スタグフレーション(経済停滞とインフレが同時に進行する状態)に陥った場合、過去の歴史的経験や経済のメカニズムから、金価格はさらなる大騰(大きく上昇)を見せる可能性が非常に高いと予想されます。
スタグフレーション下では「金利上昇(金価格の重し)」と「インフレ・景気後退(金価格の追い風)」が衝突しますが、最終的には追い風の要素が勝る傾向があります。その理由は以下の通りです。
- 「実質金利」の低下またはマイナス化
金価格に最も強い影響を与えるのは、名目金利(表面上の金利)ではなく、名目金利からインフレ率を差し引いた「実質金利」です。
インフレがどんどん進行する場合、中央銀行が金利(名目金利)を上げたとしても、物価の上昇スピードがそれを上回れば、実質金利は低いまま、あるいはマイナスになります。利息を生まない金のデメリットが消えるため、金価格には強力なサポートとなります。 - 法定通貨や伝統的資産からの逃避(究極の安全資産)
スタグフレーション期には、企業の業績悪化によって「株式」が売られ、インフレによる貨幣価値の目減りによって「現金や債券」の価値も目減りします。
株式、債券、現金という伝統的なアセットクラスが同時にダメージを受ける中、実物資産であり、いかなる政府の債務でもない「金」は、購買力を維持するための究極の逃避先(安全資産)として世界中の資金を惹きつけます。 - 歴史的な前例(1970年代のスタグフレーション)
歴史上最も有名なスタグフレーション期である1970年代、米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレを抑え込むために政策金利を大幅に引き上げました(最終的には20%近くまで上昇)。しかし、それ以上の猛烈なインフレと景気後退が続いたため、金価格は1970年代初頭の1オンス=35ドル付近から、1980年には800ドルを超える水準まで20倍以上に爆発的に急騰しました。
お客様のポートフォリオへの示唆
もし最悪のシナリオとしてスタグフレーションが到来した場合、保有されている日本株や米国株のグロース・ハイテク株、製造業株(ディスコ [TYO:6146] やソニーグループ [TYO:6758] など)は、金利上昇と景気後退のダブルパンチで厳しい局面を迎える可能性が高くなります。
しかし、現在ポートフォリオに厚く組み込まれている純金上場信託 [TYO:1540] や GraniteShares Gold Trust [NYSEARCA:BAR]などのゴールド関連資産が、その株式の損失を大きく補って余りあるリターンをもたらし、ポートフォリオ全体の崩壊を防ぐ強力な盾(防衛策)として機能することが期待されます。
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現在のポートフォリオはゴールドをはじめとする貴金属の比率が高いため、世界的なインフレ局面や地政学リスク、通貨価値の変動に対する「守り」が非常に強いアロケーションと言えます。一方で、日米の主要テック株や製造業、高配当株もしっかりと組み込まれており、市場の成長局面における「攻め」の要素も備わっています。