かとかの記憶

富野由悠季 周回 / 230

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第二話、第三話ほどでも既に、グラン王の霊は時おり『走り回った』と文中で書かれる。所によっては人間が徒歩半日かかるほどの距離を瞬時に移動しており、霊の足でしゃかりきに走るというよりはスゥーと飛翔している。

まあカロッダとグラウンドを行き来しているからもとより当然のようだが。

砂原に起こる怪異を調べている際には、

 グラン王は、砂の塔の地面に接している部分に、一本の松葉を立てて、地にはいつくばうようにして、その塔と地面の境目を凝視した。

とあるように松葉ていどの物体は霊としても持ち上げて動かすことができる。雨雲を呼ぶときは自分でもどうやったのか分からなかったが、このときはあえて松葉を動かしていることを文中で意識してもいない様子だ。松葉で砂に字を書くか、松葉そのものを列べて文にすれば生者と通信するのは容易いようだけど、気づいてそんなことを始めたら冥界の禁忌に触れるのだろう。

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    katka_yg 2025/05/29 (木) 22:47:54 修正 >> 230

    いや、グラン王の霊のスペックなんか気にしてもしょうがないんだよ……。霊のすることなんて、できようと思えばできるし、禁止されている接触をすれば冥途に戻ると掟にされているんだから、生者と接触もどうにかすればできるとは冥界の者にもわかっていることだ。

    そのわりに、聴こえない声で一晩中呼びかけたり、絶叫したりグラン王の身悶えはつづくと……。