かとかの記憶

作歌作業所

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短歌の作業ログ。SNSでざっと言ってみて経緯はここに保管すればよい。

katka_yg
作成: 2025/04/18 (金) 12:44:25
最終更新: 2025/07/21 (月) 23:41:17
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katka_yg (@ygasea.bsky.social)
「アオマツムシ」は去年やったけど、「クビキリギス」はむずかしいかな……まず、クビキリギスに和歌になるような情趣を想像したことがない
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長らえば憂きよの軛(くびき)きりもなく過ぎての春は夢のかぎりに 〈くびきりぎす〉/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:長らえば憂きよの軛(くびき)きりもなく過ぎての春は夢のかぎりに 〈くびきりぎす〉
Utakatanka

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足早に夏は来るらしこの頃も古うぐいすのとよむ葦原/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:足早に夏は来るらしこの頃も古うぐいすのとよむ葦原
Utakatanka

あんまり良い出来でもない。古うぐいす。

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人なれて近きにとまる古めじろ一目の間またたきに立つ/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:人なれて近きにとまる古めじろ一目の間またたきに立つ
Utakatanka

古めじろ。野鳥との距離の近さは楽しいものですが、一方で当たり前になっている野生保護観念……あまり人馴れしすぎることも鳥や動物たちにとってよくないことではないか、心に兆し、それ以上接近しない、直視し続けまいと踏みとどまるのも、躊躇う一瞬のことです。
こちらの方がいい。古メジロの印象は一週間くらい保留してあったが上ののきっかけで簡潔に済んだので、一緒にしておく。

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katka_yg 2025/06/01 (日) 21:14:22 修正

一日(いちじつ)の雨は一夜に流れ去り 群れ雲ゆきて 夜に雨ふる/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:一日(いちじつ)の雨は一夜に流れ去り 群れ雲ゆきて 夜に雨ふる
Utakatanka

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katka_yg 2025/06/01 (日) 21:15:34 修正 >> 25

雨の間を夜ゆく街のひややかに手びさし透かし光まばゆき/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:雨の間を夜ゆく街のひややかに手びさし透かし光まばゆき
Utakatanka

こう、二首一対で一人応答歌のようにつくるのがここしばらくトレンドのようで、そんなルールだったわけでもないが、とにかく二首つくるとその日は満足するらしい

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もとの根も傾くばかり椋鳥の葉末もさわに騒ぎつつあり/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:もとの根も傾くばかり椋鳥の葉末もさわに騒ぎつつあり
Utakatanka

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katka_yg 2025/06/07 (土) 14:45:46 修正 >> 27

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
ねぐらの木が重みですっかりひっくり返るほど大勢のムクドリが、葉の茂っている梢までざわざわ騒がす大騒ぎの真っ最中です
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ゆく闇に影は見えねどゆき逢えばそれと知らるる幽霊蛍/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:ゆく闇に影は見えねどゆき逢えばそれと知らるる幽霊蛍
Utakatanka

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川音とかじかはたえず流るるも鳴くとも何を思わなくとも/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:川音とかじかはたえず流るるも鳴くとも何を思わなくとも
Utakatanka

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katka_yg 2025/06/13 (金) 22:13:28 修正 >> 30

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
文法的にはややラフいけど歩きながらぼんやり考えていて帰ってキーを打ったらこうなったのでそのまま
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というか、歌というのは必ずしも通常の文法や叙法で書かなくてもよい。それではなくて、『思わなくとも』という古文現代文が混じってるようなとりとめのなさのこと。

32
katka_yg 2025/06/13 (金) 22:46:00 修正 >> 30

橋上の灯火の列はかがやいて眩く遠く暗闇を行く/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:橋上の灯火の列はかがやいて眩く遠く暗闇を行く
Utakatanka

現代語で短歌……というか、和歌(やまとうた)を造ろうとすると、ことに漢語(漢字)とカタカナ語がネックになる。というか漢字は日本で1600年は使ってるのだが、そんな、「外来語を使うな」という話ではなくて、活用が少ない=「~す」(サ変)に限られるのが、韻を踏む(ライム)のが現在興味のわたしの中では邪魔になると思っていた。

これくらいなら、わたしは漢字使っていい。これだと、漢語を枕詞的に使うということだな……。韻文は和語部分に詰め込む。

カタカナ語は単純に、和語より字数を多く消費するから。活用がないのは同じだが、英語の読みをカタカナには幾らでも崩したり伸ばしたりできるものをあえて三十一文字でやろうと思わない。やろうと思ったことがないだけで……実際どんなものかな。

