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日本株個別銘柄 / 1865

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■明豊ファシリティワークス<1717>の事業概要

  1. コンストラクション・マネジメントとは
    コンストラクション・マネジメント(CM)とは、米国において普及した建設生産・管理システムである。具体的にはコンストラクション・マネジャー(CMr)が技術的な中立性を保ちつつ、発注者の代行者または補助者となって発注者側に立ち、基本計画作成や工事発注方式の検討、設計者選定支援、設計マネジメント、施工マネジメント等各種マネジメント業務を通じたコスト管理、工事進捗管理などを行う発注者支援サービスのことを指す。同社はCM事業(発注者支援事業)を専業とした国内の先駆け的な唯一の東証上場企業である。

同社のサービス契約形態の主流である「ピュアCM方式」とは、同社と発注者がCM業務委託契約(マネジメントフィー契約)を結ぶ方式で、設計や施工会社との契約は発注者が直接行う。同社の売上高に計上されるのはマネジメントフィーのみであり、売上原価としてマネジメントに関わるコスト(主に労務費)などが計上される。

2019年3月期までは売上高の一定割合を「アットリスクCM方式」※で占めていたが、2021年3月期以降はほぼすべてが「ピュアCM方式」の案件に切り替わっている。このため、売上高は2015年3月期をピークに2021年3月期まで減少傾向が続いたが、ほぼすべてが「ピュアCM方式」に切り替わった2022年3月期以降は増収基調を続けている。一方、経常利益は2015年3月期以降、売上高が減少するなかでも「ピュアCM方式」の増加に伴い増益を続け、2022年3月期に一度減益になった以外は増益を続けている。

※ 「アットリスクCM方式」とは同社が発注者に代わって施工会社と直接、工事請負契約を結ぶ方式で、売上高はマネジメントフィーに工事管理フィー、建設工事の実費額(コスト)が加算されることになる。売上原価にはマネジメントフィーや工事管理フィーにかかる社内コストと、発注者が承認した建設工事の実費額(オープンブック方式)が含まれる。工事実費額が売上高と売上原価に同額で計上されるため、「アットリスクCM方式」の売上総利益率は低くなる。

  1. 「明豊のCM」の特徴
    同社は経営理念に「フェアネス」と「透明性」を掲げ、プロが供給側に偏在するなかで、発注者側に立つことに徹した発注者支援をメイン業務としている。CM方式の最大のメリットは、一般的な一括請負方式と比較して発注プロセスと工事項目別コストを発注者と可視化されたなかで共有し、複数の選択肢から顧客が納得する最適な方法を選択、実行できることにある。同社は今まで手掛けてきた数多くの事例から得られた実勢コストを社内でデータベース化しており、発注者側に立った適正な費用の査定ができることを強みとしている。

「明豊のCM」方式では基本計画や、建築、電気・空調・情報通信・AV機器などの設備工事、環境評価に至るまであらゆる分野の専門家を社内に配置しており、顧客側に立った適正な基本計画づくりやコスト管理・査定を行っている。このため、過大に見積られた費用があれば発注者へ説明し、発注者が元請け業者に指摘し改善させる。また、顧客が事業の検討を開始した基本構想段階で精緻な予算を作成し、これを顧客の予算の上限(CAP)として管理し予算内での「プロジェクトの早期立ち上げ」に貢献するなど、顧客目標を確実に達成することで信頼を得て、高い継続受注率につなげている。

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    1. 同社の強み
      CM事業者にとって競争力の源泉は人材である。特に大規模プロジェクトに対応するためには、発注者側に立ち、設計要件の整理やコスト管理・精査ができる専門家や工期管理などトータルマネジメントができる人材、大手施工会社や設計事務所などとの交渉において対等に渡り合える経験やノウハウなどを持ち合わせた人材をどれだけ揃えているかが重要である。

    同社は、建設会社や施工会社、設計事務所など実際の現場を経験した人材を中途採用により厳選して獲得しており、建設プロジェクトの基本計画策定からコスト見積り・工期管理まですべての工程をカバーするプロフェッショナル集団と言える。CM事業を先駆けて展開してきたことで業界内でのブランド力も向上しており、こうした専門的なスキルを持つ人材を多数揃えていることが同社の強みである。特に、公共分野のプロポーザル方式※1によるCM案件では、評価基準の1つとしてCCMJ(認定コンストラクション・マネジャー)の保有資格者をどの程度配置しているかが含まれており重要指標となっている。同社は2024年11月末時点で110名と直近5年間で約1.4倍に増員しており、独立系CM事業会社としては最大規模だ※2。また公共工事の品質確保の促進において、発注関係事務を適切に実施する公共建築工事品質確保技術者の資格取得者も6名在籍している。このほかにも、脱炭素化ニーズの高まりによって重要性が増している環境分野に関連した資格となるCASBEE建築評価員※3が47名、LEED AP(LEED認定プロフェッショナル)※4が3名、脱炭素アドバイザー※5(ベーシック)が3名在籍するなど、多数の有資格者が揃っている。

