日本語ボランティア情報交換・相談室 検索除外

イスラームについての情報共有をしました。

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令和7年度 国際交流・協力ネットワーク会議では、後半に交換会がありました。
交換会1 では次のテーマで、情報提供と話し合いが行われました。
テーマ:宗教的な違いを乗り越えてどう支援する?~異なる宗教が共生するために~
発表者:茨城大学 地域未来共創学環/グローバルエンゲージメントセンター
准教授 瀬尾 匡輝 氏
今日の社会情勢の特色を、選挙において「外国人政策が主要な争点に浮上」したこと、と捉えて問題提起が行われた。
 政府の難民対応や法改正の動向から、外国人=脅威・負担とみなす言説が一定の票を獲得する情勢に変化した。かくして、宗教や文化の違いを持つ人々が「異質な存在」とみなされ、社会から排除されるリスクが高まった社会になってきている。
 具体的な提言が、茨城大学理工学研究科博士課程に在籍するインドネシア出身のサ―ラン・マダンさんからイスラーム教の信仰について詳細に報告が行われた。これを素材に、地域の現状事例を報告し合いながら討議した。
「イスラーム教徒の児童が学校給食が食べられない。あなたならどう対応しますか。」
選択肢「A:日本の給食に慣れてもらうべきでは?B:給食があわないなら家で食べれもらう?C:お弁当を持参してもらう?D:学校でハラール対応メニューを導入する?E:ハラール料理をみんなで作って学ぶ?」
「A:同化B:排除C:配慮D:包摂E:対話・協調」と言えるが、それぞれに課題が残る。ディスカッションではさらに、「身近な場面での支援を考える。」「支援の姿勢を考える」「制度・仕組みとしての支援」「住民との対話・啓発の方法」を加えて、各グループに分かれて討議し、発表した。
終了後、瀬尾匡輝准教授と名刺交換して話しました。キリスト教の外国人は、日曜日に教会で出遭っている。イスラーム教のムスリムの方々は、モスクで一緒になる。キリスト教は守谷市内に教会があるが、イスラーム教のモスクは坂東市にあるので車で乗り合わせて出かける。宗教生活は、日本語の学習場面では語られないので、普段詳しく知ることはないのが実情である。梅棹忠夫がヨーロッパの中東イスラーム世界へのコンプレックスを指摘している。世界史で学んだように、西洋のルネッサンスは、イスラーム世界の存在なくてはありえなかったのである。かつてバグダッドには「智慧の館」が置かれ、古代ギリシ・アローマの古典がアラビア語に翻訳されて保管されていた。これを十字軍後の西洋世界では、盛んにラテン語へと翻訳していった。その経緯が、忘れられたまま、西洋近代のルネッサンスが語られているのが日本の現状ではないだろうか。世界の三大宗教と言えば仏教、キリスト教、イスラーム教である。宗教だが、イスラームは「その信念体形の上に築かれる生活の全体、文化の総体をさす」とは片倉もとこの言である。キリスト教の「原罪」意識と異なり、イスラームは「人間の本性は、元来、清浄で汚れなきもの」であると考える、と井筒俊彦は指摘している。混迷する世界の情勢の中で、多様性を重んじ、多文化共生社会を創生しようと考える現在の日本でも、世界観の違いとして改めて日本でも考えてみる必要がある。
二十世紀後半になり、西洋文明の行き詰まりが自覚される中で、イギリス、カナダ、イタリア、アメリカなどの都市にもモスクが建てられ、デンマークやオーストリアでもムスリムへの改宗が増加し、欧米世界でも第二の宗教になっている、片倉は報告している。
日本でも、イスラームの歴史や信仰生活の実際を知り、理解と配慮をする取り組みを重んじる態度が必要になってきていることを確認した。
上記に加えて、「イスラームの祈り」への理解をもっと深めることが必要だと思います。具体的な事例を提示し合って、今回ディスカッションを行いました。具体的な行動とムスリムの方の希望を聞いて対応できる範囲の対応が、まずは求められます。世界的に知られていることは、空港やホテルでは静かなスペースを確保していることや部屋に方位磁石を置いて祈りの際に役立ててもらう配慮がなされていることです。
今回の資料で、クルアーンにもろづいて、礼拝に時刻が定められていることがわかった。一日5回、「夜明け前・正午過ぎ・午後・日没後・夜」です。ムスリム社会に共通していことは、サラートと呼ばれる礼拝で、人々の日々の生活の中に深く入り込んでいる行為だということです。
この祈りについて、イスラームに詳しい片倉もとこは次のように、「定刻」が決められているわけではない、と指摘している。
(引用)「礼拝の時間帯には、それぞれ、かなりゆったりとした幅があり、人々はそれぞれその日の生活に応じて、適当な時間に礼拝を取り込んでいる。」(引用終了)
多くのムスリムの人々が、広く世界に広がって仕事をし、留学をして学んでいるが、それぞれの環境の中で暮らしている。その工夫の在り方を共有し、祈りの行為に対して配慮すること、祈りの空間を提供 することなどが、市民や行政にできることではないでしょうか。
                       宮本敏弥 地域日本語教育コーディネーター(H29文化庁研修修了)  

刀水手帳
作成: 2025/07/30 (水) 15:53:05
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