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来季の再建策は、監督問題だけではない。 第1に、編成部門の独立性を高める。ドラフト、外国人、トレード、育成、故障管理までを一体化し、数年先を見据えた戦力構想を作る。シーズンオフ、床田 寛樹、森下 暢仁、坂倉 将吾らの主力がFA宣言した場合のリスク対応も喫緊の課題だ。 第2に、DeNAに倣い、データ分析とメディカル部門を強化する。故障や不調を「誤算」で終わらせず、予防と検証の仕組みを作る。 第3に、今回の薬物問題を選手個人の問題として終わらせない。SNS、交友関係、違法薬物、コンプライアンスについて、球団主導で継続的な教育と相談体制を整え、一部週刊誌報道にあったような昭和の体育会的チーム体質も刷新すべきだ。
そして最も重要なのが、権限と責任の再配分である。松田オーナーは「チーム一丸となって戦うには新井監督しか思いつかなかった」と説明したが、額面通りには受け取れない。他監督候補が泥舟に乗ろうとしなかっただけで、消去法としての新井続投とみるのが妥当だ。 ならば問われるのは、新井監督の能力だけではない。監督に必要な戦力を与え、現場の判断を尊重し、その結果についてフロントが責任を負う体制を作れるかどうかだ。 カープが今必要としているのは、「オーナーの交代」ではない。オーナーの役割の再定義である。 松田家が築いてきたカープとの強い絆を守りながら、経営判断は専門家に委ね、現場には権限を与え、結果を数字で検証する。「家族的経営」という美点を残しながら、「家族だからこそ異論を言えない」という組織にはしない。 ゾンビたばこ問題は、あくまで一つの事件である。しかし、その事件をきっかけに、選手管理、戦力編成、現場とフロントの関係、そしてオーナーと球団組織の距離まで見直すことができるなら、今季の惨状にも意味が生まれるというものだろう。 幸い、佐々木 泰、勝田 成、佐藤 啓介、名原 典彦など次代を担う新戦力の萌芽もあり、悲観論だけで来季以降を語るのもバランスを失している。 そのうえで、「カープ再建」の本当の第一歩は、補強でも監督でもなく、「誰が決める球団なのか」を問い直すことではないだろうか