かとかの記憶

リーンの翼 / 176

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「24 追撃」(旧)
「15 追撃戦」(新)

それはもはやガロウ・ランのものではない。(新)

ここまでの、「ガロウ・ラン観」の変化の経緯をつぶさに読んできていると、ここで「おお」という気に読者もなる。

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  • 177

    開戦。ここは完全版に、合戦描写の加筆がかなり多い。較べてみると旧版にも「硫黄谷」というシチュエーションは書いてあるが、完全版には戦場の具体的な展開――足場としての亀裂、礫石、陣地として辛うじて整地した馬道、視界(硫黄煙)をざっと書き上げてあって、同じ場面が鮮明になっている。戦術では迫水隊の拳銃の連射と、「長槍」の存在は旧版には全くない。速力でまさる騎馬攻撃で敵の中核にまで達したところでそれ以上の吶喊は踏みとどまり、ここで防御の槍衾を敷く。作戦の第二段階を待つ。

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    バイストン・ウェルの地形は、地上界の自然の地質学的常識が通じるかは怪しいという話だが。しばらく前に『王の心』のときにも火山性の土地でのエピソードがあり、そのときにこの章の連想をしていた。キャロメット老人についても思い出していたな。