旧15/新10章おわり。おそろしく難しい場面を書いている。読み終えたときに背筋がぞくっとした。小説を読んでその戦慄は、また久し振りだ。
細かい比較点を補う。
完全版では「………」とか「……!?」といった旧版にある符牒のところは行を詰められがちだが、ゲリィについての感応を呟いた迫水とアマルガンの間にある理解の「……!?」は完全版のほうに一文、それが補われている。こまかい。旧版ではこの後、海岸であらためてアマルガンを呼びにコムがやられている。
リンレイは新旧で髪の色が異なる。旧版では赤茶色、完全版では金色。 →追記(新13)
レッツオ戦後の数日、多事に忙殺されながら迫水は夜には酒浸りになりながらとりとめない思案は旧版にまた続く。完全版では浦島太郎について考えたまでで省略。実戦を反芻し、特攻についてもたびたび考えあぐねた結果、旧版ではついに「心理戦」についての洞察に踏み込む。ここでは〝気〟をベースにする思想で、もちろんサイコミュではないが、富野文脈では後年くり返しにもなるので慣れて読めるといいと思う。
リンレイから迫水に、決して激昂することなく「女性の痛み」を切り札のように言い放つのは、並の少女には言えることではないし、小説家も相応の覚悟がなくて書けることではないと思う。それに重ねて畳み掛ける言葉は、
迫水にとって短刀(ドス)であった。(旧)
言葉の応酬の迫力は凄いものだ。わたしはこの二週間ほど「男子の恥」を別記事でひっくり返していながら、「女性の恥」についてはシドロモドロになりがちなことはよく分かるが……。この章の最後の台詞がまた、新旧では「言葉か、テレパシーか」の意味付けが大きく分かれている。これほど違うものなら両版は別物になる。
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細かい比較点を補う。
完全版では「………」とか「……!?」といった旧版にある符牒のところは行を詰められがちだが、ゲリィについての感応を呟いた迫水とアマルガンの間にある理解の「……!?」は完全版のほうに一文、それが補われている。こまかい。旧版ではこの後、海岸であらためてアマルガンを呼びにコムがやられている。
リンレイは新旧で髪の色が異なる。旧版では赤茶色、完全版では金色。
→追記(新13)
レッツオ戦後の数日、多事に忙殺されながら迫水は夜には酒浸りになりながらとりとめない思案は旧版にまた続く。完全版では浦島太郎について考えたまでで省略。実戦を反芻し、特攻についてもたびたび考えあぐねた結果、旧版ではついに「心理戦」についての洞察に踏み込む。ここでは〝気〟をベースにする思想で、もちろんサイコミュではないが、富野文脈では後年くり返しにもなるので慣れて読めるといいと思う。
リンレイから迫水に、決して激昂することなく「女性の痛み」を切り札のように言い放つのは、並の少女には言えることではないし、小説家も相応の覚悟がなくて書けることではないと思う。それに重ねて畳み掛ける言葉は、
言葉の応酬の迫力は凄いものだ。わたしはこの二週間ほど「男子の恥」を別記事でひっくり返していながら、「女性の恥」についてはシドロモドロになりがちなことはよく分かるが……。この章の最後の台詞がまた、新旧では「言葉か、テレパシーか」の意味付けが大きく分かれている。これほど違うものなら両版は別物になる。