    ※1 プロポーザル方式とは、発注者が業務の委託先を選定する際に、入札を希望する事業者に対して目的物に対する企画を提案してもらい、そのなかから優れた提案を評価項目別にポイント化し、総合点数が最も高かった事業者を選定する入札方式。
    ※2 独立系以外も含めると、大手設計会社の子会社である日建設計コンストラクション・マネジメント(株)が209名(2024年3月末)、(株)山下PMCが114名(2024年11月初)とそれぞれ同様のペースで増員しており、同社を含めて3社が業界トップ3と位置付けられている。
    ※3 CASBEE(建築環境総合性能評価システム)とは、建築物が地球環境・周辺環境にいかに配慮しているか、ランニングコストに無駄がないか、利用者にとって快適かなどの環境性能を客観的に評価するためのシステムで、評価を正しく実施できる者を評価委員として(財)住宅・建築SDGs推進センターが認証している。
    ※4 LEEDとは、米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用している環境に配慮した建物に与えられる認証システム。LEED認証に関する知識・経験年数によってGreen Associate、AP、Fellowと3種類の資格に分かれている。
    ※5 脱炭素アドバイザーとは、企業の脱炭素化に向けた取り組みに関して専門的なアドバイスができる知識・ノウハウを環境省認定の資格によって習得した者を指す。

    同社の成長の原動力となってきたのは、社員一人ひとりが経営理念である「フェアネス」と「透明性」を常に心掛け、高品質なサービスの提供によって、顧客から高い信頼を得てきたことにある。社員数267名(2024年11月末時点)の独立系企業において、新規顧客の開拓、特に大規模案件の開拓は一般的に困難だが、同社は既存顧客のうち9割近くが大手メーカーや金融機関、学校・医療法人、官公庁で占められており、新規顧客もその大半を既存顧客からの紹介によって獲得している。受注金額に占める既存顧客の比率はここ数年、70%台で推移しているが、これは同社のCMサービスを利用した企業から継続してプロジェクトの依頼を受けているためで、顧客からの信頼性の高さの裏付けともなっている。また、LEGOLAND Japan(同)やSAPジャパン(株)、ロシュ・ダイアグノスティックス(株)、TE Connectivity Japan(同)(旧 タイコ エレクトロニクス ジャパン(同))など大手外資系企業の日本拠点の案件を多く手掛けていることも特徴の1つである。

    一方で、同社は信頼関係の構築に関して、顧客だけでなく利害関係者となる元請けの建設会社とも良好な関係を構築している。最近では、着工後における施工者からの改善提案など発注者側が理解し難い専門的な検討事項についても、同社が間に立って発注者に丁寧に説明することでスムーズに話が進むといった点が高く評価されている。利害関係者からであっても真に顧客の役に立つ提案については真摯に向き合う「フェアネス」「透明性」「顧客側に立つプロ」の経営理念が、顧客に対してだけでなくすべての関係者に対して実践されている証左と言える。

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    1. 事業セグメントの内容
      同社の事業セグメントはCMサービスの提供目的によって、「オフィス事業」「CM事業」「CREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)事業」「DX支援事業」の4つに区分している。また、同社は各社員が複数の事業案件にマルチに対応できる柔軟な組織体制を構築しており、各事業における顧客ニーズの多寡に応じてプロジェクトへのアサインを調整している。発注者支援事業の普及により多様な専門性が求められる案件がほぼ毎期発生しており、全社横断型でマルチに対応し、その習熟の結果として生産性を早期にアップすることを繰り返していることが、同社の特徴であり強みでもある。

    (1) オフィス事業
    オフィス事業は、オフィスの移転・新設・改修を計画している企業に対し、オフィスづくりと運用に関する支援を行っている。具体的には、オフィスの移転・新設・改修のプロジェクトマネジメント、各顧客に最適な移転後のオフィスの床面積の提案、ICTやAV、セキュリティなど顧客が直接的に活用する最新テクノロジーの提案、維持費削減を目的としたスペースの見直し提案などがある。同分野は競争も激しいことから、同社の強みが発揮できる難度の高い事業所移転(大規模新築ビルの竣工時同時入居プロジェクト等)を中心に展開している。最近では、自社で実践してきたノウハウを生かして「働き方改革」の構想策定から定着支援まで行うサービスも提供しており、企業だけでなく中央官庁からの引き合いも増加している。

    (2) CM事業
    CM事業は、公共庁舎や教育施設、生産・研究施設、鉄道会社の施設、商業施設、オフィスビルその他各種施設の建設・運用に関して、基本計画の作成から入札仕様書作成、入札実施、設計及び施工マネジメントまでの全プロセスをCM手法によって可視化し、発注者意思決定を支援し、プロジェクトを成功に導く支援を行っている。また、脱炭素化支援のニーズの高まりを受けて会社としてZEBプランナー※の資格を持ち、オフィスビル等のZEB認証取得を支援している。同社のCM業務に対する評価の高まりを受け、ここ数年は構想策定段階(上流工程)からプロジェクトに参画するケースが増え、全体の7割以上を占めるまでになっている。

