もうどうなってもいい王の心
第七話、冒頭からグラン王はアカイアーのことや、雲のことを思い出し、冥界の掟に違約しても現世に働きかけるすべがないかと思いめぐらせているが、「アカイアーには冥界の加護(掟の例外対象)があるんだろう」と想像が至るとして、例の松葉のことはやはり憶えていないみたいだな。
雨雲は、グラン王の力ではなくて、そのときグラン王の切な願いに応えて冥界の何者かがやってくれたことだと思っている。それもアカイアーだから冥界が特別にそうした。松葉は……まあ忘れて。
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霊体で自元術(導引術のようなもの)を行ってその不可解さに苦笑していたり、グラン王も生前のリアリズム思考が抜けなくて霊的になりきれていない。
だって死後はもうこの世に関わりようがないと観念し尽くしているなら、それは、どれほど極端なエゴイストでなくても執着を持ち続けられないだろう。後はもうどうなってもいいじゃないか。「ただ観察者として先々を見届けたい」というのは妄想か。