剣法は本来殺人剣であるとか、
日本刀は、所詮、肉切り庖丁であろう。
こういう言い方だな。『刀は美術品ではない』というために、刀=肉切り包丁とか人切り包丁とかいう言い回しは、著者がそれを実感として自得したわけではないなら、先行作家の引き写しで引き続いているのではある。一面の真実で一時代の小説の風潮でもあるけど、2020年代にもこれをそのまま引用してはどうなのかと思う。
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剣法は本来殺人剣であるとか、
日本刀は、所詮、肉切り庖丁であろう。
こういう言い方だな。『刀は美術品ではない』というために、刀=肉切り包丁とか人切り包丁とかいう言い回しは、著者がそれを実感として自得したわけではないなら、先行作家の引き写しで引き続いているのではある。一面の真実で一時代の小説の風潮でもあるけど、2020年代にもこれをそのまま引用してはどうなのかと思う。
それと、旧版のこの数ページにわたる論の中で、
から始まり、「癖」と三回ほど言い続けられる。ルビはとくに振られていないが、前後に「性癖」「悪癖」とあるように、この癖は「くせ」ではなく「へき」と読む。これも読者のうちには当たり前に読む人と、世代によっては見慣れない人も今はいるように思う。
まあ、わたしは自分のここの記事にあまり読者を想定していないし、いたとしても『リーン』初読者向け記事じゃないとは思うけど、旧版のこの前後は今読むことにはちょっと注意かな。