料理については詳しいが、宴席でのマナーは多少は書かれているものの、それほど詳しくは書かれていない。
・著者の袁枚が住んでいたのが南京なので、江南料理中心になっている。他の地方については言及が少ない。
・文章だけでは視覚的なイメージがわかない。訳注者は中国史家であって、料理家ではないため、料理の再現写真がない。料理家によって、本書の料理を再現し、カラー写真で載っている本がほしい。
(余談)『親王殿下のパティシエール 4巻』
篠原悠希著
ハルキ文庫
『随園食単』の著者袁枚も登場し、『随園食単』の草稿争奪戦が繰り広げれる話。『随園食単』と併せて読むと面白い。





