かとかの記憶

リーンの翼 / 212

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ドラ・ロウ

「29 閃光」(旧)
「19 スィーウィドーの狭間」(新)つづき

ドラ・ロウ。現在のガダバの首都で旧名ベッカーラ。ベッカーラは「ベンカーラ」と書いてある箇所もあるが一般的にベッカーラ。アマルガン・リンレイの蜂起軍の現在の拠点ドラバロからの位置関係は前巻で、

ドラバロは、キェの元の首都ミラヤマ、シィの国(かつてのアマルガンの国)境へと至り、さらには、シィの国の首都であり、現在のガダバの首都となったドウ・ロウへ至る要衝の地であるのだ。

とあったが、完全版1巻の巻頭の地図を見ても、ドラバロからドウ・ロウへはまだキェ一国を丸ごと挟んでいてあまり要領を得た戦略の説明とはいえない。現時点では雲の彼方のような遠さ。

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    katka_yg 2025/09/30 (火) 17:12:39 修正 >> 212

    ゴゾ・ドウの第三子、俊英シュムラ・ドウ登場とともに、ドラ・ロウの王城についてここで概略。

    城下町の大通りから続く先にそびえる一大城郭は、まず高さ十五メートルの巨大な城壁。幅二十メートルの堀が三重にめぐらされて「平城だが、外観は中国の城郭に似ている」。

    • しかし、城内には、西欧式に近い城郭が並ぶという、地上人が見たら奇妙に映る城である。(旧)
    • 城内にはいれば、いくつもの鐘楼をもつ城郭がならんで、その構造は迷路を形成していてシンメトリーではない。(新)

    西洋式に近いという意味が「いくつもの鐘楼」という、鐘楼は鐘を吊るしているかは分からないが、高くそびえる櫓か尖塔ではあると思っていいだろう。もともとシィの国の城市だったが、それに外堀を追加させて、城内の構造は『騎兵の侵入と、火薬の攻撃に対して懐を深くしたのである』とある。

    城郭の、政治的な機能についてはこの時代あまり問題ではないのだと思う。ガダバが何と戦うつもりで決戦要塞都市のようなものを築いているかは確かではないが、このドラ・ロウの城の外堀の工事のためにシィの国の貴族・武人の血統を奴隷として酷使し体よく皆殺しにしたという。

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    ゴゾ・ドウはリーンの翼出現の報にその大衆への影響力、蜂起集団の士気への影響をいち早く察し、それがシュムラには分かるまいとも予知しているが、この時点でドラ・ロウに対空砲の準備はされていない。