イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師が同国の濃縮ウランを国外に搬出してはならないとの指示を出した。イラン政府高官2人が明らかにした。戦争終結に向けた米国との協議を一層複雑にする恐れがある。
イスラエル当局者がロイターに語ったところによると、トランプ米大統領はイスラエルに対し、イランの高濃縮ウランを国外に搬出させると確約しており、いかなる和平合意にもこの条項を含めなければならないとしている。
あるイラン政府高官は「最高指導者の指示と体制内の総意は、濃縮ウランを国外に出してはならないというものだ」と述べた。濃縮ウランを国外に搬出すれば、将来の米国とイスラエルによる攻撃に対して自国がより脆弱になるとイランの最高幹部らは考えているという。
イスラエルのネタニヤフ首相は、イランからの濃縮ウラン搬出、イランによる国外武装勢力への支援停止、弾道ミサイル能力が排除ーーが達成されるまで戦争終結とは見なさないとこれまで表明している。
両高官によると、敵対行為の停止は空爆再開前に安心感を生み出すための米国による戦術ではないかとの根深い不信感がイラン側にある。
イランの和平交渉のトップであるガリバフ国会議長は20日、「敵の明白な動きと隠れた動き」は米国が新たな攻撃を準備していることを示すものだと指摘。一方でトランプ大統領は、交渉は最終段階で合意に至らなければ攻撃を再開するとしたが、イランからの「正しい回答」を数日間待つ用意があるとも述べた。
イランの両高官によると、双方の相違は一部は狭まり始めているが、濃縮ウランの備蓄や濃縮を認めるなどの核開発計画を巡り依然として深い隔たりがある。
イランは戦争前、濃縮ウランの半分を国外に搬出する意向を示していたが、高官によると、トランプ氏がイランを攻撃すると繰り返し威嚇したことを受け、立場を硬化させた。
イスラエル当局者はロイターに対し、トランプ氏が攻撃を決断するか、スラエルに作戦再開のゴーサインを出すかは依然として不明と指摘した。
イラン高官は一方で、「実行可能な解決策」があるとし、「国際原子力機関(IAEA)の監督下で(濃縮ウランを)希釈するといった方法がある」と指摘した。
IAEAは、イスラエルと米国が2025年6月にイランの核施設を攻撃した時点で、イランが60%濃縮ウランを440.9キログラム保有していたと推計している。このうちどれだけが残っているかは不明だ。
戦闘終結に向けアメリカとイランは、ホルムズ海峡の開放と高濃縮ウランの処分をめぐり基本合意したと報じられました。ただ、最終合意までには数日かかる見通しだということです。
ニューヨーク・タイムズは24日、アメリカの政府当局者の話として、アメリカとイランはホルムズ海峡を開放し、イランが高濃縮ウランを処分することを約束することで基本合意したと報じました。ただ、最終的な合意に向けてはトランプ大統領とイラン側の最高指導者の承認が必要で手続きには数日かかる可能性があるとしています。
また、イランが現在、所有している濃縮ウランをどのように処分するかについても交渉が続いているということです。
一方、トランプ大統領は自身のSNSに「時間はわれわれの味方だ」などと投稿し、アメリカの代表団にイランとの合意を急がないよう指示したことを明らかにしました。合意が成立するまではアメリカ軍によるイランの港湾封鎖を続けると強調しています。
こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は24日、トランプ大統領と23日に電話会談したと明らかにしました。
ネタニヤフ氏は、トランプ氏と「イランとのいかなる最終合意も、核の脅威を排除するものでなければならないという点で一致した」と強調。そのうえで、イラン国内の核施設の解体や、濃縮ウランの国外搬出が必要だと主張しています。
また、トランプ氏が、レバノンを含むあらゆる戦線でイスラエルが自衛する権利を改めて確認したとしています。