    ※ 環境省との連携のもと、(一社)環境共創イニシアチブ(以下、SII)が推進するネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業を推進していくために、SIIが公募している登録制度で、一般に向けて広くZEB実現に向けた相談窓口を有し、業務支援(建築設計・その他設計、コンサルティング等)を行い、その活動を公表する企業を対象としている。ZEBプランナーから支援を受け、建築物のZEB認証を受けることで建築主はZEB補助金を申請・受領できる。

    (3) CREM事業
    CREM事業では、金融機関や大企業を中心に保有資産の最適化を支援するサービスを提供している。具体的には、顧客が保有する多拠点施設の新築・改修において、CM手法を用いて工事コストの削減を図るほか、同社が開発した「MPS」上で保有資産をデータベース化し、資産情報の一元管理によって複数年にわたる改修プロジェクトを効率的に進め、工期の短縮化や予算執行の平準化を実現するサービスとなる。このため、同事業は複数年契約となるケースが多く、ストック型のビジネスモデルに近い。顧客は多拠点展開している金融機関や大企業が多数を占めるが、最近では施設の老朽化が進んでいる自治体からの受注実績も増え始めている。また、複数年にまたがるプロジェクトが多いため、CREM事業を通じて新規プロジェクト案件の情報も得られるなど、CM事業やオフィス事業への橋渡し的な位置付けにもなっている。

    そのほか同事業では、既存施設の耐震診断や環境・省エネ問題に対応するライフサイクルマネジメント※に関するサービスなども行っている。ここ数年でESG/SDGsへの関心が高まるなか、また、政府が示した脱炭素化社会の実現に向けて需要が増大するものと予想される。このため、同社はCASBEE建築評価員資格保有者の育成にも取り組んでおり、2024年11月末時点で47名が在籍している。

    ※ ライフサイクルマネジメントとは、ファシリティの企画段階から、設計・建設・運営そして解体までのファシリティの生涯に着目して計画、管理を行う考え方。ファシリティに依存する効用の最大化、ライフサイクルコストの最適化、資源やエネルギー消費・環境負荷の最小化、障害や災害のリスクの最小化を目標とする。

    (4) DX支援事業
    ここ数年でDXに取り組む企業や団体が増えるなか、こうした企業や団体に対して同社が開発し社内で活用していたITシステムを外販する事業となる。具体的には、建設プロジェクト管理情報や多拠点施設の維持保全に関する情報の可視化・データベース化により、効率的なプロジェクトの推進や計画的な維持保全等を実現する情報一元管理システム「Meiho Project Management System(以下、「MPS」)」、従業員一人ひとりのアクティビティを時間単位でデータ化し、可視化・定量化、分析による業務効率の改善と生産性向上につなげていく「Meiho Activity Management System(以下、「MeihoAMS」)」の2つのシステムを外販している。「MPS」についてはCREM事業の顧客で利用するケースが多いが「MPS」だけを利用する企業もある。一方、「MeihoAMS」については「働き方改革」に取り組む企業や官公庁などで利用されている。

    売上計上方法については、システム開発費やコンサルタント費等、収益認識基準によって着手からシステム導入完了までに計上される売上と、システム利用料等の継続的に計上される売上がある。顧客要望に沿ってシステムをカスタマイズするケースもあり、その場合は上流工程を自社で対応したうえで、システム開発会社に外注することもある。現状は「MPS」が売上の大半を占めており、規模もまだ小さいため新規導入件数や外注費の多寡によって収益が変動する傾向にある。

  • 1868
    1. SWOT分析
      同社の経営を取り巻く外部環境と経営の現状について、SWOT分析を行う。SWOT分析とは、強み「Strength」、弱み「Weakness」、機会「Opportunity」、脅威「Threat」の4つに区分して、組織のビジョンや戦略を企画立案する際に利用する、経営分析の一般的な手法である。

    外部環境面での成長機会としては、建設投資において品質、コスト、スピード面での発注者側の意識が高まっており、企業のコンプライアンス意識の高まりによって発注プロセスやコストを明確に開示し、建設費用の削減に資するCM事業者へ発注するケースの増加が想定される。特に、ここ2~3年は、長納期化、品質確保への対応方法、及び建設コストの上昇が続くなかで発注者自身がコストの妥当性などを判断するのが非常に困難になり、発注者において建設投資を遂行するうえでの課題の難度が高まっている。さらに、脱炭素化への取り組みもあり、豊富なノウハウやデータベースを持つ同社に対する引き合いが増えている。また、2014年に品確法が改正されて以降、公共分野においてもCM方式を導入する動きが広がりを見せているほか、ESG/SDGsへの関心の高まりもあって、環境・再生可能エネルギーの活用や働き方改革をテーマとしたCM業務の需要拡大も継続すると予想される。

