katka_yg
katka
2025/07/14 (月) 23:24:43
Chapter 4 / Book 1まで。人死にまくる。
富野通読の方をしばらく没頭していてすぐ放置ぎみになる。The Birthgraveから続きこのゴア程度だけど、たとえば『リーンの翼』のようなそれと全然違うのは、容赦なく凄惨だけど露悪ではなくて、惨酷のうちに暗いユーモア調子……比較対象がよくないか。
LomandraとLiunのところあっという間なのにやはり上手い。tirrとかbanalik、hiddraxという動物の名は文中で早くから点々と挙げていて、リーのことだから撒いたネタは全部回収するのかな……と思う。
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ジークアクスみたいなもの観ながら同時にこういうもの読めない、わたしは。というかタニス・リー作品は他作家の誰とも併読が、気持ちが両立しにくい。全く違うジャンルの読書を時間割で転々と切り替えることはあるけど、リーは全面的な傾倒というか、入り込みが必要みたい。
音楽作品のイメージもない。憶えているのは、『影に歌えば』の訳者あとがきで井辻さんがダラダラ書いているけどわたしはそれらの印象も全然なかった。作者の写真を見てクラシックを当てたいとも思わないけど。
昨年、The Birthgraveシリーズの間に和田薫劇伴のリスニングを入れていて、その連想で「キャシャーンSins」とバースグレイブのキャラクターイメージが結びついて抜けなかった。二部以降ヴァズカーにしても性格はかなり悪童っぽいけど、風貌や生き方はあれに見える。バースグレイブの実写映像化のようなことは作中の理由でまず考えにくいけど、アニメならあるなあ……と思った。そもそもリー作品の映像なんかは実質的にない。
犬夜叉ではない。
『私に近づくな。死ぬぞ』というヒロインのほう。自分の名前を告げるにも、くッと一瞬躊躇い、傷のある表情になってから話すというそれ。
The Birthgraveの余談続きで、あの主人公(語り手)の「私」って、作中に名前はあるんだが、物語のあいだに他人に呼ばれる名のうちどれも、真の名もあるけど、読者にはどれも言及しにくい。「語り手」「私」しか呼びたくない、だろう。
二部ヴァズカーはヴァズカーでいい。もともとトゥベクと呼ばれていたがどうせヴァズカーなのは分かっているから読者も躊躇しない。一部範囲では「私」の名を明かしたくないのに、三部になるとわりとあっけらかんと書かれていたりするが、それも仕掛けになっているような経緯で、とにかく言いにくい。彼女の年齢設定についても、描写から幾つくらいと目に浮かぶけど、はっきり言いにくい理由もあり、とにかく語りにくい作品だった。邦訳されないかぎりすごいフラストレーションに残っている。
これを「ダークファンタジー」と呼んでいるのはThe Birthgraveのイメージがそのときあったのだった。これも井辻さんの訳書で『銀色の恋人』のことをキカイダーとも言っていたっけ。OVAだからものが違うが。