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日のうちは光のなかを浮き島の影から影と移りたたずむ/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:日のうちは光のなかを浮き島の影から影と移りたたずむ
Utakatanka

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夏をまつ木(こ)の根の闇に蝉の子は最後の夢を今日とむさぼる/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:夏をまつ木(こ)の根の闇に蝉の子は最後の夢を今日とむさぼる
Utakatanka

べつに「松の木」ではない。あえていえば遊歩道の桜だった。

35
katka_yg 2025/06/19 (木) 07:58:55 修正 >> 34

ためらいはこの手にふれてまたたくも来てはまた去る蛍いとおし/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:ためらいはこの手にふれてまたたくも来てはまた去る蛍いとおし
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katka_yg (@ygasea.bsky.social)
群舞するほど一度にたくさんの蛍は今年はもう見ていない。昨夜は点々と一、二匹が川面を遊弋しているのがみえた。歩道まで稀に昇ってくると、伸ばして待っている手にぽんと跳ねるように一度タッチしていくのが意外にしっかりと質量を感じる。
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黒つやのてんとう虫は六月の骸(むくろ)となりて地に落ちてあり/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:黒つやのてんとう虫は六月の骸(むくろ)となりて地に落ちてあり
Utakatanka

くろ - ろく - むくろ

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ほの白く昔のわれは空蝉の葉裏に宿り羽となるまで/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:ほの白く昔のわれは空蝉の葉裏に宿り羽となるまで
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黒→白

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katka_yg 2025/06/23 (月) 20:35:48 修正 >> 38

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
過去の自分自身を脱ぎ捨てようとしている魂には、羽化する間にその肉体は抜け殻になっていくのが見えているはず
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韻よりも叙法による幻想性……に、なっているかな。「自分自身が見えている」という体験は非現実だ。

40
katka_yg 2025/06/26 (木) 11:21:48 修正

立ち騒ぎうつる暇(いとま)の水かがみ ゆうべの雲はひとときに行く/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:立ち騒ぎうつる暇(いとま)の水かがみ ゆうべの雲はひとときに行く
Utakatanka

この「うつる」は、映る・移る(雲が)と、水たまりが蒸発するの含みが念頭にあるが、三つは載っていないか…。

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雲を呼び風が走れば雨となり跡立つ波の今は行くという/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:雲を呼び風が走れば雨となり跡立つ波の今は行くという
Utakatanka

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燃えまさる影のない道 網膜の動画の傷に川とんぼ飛ぶ/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:燃えまさる影のない道 網膜の動画の傷に川とんぼ飛ぶ
Utakatanka

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風立てば風に逆らい風はらむ翼つばめの様々に飛ぶ/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:風立てば風に逆らい風はらむ翼つばめの様々に飛ぶ
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katka_yg (@ygasea.bsky.social)
向い風に飛ぶ燕は通りの上空で風に拮抗して、一瞬、その場に静止して見える。そばから視界に入って来るカラスの飛び方は全く違うが、翼を広げて難なく強風をあしらって向こうの屋根に降りる。
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金網に留まるまでにはからすにも思うことあり おもむろに飛ぶ/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:金網に留まるまでにはからすにも思うことあり おもむろに飛ぶ
Utakatanka

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道ゆきて影さすものを見あげれば光に返るエナメルの翅/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:道ゆきて影さすものを見あげれば光に返るエナメルの翅
Utakatanka

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アスファルト朝まで濡れて雨上がりひるほどまでの涼風通る/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:アスファルト朝まで濡れて雨上がりひるほどまでの涼風通る
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48
katka_yg 2025/07/13 (日) 13:13:56 修正 >> 47

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
これくらいシンプルだときっと全く同じ既製が幾つあってもわたしは知らないくらい
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退屈さがよく出ている。

49

練習曲を作ったと思えばいい。

50

赤く濁る夏雲なびき狂い来れば真昼の街をまぼろしに見る/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:赤く濁る夏雲なびき狂い来れば真昼の街をまぼろしに見る
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51

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
実際に異様に赤い。あまりに現実感がないので前景の街並みの平常さが不審に見える
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52
katka_yg 2025/07/21 (月) 19:47:50 修正 >> 51

触れるとも触れぬともなく 唇にくすぐるほどにとどめゆく指/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:触れるとも触れぬともなく 唇にくすぐるほどにとどめゆく指
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ツイッターで作成の経緯
1 / 2 / 3 / 4

54

風に乗る微かの雨はふくまでを睫毛の端に宿る間もなく/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:風に乗る微かの雨はふくまでを睫毛の端に宿る間もなく
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55
katka_yg 2025/08/07 (木) 11:03:30 修正 >> 54

