かとかの記憶

野阿梓 通読 / 107

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katka_yg 2026/07/12 (日) 02:36:46 修正

聴罪

だいたい、松島啓一郎君のこれまでのいきさつを『すべてを語った』で語り終えてしまうのは便利すぎるよ。理解を絶するだろう。これどう収拾つけるんだよ……と読者は思っていたはずで。罪など、誰にも聴かれなくていいし、赦されなくてもいいよ。だめか。

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    『緑色研究』では、事の終わったあとに登場するメンターの鷹辻宮司がやはり、わたしはじわっと嫌悪対象になっていた。それはそんなに強くはなく。

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    とんとん拍子。いささかの揺るぎもなく、いっさいは、間違いなく、~~だと確認したのだ…

     牧村は、啓一郎の室を訪ねて、そのことを確認した。META‐VOXという、別人になりすませる音声ソフトと三日月の肉声を量子化した音声データのサンプルを収めた記憶装置を点検し、間違いなく死せる三日月卓の霊が、これらの電子機器を介して、電話回線にのり、立花水郷を犯しているのだと見究めたのだ。

    牧村さんに根本的な不信を抱いて読んでいると、霊の居処は発見する端からどんどん余所へ抜け出しているような感覚に思える。もっとも小説の興味(サスペンス)としては、もう消化試合みたいなもの。