The Birthgraveの余談続きで、あの主人公(語り手)の「私」って、作中に名前はあるんだが、物語のあいだに他人に呼ばれる名のうちどれも、真の名もあるけど、読者にはどれも言及しにくい。「語り手」「私」しか呼びたくない、だろう。
二部ヴァズカーはヴァズカーでいい。もともとトゥベクと呼ばれていたがどうせヴァズカーなのは分かっているから読者も躊躇しない。一部範囲では「私」の名を明かしたくないのに、三部になるとわりとあっけらかんと書かれていたりするが、それも仕掛けになっているような経緯で、とにかく言いにくい。彼女の年齢設定についても、描写から幾つくらいと目に浮かぶけど、はっきり言いにくい理由もあり、とにかく語りにくい作品だった。邦訳されないかぎりすごいフラストレーションに残っている。
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