長くなりそうだったので
T-72のほうが不整地走破性は圧倒的に低いのでそれは根拠としては弱いね。それにT-72のV型なら極限環境でも確実に動作するというナイーブな幻想は捨てろ(某ハゲ風)。V-45はピストングループの欠陥などで別に信頼性があるわけではないよ。5TDFも70年代中盤には運用寿命が改善されて、T-72のV型エンジンより半分の故障パラメータであるといった報告書が出てる。つまり5TDFはV-46より故障率が低くなった。優れているのは冬季の始動性と、現場と部品供給側が慣れたT-55のノウハウを共有できることだけど、T-72が登場するころには装備転換の混乱は乗り切ってたのでむしろT-72は整備の面でもお邪魔虫だった。上で言及したOb-439もチェコスロバキアで生産してワルシャワ加盟国に供給予定だったから、T-34とかに使ってたV-2系列にドーピングを重ねたV-46はノウハウこそあれど将来性が無いのでソ連としては脱却したかったものなんだよね。いまでもV-92の出力上昇が無理そうでGTDのラインを開く程度に脱却できてなくて苦しんでるくらいだし。ついでにそもそもT-72は走行能力、射撃能力、価格等諸々がT-64に負けてたので、導入すべき理由は無いんだよね……。
それは複合装甲や大口径の主砲で増えた分の重量を(自動装填装置での省人化による容積削減と)機関部をコンパクトにすることで相殺しようとしたT-64にとってはやりたくない話なんですよね。T-64は水平対向エンジンの搭載ありきで設計されていた、ともいえる。>74に言及した通りWW2時代のエンジンにドーピングを重ねたものから「次世代の技術」と見定めた水平対向エンジンの採用と、それに適した設計にした戦車を製造、のちに6TDに換装してエンジンのアップデートもやって順当に進化していったのでやるべきことはやってる。たしかに初期の5TDFは装備転換の混乱とかの理由でトラブルメーカーだったけど、T-72の開発経緯がでっち上げられた「T-64の走行能力の低さ」が理由なことから、水平対向エンジンは問題になったけどV型エンジンを積むほどではないと運用側も開発側も考えていたものだと言える。