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最近のいくつかの論点について

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最近のいくつかの論点について
情報提供者
文部科学省総合教育政策局日本語教育課 専門官  北村 祐人 
最近の動向が広くまとめられていましたので、参考にしていただければと思います。
レポートの筆者
2025.09.05 「外国人政策の厳格化」に関連してレポートTさん
注意書きを加えて、要約してあります。・・・文責:宮本敏弥

「外国人児童生徒等への教育義務化」を考える。
憲法26条の1項でも2項でも「すべて国民は」で始まっています。26条は、日本国民を対象にしたものです。法体系上、憲法はすべての法律の上位に位置しています。したがって、日本の国内法では、外国人児童生徒等への教育義務化の法的根拠とはなりません。
現在の優勢な憲法解釈では、「国民」が教育を受ける義務を負っているので、外国人児童生徒等の教育は義務化できません。だからこそ、今まで国際人権A規約13条や児童の権利条約28条を援用して、日本の学校に外国人児童生徒等を受け入れてきたのです。(批准している条約・規約は、日本にとっても守るべき『国際法』です。)
 上記の記述は、教育関係者や文部科学省の義務教育担当者の共通の理解と言いうる内容です。
これに対して、提言として「外国人児童生徒等への教育義務化」を掲げる意見があります。しかし、これを実際に行おうとした場合、「憲法改正」をしなければならないと、現行の憲法解釈からは言えるでしょう。
そこで、Tさんは日本語教育推進法や日本語教育機関認定法に関わってきた者として、これは大変大きな壁なので、憲法改正にエネルギーをかけるよりは、実際の学校現場での外国人児童生徒等への日本語教育の改善にかけるほうが、「成果が出る」と考えています。
Tさんは、これからの日本を考える時には、外国人児童生徒等の人権が守られ、日本語の壁を乗り越えて日本の学校制度の中で自己実現を目指せる環境作りが絶対に必要だと訴えています。そのために、関係者の力を結集しましょうと呼びかけています。
Tさんがこのように考える背景には、「日本語指導に心を砕く方はおおいのですが、「生活言語」としての日本語に関心をもっているが、『その次には教科学習との連携(学習言語)』という大きなハードルに注意が向いていないと懸念していることがあります。そしてTさんは、こう指摘します。「この点を軽く考えている方が、教員も含めて多いのが現況です。教育委員会の方々の認識もこの点が限界になっています。」

参考になる意見でだと思います。地域日本語教育をボランティアで進める立場からは、容易に改革までは至りませんが、「外国人児童生徒の人権が守られ、各自の人生の開拓することが可能となる環境整備」に対する提言であることは理解できます。移民政策をとらない日本では、外国人を包摂するよりは、排除しようとする動きが大きくなってきています。多くの皆さんとの「認識の連携」はしていきたいと考えています。
私は、日々の実践の中でできることから始めていきたいと考えています。
例えば、今はネパールの小学校2年生の「生活言語」と「学習言語」の授業を、日曜日に行っています。小学校ではコミュニティールームを貸してくれますが、教科書を提供すことや学校の授業時間内での日本語指導への協力には踏み込めないでいます。まだまだ時間がかかりそうですが、地道にかかわって実現を目指しています。
非力ながら「教員も含めて、教育委員会の方々の認識」の限界に挑戦しています。

宮本敏弥(守谷市)
地域日本語教育コーディネーター(文化庁H29研修修了)

刀水手帳
作成: 2026/01/20 (火) 21:29:16
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