争闘やまないカロッダを鎮定するために掲げたフローランド思想は天下布武、ではないし八紘一宇、でもない。四字熟語でいえば……わたしはいま、「天壌無窮」のような言葉を連想したが、それは先日の菅野よう子のイメージが若干あった。
政治思想(政治目的)としてのフローランド思想は壮大だ。壮大で、言っててちょっと荒唐無稽だと、自分で言っているグラン王も思えてしまうほど。
グラン王が掲げたフローランド思想は宗教的な面はあるけど、フロー教という宗教国家を作ろうとしたわけではない。フローランドが現実に実現している現在に至ってもフロー教徒の地位はやはり何故か、あんまり高くない。
フロー教のアジャリの容貌をみるに、フロー教徒の使命はまず第一に古伝説(創世記)の伝承。自然哲学と、修行者の能力開発に専念している。知的選良(エリート)のみの教義で、凡愚のともがら=民衆の生活態度には全く何も指導しないし、権力に容喙しない。ネオ・フリーメーソンやヘルメス財団に似ているといえば似ている。
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