かとかの記憶

富野由悠季 周回 / 251

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katka_yg 2025/07/03 (木) 09:19:59 修正 >> 250

それとまた少し違うはなしで、この『∀の癒し』で印象的に覚えているのはサンライズだバンダイだという話の中で、

〈オリジナルだというのなら、ガンダムという名前はつかうなよ! シャアも駄目、ジオンもギレンだって駄目だ! ララァやライラを勝手に動かしてもらっては困る!〉

この文句、ガンダムからララァまではわかるけど、なんでそこで「ライラ」?と、読者は思うと思う。ジェリドの尻を叩く姉御パイロットのライラ……が、そこであまり念頭にあるとは思わないけれど、ララァだライラだ、という、口馴染みするライラのキャラ名についてはガンダム以外の他の作品にも出てくる。

文章の意味でいえば、ここのライラの場所にはまりそうな典型的なガンダム女性の名というと、しばらく考えて……キシリアって意外に富野監督の中では肉感が薄いんじゃないか、商業的にも……ハマーン? ハマーンの名前がライラ(『王の心』ではカロッダの女王)と響きとして代替可能のような想像は、ちょっと面白いじゃないか。

わたしは富野作品にかぎらず、エッセイ作品というのはこうした文章や文字の飛び跳ねをよく読んでいるようでもある。〈思想〉なんてものは、〈思想は伝達可能〉と世間一般では思われている程度には、コピーは可能。

ああ、いや、ここは「セイラ」か。文脈からはセイラだろうな。まあいい、もう書いたし。
……ライラをセイラとすれば音韻よりはっきり視覚的だ。誤植ではないのか?
ララァの響きとセイラの名前が、衝突したんだ。ちょっと感動的な発見。わたしは今まで気づかなかった。

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