ダブルライザー時空
デンドロバースの『ライザー変身時空』から分岐して生まれたもう一つの世界線。
「正義の仮面騎兵マスクド・ライザーと、悪の組織ジョーカーの戦いが始まってから既に半年の時が過ぎた。ライザーは想い人のリリアーナと、その妹のミリア(ミリアーヌ)と共に商店街に買い物に来ていた。
ライザーにやたらくっつく妹をたしなめようとするリリアーナだったが、『わたしは将来お兄ちゃんと結婚して子供も沢山生んで育児で忙しくなるから、今の内に沢山イチャイチャしてるの』と言い返されてしまう。それを聞いてなんて答えればいいのか分からないライザーは、妹のその言葉を聞いて微笑ましい顔をするリリアーナを見て軽くショックを受けてしまう。その時、商店街の隅でイナゴの佃煮を売っている店を発見して、何故か女性限定で試食できるコーナーを見つける。『この佃煮は美容に良くて一口食べただけで肌がツヤツヤになる』と言われて勧められたリリアーナだったが、虫が苦手な為断ろうとするとミリアが代わりに食べてしまった。最初こそ『これで綺麗になってお兄ちゃんを悩殺できる』と思ったミリアだったが、その佃煮が思いの外不味かったらしく酷い顔になってしまう。買い物も終わって店に帰ろうとするライザー達は、さっき通った佃煮の店がもう閉まってる事を不思議に感じる。
あの日の買い物から一日経ち朝を迎えた後、ライザーはリリアーナとミリアに挨拶をしようと『喫茶グランドリア』を訪れる。しかしその途中、店の中からリリアーナの悲鳴が聞こえてライザーは急いで店内に入る。その時ライザーが目にしたのはなんと、お腹がまるで風船の様にぽっこり膨らんだミリアだった。何かの病気かと思いリリアーナを落ち着かせて医者を呼ぶように言うライザー、急いで医者を呼んで来てミリアの容態を気にしながらウロウロと動く二人だったが、医者はなんとミリアが妊娠していると言うのだ。それを聞いてショックの余り気を失ってしまうリリアーナと訳が分からないという顔をするライザーだったが、『実は最近身に覚えが無いのに妊娠してしまう女性が増えており、その原因が全く分からない』と言うのだ。『これはきっとジョーカーの仕業に違いない』と感じたライザーは、愛用のバイクである“【マシンヘルモーズ】”に乗ってジョーカーを探しに向かった。
ライザーが店を出た後、医者から『君のお腹に赤ちゃんがいる』と教えられたミリアは『お兄ちゃんを大好きな気持ちが天まで届いて神様が授けてくれたんだ』と思い込み、自分のお腹を愛おしそうに撫でる。しかしその時、店の中に複数の足音がしたのでいってみると、自分と同じ様にお腹が膨らんでいる大人の女性・女子大生・女子高生・中学生の妊婦達が現れる。その中の一人である『ファリカ』と名乗る女性から『もしかしてこの近くの商店街でイナゴの佃煮を食べたりした?』と聞かれる。彼女が言うには、『自分達にはある共通点があって、ここにいる全員が近くの商店街にある佃煮の店の試食コーナーにあったイナゴの佃煮を食べた事があり、その数日後に妊娠した』と言うのだ。それを聞いたミリアは昨日行った店の事が気になり、この事をライザーに知らせようと他の妊婦達と一緒に外に出る。
一方その頃、ジョーカーを探している内に昨日の佃煮の店が怪しいと感じたライザーは、急いで商店街の方に向かう。そこでまた佃煮を売っている売り子達に掴み掛かろうとするライザーだったが、なんとその正体はジョーカーの戦闘員とジョーカーライザーだったのだ。『今度は一体何を企んでいる!』と叫ぶライザーにジョーカーライザーは『この佃煮のイナゴは自身の遺伝子を組み込んだ小型の改人であり、これを女性の体内に侵入させる事でエネルギーを蓄えながら徐々に肉体を成長させて巨大化していき、最後には母体となった女を破裂し爆発させる事で自身と同じジョーカーライザーの兵士が生まれてくる』と言うのだ。その『ジョーカーライザー量産計画』の全容を聞いてしまったライザーは、その企みを阻止する為にジョーカーライザーと戦おうとする。しかしそこに重いお腹を抱えながらこっちに来るミリアと被害者の妊婦達を発見してしまい、何とか此処から離れさせようとするライザーだったが、なんとミリアや他の妊婦達のお腹が更に大きく膨らむ所を目撃してしまう。ジョーカーライザーは『既にイナゴが成長するには充分な時間が経っており、特にその娘が食べたイナゴは本来リリアーナに食べさせようと用意した特別製で、半日で急激に成長して後一時間で母親の身体を破裂・爆発させて生まれてくる』と言うのだ。それを聞いたミリアはショックを受けた後、『⋯うっ!?』と声を上げて自身のお腹に両手を置きながら苦しそうに顔を歪める。過度なストレスが原因で陣痛が始まってしまったのだ。オマケに他の妊婦達まで陣痛で苦しみ出してしまい、その隙を突かれたライザーはジョーカーライザーにミリアと妊婦達を人質に取られてしまう。ジョーカーライザーはライザーに対して『コイツらを助けたければ◯◯山の◯◯谷まで来い』と言って一瞬で消えてしまい、それを聞いたライザーは急いでバイクを走らせて◯◯谷に向かう。
一方、ジョーカーライザーに捕まったミリア達は時間が経つ毎にお腹が膨らんでいき、破裂への恐怖と陣痛の痛みに必死に耐えながらライザーが来るのを待っていた。すると其処にライザーがやってきてミリア達を助けようとするが、ジョーカーライザーが『この娘と他の女共の身体を元に戻してほしければ、一切の抵抗をするな!!』とライザーに叫ぶ。ライザーは止むを得なく無抵抗のまま戦闘員達の攻撃を受け続ける。だがその時、魔訶不思議な事が起こった。ライザーのベルトに蓄積されていた風のエネルギーが外に出てきて、ミリア達のお腹の中に入っていったのだ。風のエネルギーが体内に入ってお腹が膨らみ続けるミリア達は、遂に大爆発を起こして破裂してしまう。それを見たライザーは絶望し、ジョーカーライザーにトドメを刺されそうになる。しかしその時、煙の中から死んだと思った妊婦達が妊娠する前の無傷な姿で横たわっており、ライザーと同じ容姿をしたミリアと同年代くらいの仮面の少年戦士が、同じく無傷のミリアをお姫様抱っこした状態で現れた。
これが後にライザーと共にジョーカーと戦うヒーロー、“ミニライザー”が誕生した瞬間である。」という設定の可能性時空。
高頻度、長文、同作者、同系統なら枝につなげてほしいかも