かとかの記憶

リーンの翼 / 256

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katka_yg 2025/10/22 (水) 21:48:45 修正

床山

「36 朝のあたたかさ」(旧)
「23 リンレイとアンマのあいだ」(新)

床山(とこやま)を呼んでくれ……」(旧)

と口にしてから旧版では「床山」なるものの実体を表すのは次の37章まで待つ。完全版ではここですぐに床山組織の解説と、その長ハッサバ・ノゥムの登場となる。

ゴゾ・ドウ直属の御庭番のような忍者集団について、旧版でもわからなくはないと思うものの、初読の読者はこの時点で「ゴゾが理髪師を呼んだ」としか思わないだろうから、意味不明なだけで、間を置くことの意味はあまりなかったものと思う。

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  • 258
    katka_yg 2025/10/22 (水) 23:01:04 修正 >> 256

    完全版では23章のここにあるハッサバとの対話。そのうち、

    「闘いますか?」
    「闘うのではないな。真なる聖戦士であるなら、凡俗たるわたしがどのていど歯向かえるか、それは試してみたい」

    このゴゾの自意識というか、聖戦士観も併せて面白い。前回登場時には、歴史的にガダバの民だけが北辺の地に押し込められて南進を阻まれてきたことを「フェラリオ達の偏見」と断じ、リーンの翼とはその偏見の延長上の顕れとみなす、と激烈な怒り、正義感さえ表明していた。そんなものには立ち向かってみせる、との。

    「現に、歴史は、リーンの英雄が荷担した国家が永遠に続かなければならんとは教えてはいない。歴史は、リーンの翼の力を永遠に持続させはしなかった。これは、バイストン・ウェルの世界が、公平に機会を与えてくれているという証拠だ……」(旧29)