Gの建築
「G」ときいてガンダムのことかと思わない読者はいないが、『アベニールをさがして』はべつにガンダムや宇宙世紀作品ではない。あっけらかんと秘教的な説明をしながら、かといってこの話が本作の全体にそれほど重要な意味があるようでもなかった。
だいたいガンダムのGにそんな深い意味があるわけない、ガンボーイがダムになった名残りだ。あったとして元気のGがgreatest gearだよ。
にかかわらず、わたしはここでの「G」の釈義がこれまでも大変気に入っておりそれは『Gのレコンギスタ』の設定とも通じるものがある。ヘルメス財団は建築家の集団というよりは、ワグネリアンの集まりという最近の印象になってきていたけど……。
富野小説を読み返すたびに音楽を聴く、アニメならその交響組曲アルバムをめくるのだが、『アベニール』にはイメージアルバムもあるわけでないので、このまえは千住明などを紹介していた。アベニールの小説終盤近くは劇のシチュエーションや台詞が『Gレコ』(劇場版)に反映されているか、似ている節はかなりあるから、GレコのOSTでもいい。
劇伴音楽でない菅野祐悟作曲、「交響曲」と銘打った作品が現在2番まである。
- 交響曲第1番~The Border~ (2016)
- 交響曲第2番~Alles ist Architektur~ (2019)
この2番の副題「すべては建築である」はまた、Gレコともフリーメーソンとも一周してやはり関係ないのだけど、劇レコ頃に好きに関連づけて聴いていた。わたしは今夜これを聴いておこう。曲は、それほど堅いものでもない。
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『アベニールをさがして』は作中の世界情勢にも技術的な事情にも一通り説明があるが、「テンダーギアはなぜ人型か」というロボットものの基本的なところは触れずに事前了解事項になっている。アラフマーンなど神秘の域に入っているのに不動明王か阿弥陀かの前にどうして人型かなどは、今更いうまでもないようだ。
モビルスーツよりはオーラバトラーの人型の理由を思い出したい。『オーラバトラー戦記』5,6巻のあたりにその話がある。それと、上のようなところを思い合わせてみると、「G-セルフ」の名などもまた違った意味を見つけられるように思える。