    同業他社との差別化という点においては、一般的なCM事業者の場合、設計工程完了後にプロジェクトに参画するケースがほとんどだが、同社は上流工程となる建設プロジェクトの基本構想段階から参画するケースが全体の7割以上を占めるようになってきている。これは同社が多様な人材を揃えることで、プロジェクト全体をマネジメントできる能力や難度の高い案件も対応可能であるということを意味し、同社の強みと言える。

    一方、外部環境面でのリスク要因として、CM事業者の新規参入による競争激化や建設投資循環の影響を少なからず受けること、また、金利の動向や景気が悪化した場合は発注者側の投資判断が慎重になる可能性がある。ただ、対象となり得る建設プロジェクトのうちCMを導入している比率は民間で全体の20~25%程度、地方自治体など公共分野ではさらに低い水準にありCMの普及が広がりつつある点を考えると、仮に全体の建設投資が冷え込んだとしても、マイナスの影響は限定的と考えられる。なお、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)においてリモートワークの普及によりオフィス面積を縮小する動きが一部見られたが、一方で「働き方改革」を含めてオフィスの在り方を再構築するといったニーズへの支援が増加している。

    内部環境における「強み」としては、独立系であり「フェアネス」と「透明性」において既存顧客から高い信頼を得て、それが今では企業風土として新規顧客の開拓においてもプラスに働いている点が挙げられる。また、同社は情報の可視化等を目的に自社開発した「MPS」や「MeihoAMS」を使って、受注プロジェクトごとのコストを可視化し、従業員一人ひとりのマンアワーコストを定量化して管理するなど、生産性向上に対する意識が会社全体に浸透していることも強みと言える。ワークスタイル面でも早くからテレワークを全社で導入し、社内のフリーアドレス化、ペーパーレス化を実現し、また、対外折衝においてもすべてペーパーレスで行うなどITを積極的に活用することで生産性向上につなげている。こうした取り組みが評価されて総務省が実施・選出する「2019年度テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞した。

    一方、内部的な「弱み」としては専門性の高い人材がプロジェクト数に比例して必要となるため、成長を持続していくためには優秀な人材の継続的な確保と組織力の強化が必要となる点が挙げられる。ここ数年で業界のなかでの同社のブランド力、知名度は格段に上昇し、大企業や設計事務所などから優秀な人材が採用できるようにはなってきたが、一方でコロナ禍以降はテレワークが推進されたこともあり、社会的な傾向として人材の流動化も激しくなっている。CMへの期待がサービスの高度化につながり、習得の難度が高まっているが、入社後の教育研修やOJTのプログラムを刷新し、転職者の個別特性に合わせたきめ細かな対応を実施することで、定着化の向上と成長への期待が会社と本人で一致するよう全社で人の育成を最重要視して取り組んでいる。新人期間の出社奨励や全社コミュニケーション、テレワークブース導入によるオフィス環境の向上なども行っている。

    従業員の増員ペースについては年間10名前後を継続していく考えで、採用に関しては企業理念への高い共感がある人材を対象として専門性の高い人材だけでなく、複数の専門的業務に従事できる人材を優先的に獲得することで、1人当たり生産性のさらなる向上を目指している。また、組織力についてもコミュニケーションスキルの向上を中心とした人材育成に取り組んでいる。CM業務ではプロジェクトごとに複数のメンバーが集まって業務を遂行するが、メンバーを束ねるプロジェクト・マネージャーの資質によって、プロジェクト品質に差が生じることを認識しており、プロジェクト・マネージャーとしての能力を見出すこと、あるいは育成することで組織力が強化され、全体の生産性向上につながると考えている。ここ数年で採用した若手社員も同社の理念を吸収して順調に育ち、プロジェクト・マネージャーの人員体制の拡充が進んでおり、今後さらなる生産性向上が期待される。なお、2024年11月末の社員数は、前期末比10名増の267名となっている。優秀な社員の採用が進んだ一方で、退職者が例年よりも少なかったことが増加につながった。

  • 1869
    1. 2025年3月期中間期の業績概要
      2025年3月期中間期の業績は、売上高で前年同期比10.3%増の2,658百万円、営業利益で同27.6%増の695百万円、経常利益で同27.6%増の697百万円、中間純利益で同27.3%増の511百万円といずれも期初計画を上回る増収増益となり、各利益については過去最高を連続更新した。優秀な人材の確保を目的とした社員の処遇向上と新規採用によって体制を強化したことなどにより販管費が同8.8%増加したものの、建築コストの上昇が続くなかで高い専門性を持って発注者を支援する同社CMサービスに対する引き合いが一段と増えたことが増収増益要因となった。

