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探してみたが、この意味では富野小説作品中でも「情念」の用例の方が多い。むしろリーン以外では「恣意」のこんな突飛な使われ方は見当たらないくらいだ。
文芸一般に情念というと、たとえば江戸時代の幽霊話で、自然の現象では説明つかないし、倫理や筋道も通っていないのに、ただ憎いや、悲しい、愛しいだけの想いで、そこに忽然と幽霊が立ち上がったり、クラクラと炎が燃え立ったりするとき、物質や肉体を超えても「情念だけの世界」が語られる、のような言い方に使われることがある。
なので、情念と言ってくれればわかりやすいが、なおそうは簡単に言わない。エモーショナル、エモーションという英語にはまた英語独特のニュアンスが被るので今避けよう。