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日雇い違法派遣 抜本規制が欠かせない

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懸命に働いてもその日暮らしの糧しか得られず、ワーキングプア(働く貧困層)の一因ともされる日雇い派遣。業界最大手グッドウィル(GW)が、二重派遣など労働者派遣法に違反する行為を繰り返していたとして、厚生労働省から事業停止命令を受けた。   二番手のフルキャストが昨夏に事業停止命令を受けたのに続く厳しい処分である。業界の体質改善を促す狙いだろうが、果たして十分だろうか。モラルを欠く業務の実態を抜本的に改めるには、法改正など規制の見直しをあらためて考えるべきだ。   事業停止は全七百八事業所に及び、このうち違反があった六十七事業所は四カ月、ほかは二カ月という重い処分だ。GWは、〇四年十月から昨年六月までに、延べ約千二百人を派遣先から都内の二埠頭(ふとう)に二重派遣し、港湾運送の仕事に当たらせるなどしていた。違法派遣は延べ三万人以上という。   GWから受け入れた労働者をさらに別の会社に派遣していたなどとして、佐川急便グループの物流子会社など三社も、事業改善命令を受けた。   禁止されている港湾運送業務などに、GWは特別手当を出していたというから確信犯に近い。さらに派遣労働者から不透明な給与天引きを行ったことで、返還を求める訴訟も起こされている。法令順守の姿勢が根本的に欠けていると見られても仕方あるまい。   日雇い派遣は、登録さえすれば働きたい日や希望の時間帯に仕事できる手軽さもあって急拡大。GWも一九九九年の登録スタッフ二十二万人から昨年は二百七十四万人にまでに急成長した。製造業への派遣解禁など、規制緩和が影響しているのは間違いあるまい。   使用者側は必要なとき雇えて便利な半面、働く側は低賃金だったり、雇用が不安定だったり…。このため、派遣法見直しを検討する厚労省の部会も開かれてきた。   その中で労働側は「一日単位の契約では単なる職業紹介で派遣法の趣旨から外れる」と日雇い禁止を求めた。これに対し使用者側は「通訳など適正な日雇い派遣もある」と反論。昨年末の中間報告では、派遣料金の情報公開など、指針を新設する提案にとどまった。   ただ、指針だけでは拘束力がない。改正案の通常国会提出は見送られる方向だが、考え直すべきではないか。「使い捨て」のような日雇い派遣には、労働者保護の観点から早急な対策が不可欠だ。   (2008.1.13 中国新聞)

オフィスタ
作成: 2019/03/16 (土) 13:35:16
最終更新: 2019/03/18 (月) 16:39:23
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