恣意
旧19章おわり。今夜ここまで。
リンレイはその体内に恣意を発動させたのである。……というが、この章で三回ほど使われた「恣意」はほとんど「性欲」ともいう意味で、一般的に恣意の語について聞くことではない。意味はわかるが、やはり変な意味にきこえる。
手元でたぐったところ、
ガンダムを書き始めた時に意識したことは、ロボットが活躍しなければならない疑似SFの世界に、人の記憶(別の言い方をすれば、恣意)を投入することはできないだろうか、と夢想したことに始まります。
(『ファウ・ファウ物語』あとがき)
この女を満足させられた時は、儂は、世界一の王であろう、とドレイクは思う。その底には、ギィ・グッガ的な恣意を受け入れる素地ができあがっていることに彼は気づいていない。
(『オーラバトラー戦記』3)
これらのあたりの「恣意」の使い方が挙げられる。こうなると「情念」とか「衝動」に近いのでは。ブレンでいうときの「エモーショナルなもの」というとき。ただ、恣意の語自体にはやはりその意味はなく、今思ったのは、先ほど上に書いた「規範」と対置するものとしておけば良さそうに思えた。
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富野文中でも「恣意的に」というときには、それはごく一般的な意味で使われると思うから、「恣意」についても富野ファンなら大体見たことはあるはずだが、ここに割り込んでくる特殊ジャンル的な感じが説明のしにくいこと。