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「楽しい」って、何だろう?33回目「日本語教室を考える」

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INVNの3・30交流会に参加しました。今後も。多くの皆様との交流を希望しています。
最近の県内の話題では、「茨城県の不法就労対策としての『通報報奨金制度』」も取り上げられました。県議会でも質疑が行われていますが、茨城県の「人権意識」が気になります。県内の不法就労者数が「3年連続で全国1位」という不名誉な事実が背景にあるようです。併せて牛久は出入国在留管理庁の収容施設もあります。つくば市は在留外国人人口が多く、出身国数も群を抜いて多い研究学園地域です。これらを総合的に考えれば、基本的人権に配慮したアイディアを期待したいものです。平和で何でもない日常生活が維持できているときこそ、しっかり考え、はっきり言葉にして対話する必要があります。
 かつて木下順二が指摘していました。なんでもない変化が、やがて歴史的に大きな事件にまで発展することを見抜きたいものです。かつて、ドイツである団体が、少年の美しい声で合唱するという宣伝作戦をとったことがありました。後のナチスです。祖国の美しさと純粋さを連想し、誘われ、賛同し、ついには「ホロコースト」にまで行きついたあの団体です。現下の中東地域の情勢でも中心的な事柄として、今も存在している歴史的背景です。
 今日、「日本人ファースト」が叫ばれ、外国人への「厳格審査」という一見正しそうな文言で、排外的な対応やヘイトスピーチが広がっています。このことを憂慮しています。県は、「助長している事業者」が通報の対象だと説明しています。本当でしょうか。ここがポイントです。続けて、「不法就労が治安悪化の温床になっている」という声が寄せられている、と答えています。加えて、産業廃棄物の不法投棄にも同様の制度を設けていて効果が出ているとも言います。そもそも、人権侵害が懸念されることと国内産業廃棄物業者の違反行為とは本質的に異なるものです。
 「不法就労」という用語の「不法」でイメージするのは何でしょうか。「犯罪者」ではないでしょうか。事実は滞在期限切れや、手続き申請中等です。「厳格審査」「法の定めと違っている」だから「不法」、法に従わない者は違法で「犯罪者」になるのでしょうか。実際には「移民政策をとらない政策」がこのような事態をひき起こしています。合法的に人材を確保でき、転職も認められる法を定めれば、事業者も合法的に法の枠内で雇用することができます。「木を見て森を見ない」あるいは「本圧転倒」で、視野狭窄状態ではないでしょうか。排斥ではなく、包摂の視点で多文化共生を進め、生活者としての外国人と共に市民として暮らすことが求められています。
 「不法投棄」が見られる、最近外国人が増えているからではないか。「不法就労」が増えている、「法を犯す」外国人が増えているのではないか。このように根拠もなく、連想していくと「治安悪化の温床」になるのです。まるで「連想ゲーム」の結論ではないでしょうか。根も葉もない連想が生み出した誤った結論ということです。決して笑えない事態です。
 今日、「フェイク」「ファクトチェック」「デマにつかまる心理」「陰謀論」「詐欺罪の横行」
等々、一旦立ち止まって、「はて、本当だろうか。」としっかり考えないと弁別できないことにあふれています。
戦後80年と言いますが、自由で豊かな社会になったのでしょうか。上田市に「無言館」があります。訪ねてみると、若者が物言えぬまま、国家のために死に向かって飛び立ったことが昨日のように感じられます。当時の同調圧力がそこにはあるのです。「今なんでもない」と思うことが、「厳格化」すると「とんでもないこと」になることを感じさせられます。
 皆さん、楽しいって、何でしょうか。やがて悲しい時代になってもいいのでしょうか。
 身近にいる外国の方と共に語り合い、考えてまいりましょう。

宮本敏弥(地域日本語教育コーディネーター:文化庁H29研修修了)

刀水手帳
作成: 2026/04/02 (木) 17:46:41
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