リンレイから迫水に、決して激昂することなく「女性の痛み」を切り札のように言い放つのは、並の少女には言えることではないし、小説家も相応の覚悟がなくて書けることではないと思う。それに重ねて畳み掛ける言葉は、
迫水にとって
短刀 であった。(旧)
言葉の応酬の迫力は凄いものだ。わたしはこの二週間ほど「男子の恥」を別記事でひっくり返していながら、「女性の恥」についてはシドロモドロになりがちなことはよく分かるが……。この章の最後の台詞がまた、新旧では「言葉か、テレパシーか」の意味付けが大きく分かれている。これほど違うものなら両版は別物になる。
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