    売上総利益率は前年同期の54.5%から57.6%と3.1ポイント上昇し、売上総利益も同16.6%増の1,530百万円と過去最高を更新した。大型プロジェクトの継続案件の生産性が向上したほか、プロジェクト早期立ち上げ支援サービスに関するノウハウが蓄積されたことで効率化が進んだことが要因だ。ここ数年で採用した社員の育成が進み、生産性が向上した。付加価値労働生産性(売上粗利益÷直接労働時間)指数で見ると、2025年3月期中間期は前期と比較して4.8%上昇した。

    分野別売上粗利益の構成比を見ると、鉄道・学校他が前年同期の23%から18%に、CREMが20%から17%に、工場・研究所が16%から15%に低下した一方で、公共が18%から23%に、DXが6%から8%に上昇した。鉄道・学校他については金額ベースでも減少したと見られるが、主には継続案件であるJR東日本(東日本旅客鉄道<9020>)の品川開発プロジェクト※がピークアウトしたこと、並びに大学の整備事業も一段落したことが要因と見られる。なお、JR東日本については大井町再開発プロジェクトや新宿再開発プロジェクトなど大規模プロジェクトが相次ぐため、今後は堅調な売上が見込まれる。

    ※ JR高輪ゲートウェイ駅西側に合計4棟の高層ビルと1棟の文化施設を建設し、新たな街区を開発するプロジェクト(2025年開業予定)で、2020年より着工を開始、予定事業費は約5,800億円と現在進行中の建設プロジェクトで最大規模となり、同社にとっても過去最大級のプロジェクトとなる。

    公共分野については、コロナ禍が収束に向かうなかで予算が建設プロジェクトに振り向けられるようになり、着実に新規案件を受注した。同社が会社ホームページ上で開示した受注実績だけでも2025年3月期中間期は16件と前年同期から増加しており、落札率も引き続き高水準で推移したと見られる。傾向としては少子化を見据えた公立学校の統廃合や改築を目的とした基本計画策定プロジェクト、公共施設の維持保全に係る支援業務などが増えた印象だ。また、官公庁のオフィス改革に関する調査事業なども経済産業省での実績を基に、他の省庁や独立行政法人にも広がりを見せているようで、今後の受注拡大が期待される。将来的に省庁の大規模移転などがあった場合にも、難度の高い大規模オフィスの竣工時同時入居プロジェクトを多く手掛けてきた同社にとっては、受注獲得の好機となるだけに注目される。

    そのほか、SDGsに対する企業の関心が高まるなかで、2021年夏より開始した脱炭素化支援コンストラクション・マネジメントサービスの引き合いも引き続き好調だ。2023年4月に脱炭素CM部を新設し、GXソリューションチームを中心とした専門技術者によって、脱炭素化ロードマップ策定や具体的な脱炭素化施策を支援するとともに、ZEBなどの認証取得においても基本計画段階からの顧客の高い環境要求水準に対応している。現在、客先の建設プロジェクトではオフィス、工場、研究所などすべてのプロジェクトにおいて脱炭素化への取り組みが必須のテーマであり、今までよりも高い専門性が求められるため、同社に対する引き合いが強まっている一因と見られる。

  • 1870
    1. 事業セグメント別の動向
      (1) オフィス事業
      オフィス事業は売上高で前年同期比28.4%増の535百万円、営業利益で同159.1%増の79百万円と3期ぶりの増収増益に転じた。都心を中心に大規模オフィスビルの新築が続くなかで、難度の高い新築ビル竣工同時入居型の移転プロジェクトが増加した。また、働き方改革及びDXに自ら取り組む先進企業として同社の認知度が高まり、大企業のグループ統合や中央官庁及び独立行政法人などで「働き方改革」支援及び執務環境整備プロジェクトの引き合いが増加した。都心では2030年に向けて大型ビルの竣工が相次ぐ見通しで、大規模オフィス移転プロジェクトで豊富な実績を持つ同社にとっては、オフィス事業の収益を伸ばす好機になると弊社では見ている。

    (2) CM事業
    CM事業は売上高で前年同期比3.7%増の1,529百万円、営業利益で同20.2%増の482百万円と増収増益基調が続き、営業利益は過去最高を連続更新した。公共分野で地方自治体庁舎や国立大学をはじめとする多くの公共施設において同社のCMサービスが採用されたほか、民間分野でもグローバル企業の大型研究施設や食品・製薬企業等の工場の建設プロジェクトにCMサービスが採用された。そのほか、商業施設や教育施設の再構築、大規模複合施設など様々な分野で既存顧客からの継続受注を獲得するとともに、大手国内企業等の新規顧客からの引き合いも増加し、増収増益要因となった。また、営業利益率も生産性向上に伴い前年同期の27.3%から31.6%に上昇し、利益率でも過去最高水準となっている。

