バグのような機械音
ハイカー達が峠にある山小屋で一夜をすごすことにした。夜が更けると、小屋の周りを何者かが走り回るバタバタ、大きな虫が飛び回っているようなブンブンという音がし始めた。その少し前から、人々は理由のわからない悪寒を感じ始めていた。
人々は正体不明の騒音に悩まされながら、小屋から出て音の源を確かめようとすることは互いに制止した。クロスボーンの時代に使われたバグのようなものの噂を思い出す者もいて、彼らは恐慌に陥りかけた。「息をするな。できるだけするな」「体温を下げたほうがよい」など言い合い、身を寄せ合っていた。
死んだように横たわるうちに夜が明け、小屋近辺の機械的騒音は数時間旋回してのち聴こえなくなった。バグならば小屋に隠れていても安全ではないので、彼らは運が良い。(地球。宇宙世紀〇一五〇年頃)
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