クロノクルのヤクザ
2巻15章。クロノクルはビクトリーの戦闘を望観しながら、そのマシーンを操縦しているのが彼をシャッコーから振り落とした少年ウッソということは想像もつかない。白いモビルスーツの性能に戦慄しつつ、対リガ・ミリティア戦の今後の局面を危惧する。
姉のマリアが、ザンスカール帝国の女王になっていくなかで、保身を考えるようになってしまったクロノクルは、ものごとに実直に反応する士官にそだっていた。
そんなクロノクルが、ウッソという少年と白いモビルスーツの関係を知れば、彼は、また、少年時代のヤクザな気持ちにもどってしまうのかもしれなかった。
クロノクルの過去、少年時代の様子は前の章で少しだけ描かれた。士官である現在の「実直な反応」としては、敵兵器の凄さを認め、彼の役職上の立場としては、その脅威が彼の属するイエロージャケット部隊の今後の仕事(任務)にどんな影響をもたらすか、に思いを走らせている。
そこでもし「実直でない反応」をするとたとえば、こんな仕事やってられるかっ! 怖いんだよ! 俺はもう帰りたい!! のように言うと、なかなか実直ではない。正直な気持ちではある。
クロノクルが少年時代のテンションに戻ってしまうという、「ウッソ・エヴィンと白いガンダム」の関係(!)を彼が呑み込んでしまうと、今の実直さもすっ飛んでしまうかもしれない。富野ヤクザといえば「やられたらやり返す」暴力応酬のことで言うことがあるが……これを見て、そんなのありかよ!と不条理を呪ったり、ウッソ・エヴィンめ! このインチキ小僧ーッ!のように激昂するとヤクザやチンピラに近くなると思う。ウッソとシャクティの関係のことはクロノクルのストーリー線上にまだ昇ってこない。
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ぶらぶらしてる少年の投げやり、という意味だ。ここのヤクザ。