    なお、国土交通省からは「2024年度地方公共団体における入札契約改善に向けたハンズオン支援業務」を受注した。同業務は埼玉県、新潟県及び佐賀県における管内市町村が、発注者体制や地域の実情等に応じて入札契約制度を推進できるよう、課題の整理や新たに導入あるいは改善すべき入札契約制度等において必要となる検討の支援等(ハンズオン支援)を行い、対象団体の入札契約の適正化を推進することを目的としたものだ。受注実績としては11年連続となり(前年度は茨城県、長野県及び岐阜県で実施)、同社が公共分野でのCM普及の先導役になっていると言っても過言ではない。

    第三者機関からの評価として、(一社)日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2024」において、同社がCM業務を行った「雪印メグミルク<2270>イノベーションセンター建設プロジェクトCM業務」「水戸駅ビルエクセル 基幹設備更新プロジェクトCM業務」でCM選奨を受賞し、8年連続の受賞となった。

    (3) CREM事業
    CREM事業は売上高で前年同期比11.8%増の405百万円、営業利益で同61.7%増の97百万円と3期ぶりの増益に転じ、営業利益率も生産性向上によって前年同期の16.5%から23.9%に上昇した。新規顧客を含む大企業等からの多拠点改修同時進行プロジェクトや地方自治体の公立学校改築や空調設備更新計画、金融機関の事業拠点再編等を中心に、「MPS」を活用した効率的なプロジェクト管理サービスが増加した。とりわけ、地方自治体における公共施設マネジメントに関する引き合いが増加しており、増収増益のけん引役となった。なお、「MPS」の利用料についてはDX支援事業で売上計上しているケースが多い。

    (4) DX支援事業
    DX支援事業は売上高で前年同期比20.7%増の187百万円、営業利益で同30.6%減の36百万円となった。DX化による働き方改革に取り組む企業が増加している中で、顧客側での人材不足に伴う保有施設の維持保全プロセスの効率化や専門性補完を目的として、同社の「MPS」に新たな機能を追加するシステム開発等を顧客とともに行うケースが増えており、CREM事業における「MPS」活用の増加に伴い、売上高は高成長が続いた。一方、利益面では体制強化(エンジニアを3名程度増員)に伴う人件費の増加やシステム開発費に係る減価償却費の増加等により減益となった。

  • 1871
    1. 財務状況と経営指標
      2025年3月期中間期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比440百万円減少の6,883百万円となった。主な増減要因は、流動資産では現金及び預金が253百万円減少したほか、受取手形、売掛金及び契約資産が167百万円減少した。固定資産ではソフトウェアの開発に伴い無形固定資産が37百万円増加した一方で、投資その他の資産が債券の償還等により68百万円減少した。なお、同社はSDGsの取り組みの一環として、グリーンボンドへの投資を継続して行っており、2024年は10月に東京都発行の「グリーン・ブルーボンド※」への投資を行った。

    ※ グリーン・ブルーボンドは、環境事業に要する資金を調達するために発行する債券で、東京都として8回目の発行となる。主に、都有施設への太陽光発電設備の導入や下水道事業におけるエネルギー・地球温暖化対策費用に充当される。5年満期で利率は0.644%。

    負債合計は前期末比548百万円減少の1,690百万円となった。流動負債において賞与引当金が291百万円減少したほか、買掛金が65百万円、株式給付引当金が34百万円それぞれ減少した。純資産は同108百万円増加の5,193百万円となった。配当金450百万円を支出した一方で、中間純利益511百万円を計上したほか、ストック・オプションの行使に伴い自己株式が39百万円減少(増加要因)したことによる。

    経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は75.2%と高水準を維持しており、有利子負債もないことから財務内容は健全な状態にあると判断される。今後の財務戦略としては健全な状態を維持したうえで、成長投資を行いつつ収益水準に見合った株主並びに社員への還元を実施していく方針だ。

  • 1872

    ■明豊ファシリティワークス<1717>の今後の見通し

    1. 2025年3月期の業績見通し
      2025年3月期の業績は、売上高で前期比0.6%増の5,300百万円、営業利益で同4.8%増の1,120百万円、経常利益で同4.6%増の1,120百万円、当期純利益で同3.1%増の815百万円と若干の増収増益を見込んでいる。売上高については、前期に他社との共同提案プロジェクトがあり、売上高及び売上原価に約64百万円を計上したが、2025年3月期は同様のケースを織り込んでいないため、実質的な増収額は約100百万円、伸び率で同1.9%増を見込んでおり、営業利益率は前期比横ばい水準となる見通しだ。また、賃上げ促進税制による税額控除は前期の61百万円に対して、59百万円と若干減少することを見込んでいる。