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
早朝から曇り、連日の酷烈な日照りに比べて午前中はやや涼しいくらい。道を少し行く間に、風に雨粒が混じり始めた。微かな水滴が睫毛に留まるのを指で振り払う仕草は涙をぬぐう演技に似ている。泣いている気持ちはなかったから、思いがけず「嘘泣き」になったようだ
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三一文字にはだいぶ重い意味の文章を書いているので、和歌として良いかというと、「を」のあたりは言い含めが強すぎて、わたしは自分で読んでも良いとは思わないな……ただ、数分間の早い思案のうちに出てくる表現を優先しているところ

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百年も続く日照りはこの星も滅ぼすことにひとりでになる/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:百年も続く日照りはこの星も滅ぼすことにひとりでになる
Utakatanka

それほど深刻でなさ

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八棟の光り輝く夏雲の十一階の影深む街/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:八棟の光り輝く夏雲の十一階の影深む街
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katka_yg 2025/08/08 (金) 12:26:11 修正 >> 57

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
強光に輝く夏雲が立っているのが超立体的に目に迫り、気持ちは困惑するようなスーパーリアルさに感じるが、目を落として「11階建てのマンションが8棟列んでいるところ」を見れば、その見慣れたありふれた景色が自然によほど異質なはずでないかとまた怪しむ
Bluesky Social

60
katka_yg 2025/08/08 (金) 20:28:15 修正 >> 58

影深む街は夕さり暮れゆけど灯火に遠く形を留めむ/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:影深む街は夕さり暮れゆけど灯火に遠く形を留めむ
Utakatanka

「ゆけば」かな。保管庫は「ゆけば」にしておこう。
作業経緯 1 / 2 / 3

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つゆほども先行き知れぬ気のままに精霊雨(しょうりょうあめ)は日を延べてふる/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:つゆほども先行き知れぬ気のままに精霊雨(しょうりょうあめ)は日を延べてふる
Utakatanka

62
katka_yg 2025/08/11 (月) 13:15:01 修正 >> 61

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
「梅雨前線ではないのか」と思って、一週間くらいの概況を読み返している不思議さ
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63

かねたたき夜雨に叩く たちまちに雨音立てばしばしまた止む/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:かねたたき夜雨に叩く たちまちに雨音立てばしばしまた止む
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64

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
いま聴いてたのはカネタタキ。短く鳴いただけで、雨にまぎれてすぐに止んでしまった。ここ、街中だと、アオマが寄せてくるとカネキもわからないくらいにじきなる
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65
katka_yg 2025/08/12 (火) 21:08:04 修正 >> 64

雨音にまぎれて待つ間きれぎれに聴こえて遠く声を待つ虫/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:雨音にまぎれて待つ間きれぎれに聴こえて遠く声を待つ虫
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経過 1 / 2 / 3 / 4

「待つ」が被っていたか。自然に気づかなかったけど、「待ち遠しい」という含みのくり返しかもしれない。べつにアオマツムシのシーズンを待ちわびているわけではない。今夜これだけにしよう。

ひらがなで「こたえ」でもいいけど……。待つは二回くり返す。わたしが、耳を傾けて待っているのと、虫どうしが応答を待ち合っているのニ回。

66

あおぎあおぎ 待つ宵 心さわがしく 夏の名残りもなお蒸し暑し〈アオマツムシ〉/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:あおぎあおぎ 待つ宵 心さわがしく 夏の名残りもなお蒸し暑し〈アオマツムシ〉
Utakatanka

これは、去年のアオマツムシ歌、再掲。9月にもなるとこんなダレた感慨になる。

67
katka_yg 2025/08/13 (水) 22:19:31 修正

かねたたき叩くやみ間にたずねきく応(いら)えを持てばともどもに推(お)す/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:かねたたき叩くやみ間にたずねきく応(いら)えを持てばともどもに推(お)す
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鳴き音の止む間は推敲している/たがいの様子を窺っている。ちなみに両方、オスである。

68

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
カネタタキが続けて何回鳴き声を刻む、というか叩くかは、聴いていても法則のようなものが取れない。「気まま」のようだ。今きいている子は2回から17回。一度、途中でハモったので、2匹いるみたいだ。2匹いるなら、間でリレーしてもわたしにわからないかもしれない
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69
katka_yg 2025/08/14 (木) 00:38:50 修正 >> 68

