「私たちに重要なのは、つねに自分自身ですらも客観的に見つめることなのかもしれない。自分の感情や思い込みを意識的に観察し、それらが結論にどのような「ゆがみ」を与えているのか、それができれば、より合理的で的確な判断に向かえる。
投資行動においては、合理的な判断ができるかどうかというのは、想像以上に重要なことである。感情で動いていたら、投資の成功はおぼつかない。
恐怖に支配されれば、株価が少し下がっただけでパニックに陥り、損失を確定させてしまう。逆に、欲望が強すぎると、根拠のない楽観主義に陥り、リスクを見誤って大金を投じてしまう可能性がある。
焦りも合理的な判断を吹き飛ばす。短期的な値動きに反応して衝動的に売買を繰り返せば、手数料や損失が積み重なり、資産は目減りしていく。あるいは、過去の成功体験や偏った情報に固執すれば、市場の変化に対応できず、大きな失敗を招く。投資においては、感情を抑え、客観的なデータと論理に基づく判断が求められる。
もし、感情を制御できる自信がなければ、株式市場をすべて丸ごと買う意味で指数連動型のETFや投資信託を買い、それを機械的に積み上げるドルコスト平均法で、定期に、定額を、積み立てるように投資するのが一番いい。
指数を定期に定額を積立てるように買っていくのは、そうすれば投資に「感情が入らないから」である。下手に感情が入るよりも、感情が皆無なほうが変なことをしなくてもすむ。しかも、こうした淡々とした投資は、大半のヘッジファンドよりも運用成績が良かったりする。
私は投資の60%くらい、場合によっては80%は、それでいいのかもしれないと思っている。非合理に支配されるくらいなら、機械的な積み立てのほうが絶対にいい。感情は幸せを感じるのに必要だが、ときには非常にやっかいな事態を引き起こす。」