    中間期の受注が堅調に推移したことを受け、各利益について期初計画から若干の上方修正を行ったが、通期計画に対する中間期までの進捗率は売上高で50.2%、営業利益で62.1%と直近3年間平均(売上高46.2%、営業利益48.8%)を上回っている。会社側では、民間の発注者による建設投資が金融環境の先行き不透明感から見通すことが困難となっており、保守的な前提に立った業績計画にしていることが要因と見られる。ただ、人手不足や資材価格上昇に起因する建設コストの高止まりや、施工後の品質及び工期管理について従来よりも重要性が増しており、これら課題に対処できる同社の高品質かつ専門性の高いCMサービスに対するニーズは民間、公共問わず増加している状況にあり、下期に急激な市場環境の変化が起こらない限り、通期の業績計画は上振れする可能性が高いと弊社では見ている。なお、人員については引き続き10数名程度の純増で業績計画に織り込んでいる。

    (一財)建設経済研究所「建設投資の見通し」(2024年10月発表)によると、2024年度の建築投資は前年度比5.2%増の48.7兆円となり、このうち非住宅分野の投資が同5.9%増の15.1兆円(うち政府は、同10.2%増の4.5兆円)、建築補修投資が同8.5%増の15.9兆円(うち政府は、同1.5%増の2.6兆円)とそれぞれプラス成長が続く見通しで、なかでも公共分野の伸びが高くなっている。2025年度も伸び率こそ鈍化するものの堅調な推移が続くものと予測されている。公共分野については、コロナ禍の収束で政府予算が公共投資に振り向けられるようになったこと、民間分野では円安進展に伴い製造業の国内回帰の動きが続いていること、また公共・民間ともに施設の老朽化に伴う改修需要が増えてきていることなどが要因と見られる。

    足許の建設市場の動向については、建設着工面積や直近の建築主要資材価格が下落に転じてきたこともあり、民間企業については一部で様子見の姿勢に転じる企業も出てきているが、成長業界については引き続き新工場立ち上げプロジェクトなどで同社のCMサービスを活用したいとのニーズが活発なようだ。具体的な動きとしては、国策により半導体の新工場建設計画が九州や北海道などで進んでいるが、こうした動きに合わせて製造装置や半導体材料など関連企業も新工場の建設に動き始めており、これら企業からCMサービスの引き合いがきているようだ。また、データセンターの建設プロジェクトも今後増加する見通しとなっており、過去に複数案件の実績を持つ同社にとっては受注獲得の好機となる。同様に都心での大型オフィスビルの竣工に合わせた、大企業の本社・グループ会社同時入居移転プロジェクトなど難度の高い案件も増加する見通しだ。こうした状況から、同社CMサービスの繁忙状況が続き、当面は人的リソースに律速した成長を続けていくものと弊社では見ている。

    なお、同社は2024年4月に経済産業省の認定制度である「DX認定事業者」として認定された。同認定の取得は、同社におけるDX活用の目的と顧客への提供価値について、デジタルガバナンス・コードに対応し、DXによって自らのビジネスを変革する準備と、ステークホルダーへの適切な情報開示等の認定基準を満たしていることによるもので、同社のDX支援事業の拡大においてプラスになるものと思われる。

  • 1873
    1. 中長期的な取り組み方針
      同社は新築から維持保全までの施設のライフサイクルやオフィス構築等において、社会の変化に対応した透明で納得感の高い意思決定プロセスを発注者に提供しCMサービスの価値向上を図るとともに、10年先を見据えた新たな価値をDXも活用しながら創造し、発注者支援事業の将来性を高めていく方針だ。同社の経営理念である「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」を軸とし、独立性を保ちながら付加価値の高いCMサービスを提供し、また、脱炭素化社会への取り組みや公共施設の老朽化問題など社会課題の解決に貢献していくことで、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、「発注者支援事業そのもので社会貢献」というビジョンを実現していく考えだ。

    (1) 対処すべき課題と取り組み方針
    建設投資における発注者の意思決定や品質確保が一層高度化するなか、発注者支援事業へのニーズが高まり、マーケットの拡大や事業の将来性を高められる環境にあり、こうした環境の中で同社は発注者支援の先頭に立ち、さらなる企業価値の向上を図るため、CMサービスの価値向上、CM事業の新たな価値創造、人的資本の強化、の3点に取り組んでいく方針だ。併せて株主還元を充実させていくとともにESG投資、フェアで透明性の高い社会の実現に貢献していく。

    a) CMサービスの価値向上
    建設プロジェクトにおける第三者性とその価値の確立、先見性とリスク管理を徹底しながら社会の変化とともにCMサービスを進化させ、サービスの価値向上を追求していく。従前はプロジェクト単体のコストや工期など定量的な改善効果の実現を重視してきたが、今後は定量効果に加えて効果検証・説明などを含めてよりコンサルティング的な要素に重きを置くことで発注者にとっての価値を向上させ、より多くの顧客との持続的な信頼関係を構築することで、経営基盤の安定化を図る。

    b) CM事業の新たな価値創造(CM×DX)
    市場環境が激しく変化するなかで、10年先を見据えてDXを融合させた発注者支援事業の新たな価値創造に着手していく。DXを活用することで、建設、維持保全、オフィスづくりにおいて、発注者にとってより効率的で価値のある意思決定プロセスに変革していく考えだ。

    c) 人的資本の強化
    同社の人材育成のプロセスは、「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」の経営理念のもと、入社した社員に対して個々の適正にあったOJTプログラムを実施するとともに、ナレッジセンター※の活用や社内ワーキンググループ(専門性向上とCMの価値研究を行う)への参加により互いの成長を支援しあうことで、顧客側のプロとして育成し、強い組織力・チーム力を形成している。今後も人員については年間10数名程度のペースで着実な増員を進めていく方針だ。

