90年代のゲーム小説から
タニス・リーを少し離れて、日本FTの興隆には同時代のゲーム文化の影響は少なくない。ようするにコンピュータRPGから「剣と魔法」の世界に馴染む世代になってきてそのジャンルが浸透、広まった、との考え。
その90年代頃の流れで思うときに、ゲーム発の作品でありながら文芸として独自の作品であることが成立し始めた先駆として、
- 久美沙織『小説ドラゴンクエストIV』(1991-2) 上記
- 古川日出男『砂の王』(1994)
- 鈴木銀一郎『ドラゴンライダー』(1991)
を思い出す。三つという数に意味はない。コンピュータゲームのノベライズという意味でなければ、ロードス島戦記などももともとゲーム発祥の小説だが、いまタニス・リーの話題ではそんなに関係ない。『ドラゴンライダー』にはまたリー作品のようなイメージは皆無だがテーマには多少、近いものもある。
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