この序文……序章はかなり長大なもので8ページにわたる。バイストン・ウェルのまず構造について語るもので、その概念自体は、これを読まなくても『オーラバトラー戦記』を読めばそれと齟齬はない。
若干の言葉遣いの違いがあるかもしれない。ここではコモンと呼んでいる存在のことは、本編と後のシリーズ含め、おおむね「コモン人(びと)」と呼ぶだろう。種族というよりは魂の有り様というニュアンスでコモンと呼んでもいい、みたい。
文章は結構ぐいぐい来る感じで、好きな人はこれが好きなのだが、わたしは先日たまたま『∀の癒し』で、劇場版のかなり駆け足とはいえ「∀ガンダム」本編もみていて、それと比べれば相当に硬い文章……。富野監督自身の文でも、もう10年たてば全然違ってくる。それがわかった。
面白いのは、この序の章末――『バイストン・ウェルは魂のマスカレイド(仮面舞踏会)。』、この表現はたぶんここにしかない……?
バイストン・ウェルは魂のマスカレイド。
オーラ・ロードは、その魂のマスカレイドをのぞくためにひらかれた、肉ある者への道。
しかも、そのオーラ・ロードは、世界の綻びの道……。
その道が、四散した時、人の世界は、現ポイントから霧消する。
それ故に、バイストン・ウェル、人のオーラによって支えられた世界は、震える。
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