    ※ デジタル基盤上に構築したナレッジセンターにおいて、業務上のベストプラクティスが共有できるほか、サービス品質向上に不可欠なドキュメントレベルの周知や学習が行えるようになっている。

    (2) CM×DX
    同社は発注者支援事業を普及させるという第1フェーズを達成し、現在は各事業分野とDX推進事業が一体となったサービスを提供する第2フェーズ(CM×DX)に取り組んでいる。具体的には、プロジェクト情報をデジタル化し、顧客と同社の間で可視化・一元管理することでプロジェクトリスクに対応し、アウトプットの精度を向上させ、難度の高い顧客の意思決定を支援しており、こうしたCM×DXの取り組みが同社の強みともなっている。また、情報のデータベース化によって同社社員は効率的に新たなナレッジを共有する体制を構築し、学習しながらプロジェクトを推進することで、人材の育成にもつなげている。

    (3) ESG/SDGsへの取り組み
    同社は、企業理念である「フェアネス」「透明性」「顧客側に立つプロ」のもと、持続可能な社会の実現に向けて社会課題の解決に取り組んでいる。環境面での取り組みとしては、社内にCASBEE建築評価員47名、LEED AP3名が在籍しており、顧客側に立つプロが顧客の環境対策を環境CMによって支援することで、企業価値の向上と地球環境の保全に貢献している。具体的には、社内技術チームによる脱炭素化支援CMを提供しており、環境に配慮した施設の導入・運用支援(ZEB、オフグリッド等脱炭素化に資するCMの提供)や、施設の長寿命化のための各種提案、実現支援(MPSの運用等)を行うなど、発注者支援事業を通じて顧客の環境対策ニーズに貢献している。

    さらに、同社は気候変動に関するリスク等への対応について、TCFD提言※の趣旨に賛同し、TCFDコンソーシアムに加盟し、気候変動に関する推奨されたフレームワークの整備と透明性向上に取り組んでいる。開示基礎項目であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標を策定しており、このうちCO2排出量削減に関しては2020年3月期比で2025年3月期は37.4%の削減を達成しており、2031年3月期までに50%削減、2051年3月期までにカーボンニュートラルの達成を目指している。

    ※ 金融安定理事会(FSB:各国の金融関連省庁及び中央銀行からなり、国際金融に関する監督業務を行う機関)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォースの提言。気候変動に起因する財務的影響の分析、開示が推奨されている。

    そのほか、ESG投資として東京都発行のグリーンボンド(2019年10月、2021年10月、2022年10月、2023年10月、2024年10月)への投資を継続的に実施している。同グリーンボンドは気候変動への適応、自然環境の保全、生活環境の向上に関連した事業等に充当されている。また、日本学生支援機構が奨学金事業の財源を目的に発行したソーシャルボンドにも、2021年5月に投資した。

    一方、ダイバーシティやワークライフバランスの充実を図るため、多様性の確保に向けた人材育成やITを活用した職場環境の整備などに取り組んでいる。女性の活躍を重要テーマの1つとして産休・育休制度、時短勤務、健康活動支援、リフレッシュ休暇制度などを整備しており、女性活躍関連指標の目標を設定している。また、2022年6月には「くるみん認定」※を受けた。

    ※ 「くるみん」は、仕事と家庭を両立しやすい職場環境づくりに取り組んでいる企業として、一定の基準を満たした場合に申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働省より認定を受けた証となる。認定を受けた企業は「くるみんマーク」を広告等に表示し、子育てサポート企業であることを公表できる。

  • 1874

    ■株主還元策

    明豊ファシリティワークス<1717>は株主還元策として配当を実施しており、配当の基本方針としては、安定的かつ継続的な利益還元を実施していくことを掲げている。配当性向は財務基盤が充実してきたことなどを踏まえて2023年3月期より従来の50%程度から55%程度に引き上げている。2025年3月期の1株当たり配当金は期初計画で前期比0.5円増配の38.0円としていたが、利益の上方修正を行ったことにより38.5円(配当性向55.0%)に引き上げ、12期連続の増配となる予定だ。なお、2026年3月期までは期間業績が損失計上となった場合を除いて1株当たり配当金の下限を38.5円以上とすることも公表している。配当性向が55%を下回る状況になればさらなる増配も期待される。

  • 1876

    窓開けて買ってもしかたないだろうに。窓埋めに入るだけ。