経過 1 / 2 / 3 / 4 / 5

『単発で、とくに理由のない行動(現象)には、次にくり返しを待つまでもなくその意味を読むすべがある』、という連想

70

次の夜にはもうアオマツムシが切れ目なしに鳴き続けているから、カネタタキだけをじっと聴いていた夜は実質、年に二晩。

71

ひとすじの線路に沿って風走るうわべの宙にとんぼとどまる/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:ひとすじの線路に沿って風走るうわべの宙にとんぼとどまる
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72
katka_yg 2025/08/16 (土) 18:12:17 修正 >> 71

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
線路沿いの道路上に風が吹き流れているところ、目線より少し上のあたりに風に向かいトンボが浮遊している。川の中の小魚みたいだな、と思いながら、歩いて眺めていく漠然ととりとめない気持ち
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経過 1 / 2

73

川上に高足立ちて居(お)る鷺の差し足歩くそのたたずまい/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:川上に高足立ちて居(お)る鷺の差し足歩くそのたたずまい
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74

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
歩きだせば、空気は凝固したみたいな抵抗を覚え、熱気に漂う朦朧とした気分は、歩調・歩幅も、道を踏む感覚もあやふやに定まらず歩く。そこにあるスーパーマーケットに滑り込み、店内の冷気にひとまず息つくと、食品棚の間を行くうち、イヤホンのインストの刻むリズムに体がようやく従い始める。『川の中のサギみたいな歩き方をしている』と思っていた。
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75

先々の予報によれば八月はなおも長らく真夏の続く/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:先々の予報によれば八月はなおも長らく真夏の続く
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76
katka_yg 2025/08/21 (木) 15:28:39 修正 >> 75

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
現在の天気予報ってかなり信憑性が高い、少なくとも一週間以内くらいは気温も降雨も「予定」として信じている――にもかかわらず、「何かの間違いで明日急に涼しくなったりはしないか」のような期待というか、懸念が、意識の隅にちらちらと兆すのをいつも感じている
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八月が夏なことに驚きが要るのか?

77

こおろぎも試しだめしに鳴くころはおのれの音にためらうものか/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:こおろぎも試しだめしに鳴くころはおのれの音にためらうものか
Utakatanka

78

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
昨夜鳴いていたコオロギが表で鳴き始める。1分ほど経ってからふと気づく。奇妙に抑揚のない、なにか鳴くことに慣れない、楽器を試しているような。実験音楽の一部というか、電信文のような連想をするが、その意味もリズムも掴めないうちに5分ほどで鳴き止む。最後に短くだけ小鈴のように鳴る。 そのあとしばらく考え、シーズンの只中にも憂鬱な調子で低く鳴いていることはあるが、ああいう機械音ぽくはないのではないか。「練習かな」のような童話的想像はするけど……成虫後にも神経系の整備は遅れて続き、その間不随意に音が出てるんじゃないかと思った
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やみくもに会えば当たるはやむを得ず夜道に虫は先も見ず飛ぶ/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:やみくもに会えば当たるはやむを得ず夜道に虫は先も見ず飛ぶ
Utakatanka

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katka_yg 2025/08/24 (日) 23:54:15 修正 >> 79

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
夏の夜の遊歩道は大小の飛ぶ昆虫の公道なので、大きめの蛾か何か質量のあるものが顔にぶち当たってきても謝るのは本来、人間のほうである
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経過 1 / 2 / 3

82

はからずは炎夏に雨のよるべなく線引きならぬそらを過ぎゆく/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:はからずは炎夏に雨のよるべなく線引きならぬそらを過ぎゆく
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83

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
天気図の東西に配してある低気圧から伸びる前線が間で中断しているとき、南北の高気圧のあいだを、書かれていないその線を薄っすらと書き込みたい気になる。前線という記号がまず現象として目に見えていないが、それくらいの表現のとき「曖昧な天気」と言う。 朝方曇り。前日・前々日に比べればやや涼しげ。太陽さえ強烈に照らなければこんなものなのかとも思う。しかし予報は昼間やはり高温なので怪しむ。昨夜、夜のうちに雨のマークがついていたが雨は降らなかった。なるほど微妙で曖昧なところかと考えている
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街の灯の暮れえぬ空に梁かけて赤色みっつ星もあざむく〈タワークレーン〉/香月董花 - 短歌投稿サイトUtakata
香月董花の短歌:街の灯の暮れえぬ空に梁かけて赤色みっつ星もあざむく〈タワークレーン〉
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katka_yg (@ygasea.bsky.social)
赤色の灯火を三つ点し、夜空にそびえるクレーンが下から見上げてなかなか格好いい。足下の建設現場は囲いの中を常夜灯で照らしていて、フットライトを当てたクレーンが展示物みたい。近所に住んでいる人は毎晩見ているのだろうけど。このクレーン自体、工事のあるごとに各地を転々としているんだろうな
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