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ただし、これを今季低迷の直因とするのも少し違う。 やはり問題とすべきは、松田 元オーナーを頂点とする組織ガバナンスの制度疲労だろう。
ここで特記したいのは、カープ史における「衣笠 祥雄」である。 衣笠はカープ一筋23年、2215試合連続出場という空前の記録を残し、国民栄誉賞まで受賞した球団史上最大級のレジェンドである。それにもかかわらず、1987年の現役引退後、一度もカープの監督にもコーチにもならなかった。その背景について、衣笠氏と松田 元氏の関係性のみならず、衣笠氏が監督になった場合、本人がスタッフ人事にも強い影響力を持つことを球団側が警戒していた、という一部の見方もある。 つまり「誰を監督にするか」以上に、「監督にどこまで権限を渡すのか」が問題だったということだ。ゆえに歴代監督は傀儡とまでは言わないが、1975年のルーツ、2008年のブラウンを除き、球団側が御しやすい生え抜きの人物を登用してきたのが実情だ。 そして現在も、松田家を中心とする長期的な経営体制は続いている。もちろん、オーナーが強いリーダーシップを発揮すること自体が悪いわけではない。むしろカープが長年にわたって広島という地域に根を張り、独自の球団文化を維持してきた背景には、この経営形態の強みもある。しかし、強いトップが長期間組織を統括する場合、最大のリスクは「トップの判断を検証する機能」が弱くなることだ。 その対極にあるのが、DeNAベイスターズと南場 智子オーナーの経営だろう。南場氏も強烈な個性を持つ経営者である。しかし、DeNAの特徴は、オーナーの個人プレーに依存するのではなく、球団を「スポーツビジネス」として組織化してきたことにある。 さらに現在のベイスターズは、南場氏をオーナーに据えながら、社長、チーム統括本部、GM機能など、それぞれの専門領域を持った人材による分業体制を構築している。 これは「オーナーが弱い」という話ではない。むしろ逆だ。「強いオーナー」だからこそ、自分一人ですべてを決めない。 ここに広島との大きな違いがある。 来季の再建3か条は、編成部門の独立性、データ分析&メディカル部門強化、そしてコンプライアンス %%{fg:red}カープも、そろそろ「松田オーナーが何を考えているか」ではなく、「誰が、どのデータを基に、どの責任を持って決めるのか」という組織論に移行し、前近代的球団経営からの脱却を目指すべきだろう。%