これも去年か、クラーク・アシュトン・スミスの三巻本を通し、これも再読ではあったがその際、毎回のように納骨堂、腐敗、屍臭。「またか、飽きないのか」のように思えて、文章の美しさよりうんざりする方がつのった。
スミスのそれは……ラミアか。ジーニーとかグール、ピシャーチャとも言ったが、ラミアというのもいた。
またBirthgraveの話をすると、その三部作の内容に触れなくても、作中ずっと屍臭が染みていて、まともに息ができないほど空気が悪い場面が多い。同じ作者でもジュブナイル作品になると、「アヴィリスの妖杯」が清潔に感じるという今度は面白い感想になった。ジュブナイルって健全なんだ、とあらためて新鮮さ。
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ラミアというのは、文字通り古典古代でいうと、あまり恐ろしい妖女ではなくてむしろ子供を怖がらせるお化け。わたしはルキアノスの小噺集の中に出てくるような言葉としてその印象だが、上のは、現代の耽美的なラミア。青年と人外の愛に耽るが、そのまやかしの魅力を逃れようもなくじきに彼は食い殺される。